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絶対欲しい!

さて続けて地下4階へ。まだ行けそう。体感ではここまで2時間ちょっとくらい。


この階では敵は原則一度に3体出現。種類は、プリーストゴブリン、ゴブリン、ジ

ェリーフロッグ、サラマンダー、スパロウビーの5種。プリーストゴブリンは、

ヒールの聖魔法を使うゴブリン、ジェリーフロッグは酸性のウォータブレスを吐く

蛙、サラマンダーは火を吹く蜥蜴とかげ、スパロウビーはスズメくらいの大きさの蜂で毒

もち。ちなみに地球のすずめばちの英訳はホーネットだったような。


プリーストゴブリンがレベル3でゴブリンがレベル2で他はレベル1。


魔法と特殊攻撃ですな。ただ、酸も火も毒もたいしたことないし、そもそも一体の

生命力が小さいので治癒が脅威とは言い難い。

それでも、パーティーの攻撃力が小さい場合や、特殊攻撃に弱い場合は脅威となる

のかも知れない。


通常は治癒魔法持ちから倒すけれど、特殊攻撃がやっかいなので、蛙・蜥蜴・蜂を

優先的に屠って、その後ゆっくりとゴブリンとプリーストゴブリンを退治する。

蛙と蜥蜴が隠形で気配を消すのと、特殊攻撃の3種が的が小さくて攻撃があたり難

い、そんな相手だから、気配を的確に探知して、正確な攻撃を加える練習になる。

どいつも一撃で倒す。沈黙の魔法を唱えようともしたプリーストゴブリンは詠唱完

成前に倒したけれど、この階程度なら、物理だけで対応できるし、そもそも俺は無

詠唱だから沈黙の魔法は脅威ではないんだけどね。


ということで、地下4階も楽勝。むしろ地下3階よりも楽ちんだったような。


下り階段に到着して一旦地下5階に下りた後、階段を上り直し、地下4階の魔法陣

エレベーターの部屋へたどりついて、入り口へ転移する。


宝物はさしたるものはなく、鋼の剣3本と硬革の鎧くらいが収穫かな。

魔石はレベル3のものが30個程度。蛙と蜥蜴の石は数個ずつ確保した。


俺もハナもレベル3にアップした。ハナの種族変化はなし。

冒険者ランクもまたひとつ上がってEになった。


迷宮の申し子かあ。何かさ、我ながら向いてるような気がするもんな。へへへ。

明日も楽しみだ。


自己確認

ハジメ 人族 5歳 レベル3 60%

称号 迷宮の申し子

職業 なし

装備 甲羅のベスト うさぎのパンツ 狼靴

基礎値 筋力360/敏捷性360/生命力720/気力840/気速840/気量1770/活力10

攻撃力 360+840(理力)=1200

防御力 360+8(甲羅ベスト)+うさぎパンツ2+狼靴2+840(理力)=1212

備考 空間職人 


他者確認

ハナ 獣族 角狼(進化種) 1か月 レベル3 20%

称号 迷宮の申し子にしてハジメの僕獣

職業 なし

装備 なし

基礎値 筋力500/敏捷性800/生命力1000/獣力300/獣気速500/獣気量500/活力100

攻撃力 800プラスα

防御力 700プラスα

備考 人語を理解する 主従のチームワーク抜群 騎乗可


冒険者カード

氏名 ハジメ ランクE-10級    

種族 人族

年齢 5歳 

レベル 3

備考 火魔法 水魔法  

僕獣 ハナ 角狼 レベル3


外へ出てみたら、まだ日暮れ前だった。

迷宮前のテントの衛兵が嬉しそうにしている。え、ガッツポーズ?ギルド職員の方

は何か唖然としていて、『ばかな』だと。うーん、おっさん達、俺の生還で賭けて

たな、ま、いいけどさ。衛兵に俺を見る目があったということかな?


石屋で石をある程度売って金貨10枚。いいね!

マントとハットは暑いし目立つので脱いだ。

服とか武器防具の良いのが内かぶらぶら物色する。

魔道具屋という店があり、色々興味深い物を売っていた。

まずは収納リング。腕輪や指輪の形になって、亜空間の収納ができる道具らしい。

えらく高い。最低で金貨100枚。1000万円以上か、うーん、そんなもんか。

武器防具も魔法追加効果のあるものが売られている。

売られていると言っても高価なものはカタログ販売。絵と売り文句だけ。

手ごろなものだけ実物販売だ。

その実物を見ているうちに気になったのが『特殊警棒』。うーんこの名称って。。。

絶対、召喚者が関係してるよな。


鑑定

特殊警棒 魔道具 気の発動で約3倍に伸びる(偽) ミスリル製


それに鑑定してみると、性質を偽装しているのが気になる。

うーん、うーんと見れば見るほど、なんだか凄く欲しくなってきた。

特殊警棒が俺に語り掛けてきているような気がする。

値段は、金貨50枚!たけーよ!!500万円相当


うーん何とかして手に入れたいなあ。


ハナも何事か感じているのか、じーっと特殊警棒を見ているぞ。


店主を他者確認してみると、

他者確認

ンボダフ 魔族 下級魔人 77歳 レベル48 

称号 趣味の魔道具屋の店主

職業 商人 魔道具屋

装備 なし

基礎値 筋力100/敏捷性100/生命力500/魔力10/魔気速50/魔気量10/活力20

攻撃力 100プラスα

防御力 120プラスα

備考 鑑定ギフト持ち 魔道具大好き 魔力にコンプレックスあり


おお魔人だ!レベルたけー。でも魔人のくせに、魔力はたいしたことない。

特殊警棒の偽装は見抜けていないかも?どうなんだろう。

でも金貨50枚は用意できないよなぁ。2~3日あれば作れるかな。

でも、今日欲しい、すぐ欲しい。売れちゃったらどうしようと妙にあせる。


俺は急いで宿屋の部屋に戻り、作戦を練った。

「ジョー先生、俺の工作と付与で魔道具作れるんじゃないかな?」

「作れるよ。でも今の手元の材料だとたいしたものはできないけどね」


手元の素材をにらみ、あの店主の好きそうな物を予想して、、、こんなんできまし

た。じゃじゃーん、まずは、仮称炎の剣。本日の獲物の剣のうち、もっとも古そう

な奴を妙な形にして、気を込めると刀身に炎が巻き付き、さらに先端からブレス!

底にサラマンダーレベル1の魔石を埋め込んで、少しの気を込めさえすれば発動っ

と。ついでに柄にトヨタのエンブレムっぽいのを付けちゃう。どうよ!

「威力が全然だから、こけおどしだけどね。まあ面白くはあるね」


念のため、もう1個。道端の石ころを変形させて杯のようにして、蛙の石を埋め込

んで、少しの気を込めると水が湧き出る、仮称魔法の水杯。うん水だ、普通に飲める。

これには三菱のエンブレムを付けちゃうぞ。どうよ!

「数リットルくらいは出そうだね。砂漠の旅のもしものための装備品としては結構

いいかも」


よし、ネタは仕込んだ。いざ出陣だ。


例の特殊警棒金50枚はまだあるかな、よし、あるある。


「ご亭主、これを見てくれないか」

「ふむ、、、この剣は!おぬし、これをどこで?」

「兄の形見の剣。大切なものだ。でも俺には重過ぎる」

「ちょっと待っておれ。今日はちと早いが店じまいじゃ」

戸締りを済ませた店主は、剣をじっくり見分している。トヨタマークをにらんでう

なっている。

「この剣を用いてみよ」

俺は剣を抜き放ち、気を込めて、刀身に炎の螺旋を纏わせ、軽く振って、火炎の残

像を描く、そして更に先端からぶおぉー。

「ほほぉ。どれどれ。わしも振ってみよう」

店主も螺旋を走らせ、そしてぶぉぉ。

「うむ、汎用性があるな。少しでも気が操れれば使える。これはこれは、、、」


「いくらになる?」

「金貨35枚。わしは駆け引きはせん。掛け値なしじゃ」

ほんとかな。でもそれじゃあ足りないよ。


「それとこの杯も見てくれ」

「おおお、これはこれは。。。」

水を満たしそれを飲んだ店主の鼻の孔が膨らんでいるぞ。


「これはいくらになる?」

「金貨20枚じゃな」

あ、こっちは予想外に高評価。35と20で55枚。ちょっと余るな。


うーん、お!活力の指輪、金貨10枚。ちょうどこういうのが欲しかった。

「この特殊警棒と、こっちの活力の指輪、このふたつと交換ではどうかな」

「剣と杯と両方じゃな」

「ん」

「よし、手を打つ!」


「これらはな、逸品じゃぞ。小僧も見る目がある。この棒はな、こうするとどうじ

ゃ、ここまで長くなる。ミスリル製じゃ。こっちの指輪は気を活力に変換できるの

じゃ。活力が復活する、その分気量は減るがのぉ」

問題ないっす、俺、気量には結構自身ある方なんで。そういうのがまじ欲しかった

んす。


「今日は良い取引ができたわ、わははは」

「ん、俺も嬉しい、わははは」

俺と店主は双方ニコニコ顔で、固く握手を交わすのだった。



そして俺がゲットした品は、とんでもないものだった!




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