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超回復で基礎力アップ! 

洞窟の入り口近辺に薄青い燐光を発するドロドロが見える。

ズリズリとゆっくり近寄ってくる。その距離約10メートル。


「ギフトの鑑定を選択して、アレを見て下さい」

鑑定 粘性体 レベル1


「ギフトの判定を選択して見て下さい」

判定 危険大 

真っ赤に見える。


「赤く見えるのは脅威ということです」

やばい。


「索敵を選択して洞窟の奥を見て下さい。」

奥の方には赤い点がいくつもあるけれど、奥側曲がり角までの5m近辺には敵はいないようだ。


「魔法 オリジン 地操作 と選択して下さい」

「選択したよ」

「自己確認 詳細画面 を維持したまま、地操作で奥側5m辺りの横壁に体が入る程度の穴を

掘って下さい」

「どうやって掘るのさ」

「地操作が効いていますので、右手を前に突き出してぐぐーっと穴が開くように念じて下さい」

いや、そんな、感覚的なことを言われても。とりあえずやってみる。

お、手の平にズウゥンと重たげなくすぐったいような感覚が生まれる。

おお、壁が凹んでいくぞ。

凹みに歩いて近づくと穴が広がる速度が心持ち上がったような。


「自己確認詳細を固定表示して気量に注意して下さい」


 自己確認 詳細

 筋力  1

 敏捷性 1

 生命力 1

 気力  1

 気速  1

 気量  0.98 98%

 活力  0.99 99%


気量の数字がクルクルと減少していく。活力もゆっくりめに減少している。

「気量が5%を割り込むところまで穴掘りを続けます」


ほりほりほりほり。面白いように穴が広がっていく。

これくらいなら何とか入り込めそうかな。

おっと頭がくらくらして吐き気がするぞ。

気量 0.04 4%

赤字になって点滅してるじゃん!あっぶねー。


「ギフトの自然充填 大 極 と選択して下さい」

「とりあえず任せるよ。確認しなくていいから、即選択して。あと敬語もいいから」

「わかった。当面、自動選択にして、事後報告する。」

「自然充填 大 極大 と連続選択した。ギフトポイント3を使用。気量が急速に回復する」

うん、クルクル数字が増えていく。もう15%になった。粘性体はあと11メートルくらい。


「そこに落ちている木の枝を持って、穴に入って。回復したら蓋をする。」

「うん、よっこらしょっと。」30センチくらいの枝を拾って穴に何とか体を入れる。


「ねえ、粘性体ってスライムだよね」

「そうだ」

「最弱の魔物じゃないの?」

「そうだ」

「やっつけられないの?」

「危険だ。体力が1しかない。一撃入れられたら死ぬ。」

「。。。。。」

「そしてここ以外に安全な場所はない。よそはどこも致命的だ。

「。。。。。」


そうこうするうちに気量が1.02となって止まった。粘性体はあと5メートル。

「さて蓋をしよう。地操作で、壁を上に持ち上げるイメージで蓋を作って」

「了解。」右手をかざしてズゥンと気を放射。蓋状に土壁が下から上に形成されていく。

「今度も5%下回るまで?」

「そうだ」

「ちなみに気量がゼロになったら?」

「気を失う。というか失神する」

「あそ。文字通りね。。。」


蓋が9割がた出来上がったところで1メートルまで迫ってきた粘性体がぴょんと跳ね飛んだ。

ドンッ。パラパラ。結構な衝撃がある。

ん?ずりズリズリ? あ、壁に取り付いて這い上がって来るのか。

「枝を使ってえぐり出せ」

わずかに残った隙間から粘性体がズリュッと入り込もうとしてきたので、枝を突き刺して、

回転させながら押し出す。水あめを絡める割りばしのごとし。

穴の閉じるタイミングに合わせて枝を外に投げ捨てる。ポイッ。そして穴が閉じて真っ暗に。

「ふー、ギリギリ間に合った。うう、吐きそう。」

3%まで下がった気量が再び回復し始める。


蓋の外側では粘性体が、ドンドンパラパラと攻撃を続けており、諦めるつもりはないようだ。

「気量が回復したら、空間を奥に広げて、その土砂を使って蓋を厚くする」

「らじゃ。あのさ、ところであんたってどういう存在なわけ?」

「私は会話型補助脳。ハジメの脳の未使用スペースを使っている。ハジメの人格の一部だ。

データはハジメのモノのほかに、転生執行官のもつ転生に関する知識と転生先世界の解明された

知識が加わっている。未使用領域の潜在能力をフル活用するので演算速度はかなり速い」

「ほう。頼りにしてるよ。補助脳さんだから、、、ジョーって呼んでいい?」

「好きにしていい」


と和んでいるうちに、気量は1.04まで上がって停止。

奥の土を切り取って蓋の外側に塗り込むイメージで地操作をする。

「あのさ、気量って最初は1.00だったんじゃないの?で次は1.02で」

「そうだ。5%未満まで使い込んで24時間以内に全回復させると2%増量させることができる。」

「それって超回復って奴?」

「そうだ。ザースでは失われた知識になっているので、生き延びて他の人間と話す機会があったと

しても秘匿しておくといい」

「なんで?教えて上げればいいのに」

「ここはそんな甘い世界ではない。頻繁に5%未満になると知られれば襲われる危険が増す」

「そですか。。。」とんでもないところに来たもんだ。


さて、索敵・判別で外の粘性体が赤、黄色、緑、青と色が変わったところで蓋作りは終えて、

換気のために、空気操作で穴の内部と洞窟の外の空気を交換する。空気をつかんでぱっと捨てて

外からぱっとつかみ入れることを繰り返すとそのうち空気の循環ができた。間に土壁があるのに。

空気操作は手先がフルフルする感じだ。


お次は光操作。

指先がジンジンする感じ。

「光あれ!うわ、まぶしい!」

「壁全体が柔らかく発光するイメージで行こう」

ぼやや~~ん。うん、これはいい感じ。


「ここは当面の拠点にしたいから、十分な空間を確保して、椅子やテーブル、ベッドも作ろう」

「椅子とベッドはふたつずつ?」

「いや、ひとつでいい」

そでした。ジョーは俺でした。

ベッドはさらさらの砂仕様と致しました。地操作便利!


小一時間もこんなことをしていると気量は2に。倍になった!気力と気速も同じく2になってる。

「すごいね。何回やったかな?」

「今で35回。ちなみに50回やると2.69になるよ」

あ、ジョーの口調が穏やかになってる。

「こんなに簡単に倍になるんだ」

「いや、今は1から2なので早いけど、100から200ともなればもっと工夫しないと大変だよね」

工夫すればできるのね。。。


「気力って魔法のパワーのことでしょ。気速って何?」

「気力はそんな感じ。気速は発動までの時間と放射の速度だよ」

「なるほど」

「じゃ次行こうか。筋力と敏捷性は分かるよね。生命力はいわゆるヒットポイントでこれが

ゼロになると死ぬからね」

「うう、生命力1ははかない。。。」

「はい、じゃあ地操作でハンマー作ってお腹の辺りを殴るよ。筋力・敏捷性・生命力の数値を

見ながらうまく各5%未満に落として行こー」

「う、、ん」ハンマー作って、ぽこ。あれ数値変化なし?

「全然足りない。もうっとこう、バゴンと」

「痛ってー。うわこれでやっと0.98か。意外と生命力強い?」

「冗談言ってないでどんどん叩く!一発0.1マイナスくらいまでなら大丈夫だよ。骨を折ったり

内臓を傷付けたりはしないように。ショックで死んだら困るから。」

バゴン、ドゴン。うひー、これは泣ける。

さっきの倍以上かかってやっとこさ各4%までダウン。

自然回復極で1.02に。え、こ、これをあと34回ですと!地獄じゃ~~。


ギフト設定 ハジメ 設定順 残34

自由設定

神知

自己確認

鑑定

判別

索敵

地操作

自然充填 同大 同極

空気操作

光操作

自然回復 同大 同極


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