表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/136

遠隔攻撃者

攻撃魔法の瀑布が迫って来ていた。


色とりどりだ。火、水、風、土、雷、氷、光、闇、無属性の9種混在している。

形も、球、矢、槍、針、砲弾型、等様々だ。


その中に、特に強力なものが混じっている。20発に1発程度の割合で。

それは、ドリル状に刃のついた砲弾型で、高速回転しながら飛んでくる。


闘鎧を展開しつつ、別途ウルティマⅡが盾状になり、防御に徹する。

「我が主、ドリル弾が危険です。これに的を絞って防御しましょう」

「コアと表面が幽体アストラルたいで、内部には気が超圧縮されているジョ」


そうか、そのせいなんだ。ドリル弾は、幽体アストラルたいを込めたウルティマじゃないと防げない。

加えて、闘鎧と理力を強力に展開していないと相殺できない程の、超弩級の攻撃力。

それでいて、直径1センチ長さ3センチくらいの小型。

幽体防御を要し、強く、小さく、速く、見え難い。

防御するのがすこぶる困難だ。なんだこれは!?


む!魔法瀑布が打ち出される場所が、変化する、数が増加する。現在10か所。

3次元的に取り囲まれている。地中からも来る。


「我が主、的を小さくして下さい。このままでは防ぎきれませぬ!」

俺はハジメ19の姿のままで身長1mにまで小さくなり、体を丸めた。

ウルティマⅡは強度を保ったまま、球形に俺を包む。盾というより殻だ。


ハナを見るとミニマム子狼になって、ウテナ殻に包まれている。


ふう、これでひとまず落ち着いた。

俺もハナも、急所は避けているが、だいぶダメージを被った。

あのドリル弾は、油断すると闘鎧を貫通して、肉体を傷付ける。

ウルティマで弾いても、ある程度の衝撃ダメージが来る。


現状では、的が小さくなった分、ウルティマⅡと闘鎧の防御力がアップして、

瞬時に回復してしまうほどの小さな衝撃があるのみだ。


でたらめな魔法瀑布は一向に止む気配がない。


「ふー、人心地ついた。でもこのままじゃ手も足も出ない」

「ダルマというより、卵だねー」

「敵の気量が∞だとすると、この攻撃は永続する可能性があるジョ」


「ウルティマⅡはこの攻撃に覚えはあるか?」

「ありませぬ、初見です。しかし、反撃の糸口があるとすれば、、、」

「あるとすれば?」


「魔法の射出口なのですが、それが何とも。。。」

「亜空間からの攻撃だと思われるジョ」


現在射出口は10か所。距離1mから10m。全方位。開口時間0.1秒程度。

距離、方位、時間は全てランダム。とらえどころがない。


殻に閉じこもりながら、心を静め、開口部の気配を探る。

ふむ、直前に幽体アストラルたいがふっと揺らめく。

そして、ぴょこっ、バシュバシュバシュ!

ん、あのぴょこはなんだ?


「うさぎの耳と鼻と目だー」

そうだ。ハナの言う通りだ。あのうさぎめー(怒)!

うさぎが開口部から僅かに覗いて、狙いを確認している。

別開口部からも同時に覗いている。1匹じゃない。10匹いるのか。


「魔法攻撃パターンが変化したジョ」

目くらまし攻撃が止み、ドリル弾のみになった。そして着弾が1点集中。

「このままでは突破されます。防御も1点に特化します」

ウルティマ盾が集中すると、着弾が集中しても押し返せる。


しかし、次の瞬間には盾の無い部分に向けて集中攻撃が来る。

一瞬遅れて、集中防御を展開するが、1発は直撃弾を喰らう。

俺自身も、ウルティマとは別に、闘鎧、理力更に幽体アストラルたい

バリアを体表に纏わせているので、ダメージは致命的ではないが、回復速度が追いつかず、

少しずつダメージが蓄積されて行く。


「ハナ、大丈夫か?」

「痛っ、だいじょ、ぶっ」

ハナの方は、俺以上にまずい状況だ。


このままではジリ貧だ。早急にこの状況を打開したい。


俺は闘鎧を解いて、100%瞬動に切り替えた。

防御を捨てて、回避しつつ反撃する!危険だがこれしかない。


幽体アストラルたいの揺らめきを感知できたら、瞬動でそこに飛ぶ。

ぴょこっと覗くうさぎの頭めがけて、ウルティマの一撃。

すかっ。なにぃ?


別開口部のうさぎの頭に汎用銃の粒子砲。ビッ。

素通り。またも不発だ。どういうことだ?


「我が主、この実空間からは、あの亜空間に干渉できない」

むむむ、あ、うさぎの奴がアカンベェを!

むきぃー!腹立つ。うさ公、許さん!


そうやってるうちにも、何発か被弾する。

防御が薄いので体を貫通する。もはや回復ではなく、再生が機能している。

「急所に被弾するとまずいジョ」

「我が主の急所への被弾だけは、攻撃を捨てて盾防御を優先して対処します」


なんとかして、敵の亜空間に干渉したい。

あ!アレが使えないか!?

ハナの追爪を吸い込んだギザギザ縦裂き開口部の亜空間(49話参照)。

あれは実空間から亜空間に、エネルギーを強制投入するものだ。


よし、実験だ。

幽体アストラルたいのゆらぎ感知。亜空間開口部が開く。

開口部の形状を変更する。できる!亜空間内部には干渉できないが、

開口部の形状には手を付けられる。

では次の開口部。こっちもギザギザ縦裂きにして、風の矢を打ち込む!入った!!


よし!次は威力の大きい魔法を発射してやるぞ。穴の中のうさぎ狩りだ!


「ハジメ、待った。亜空間で殺すと迷宮の再生機能が及ばないジョ」

「うーんそうか。憎ったらしいうさぎと言えども、53階の強者。

殺してしまうのはちょっとアレだな」


そうこう言っているうちに、俺もハナも、そろそろダメージがやばいかもだぞ。

「我が主から大容量の気を引き出して我が殻状に纏い、エネルギー体を装いましょう」

できるのか、そんなことが?でもやるしかない!


ふっ、開口部が出た、形状を縦裂きに変更。

ウルティマⅡの準備はいいな!

よし飛び込め!!


飛び込む際に、顔を出したうさぎに足先が引っ掛かった。

ぽろっ、うさぎの頭が取れた。わ、わざとじゃないよ!


飛び込んだ先は、こじんまりとした乙女チックな部屋だった。

「きゃっ。な、なに奴じゃ!あ、あー!妾のうさ5号がー!!」

叫んでいるのは、女の子。

「わるい、足が当たった」


15~16歳くらい?うさ耳とうさ尻尾付き。フリフリの服装。

肌の色は透けるように白い。髪の毛は白っぽい金髪、いわゆるプラチナブロンド。

腰までの長髪をツインテールにしている。瞳は青く、耳、尻尾は青みがかった白。

目鼻立ちは整っている。間違いなく超級の美少女だ。ちょっとハナに似ている。


部屋の中はピンクと白が基調。小物類や壁飾りやぬいぐるみがたくさん。

うさ耳少女はベッドに寝転び、雑誌を開いて、なにやらお菓子を食べていたようだ。

部屋の壁には大きな水晶球がいくつか埋め込んであり、そのひとつに53階、

ハナのいるあのお花畑が映し出されている。


ぬいぐるみと思われたのは、小さなうさぎ達だった。

一匹は首無し、ん、前足で千切れた頭を抱えているぞ?!

うさぎ達は足をタンタン鳴らし、怒りかつ恐れて、ぶるぶる震えている。


うさ耳少女が叫ぶ。

「お、乙女の部屋に殴り込むとは!なんたる暴虐非道じゃ!!」

涙目で震えている。


しかし、次の瞬間、はっと何かに気が付いた様子。

視線を追うと、別の水晶球に文字が浮かんでいる。

『弱みを見せてはなりませぬ』と読める。


「ふふふ、妾の空間に入り込むとは。飛んで火に入る何とやら。生きては返さぬぞ」

うさ耳少女、急に立ち直ったのか!?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ