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決戦ダーク軍

いよいよ最終戦です!

結界をできるだけ広げる。直径1光年程度になった。

「奴らに反撃の隙も連絡する余裕も与えず、一気に殲滅するのです。貴殿なら出来るはずです」

そうかな?出来るのかな?


突如、大きな気配が10個現れた。ダーク兵士の転移が完了したのだ。

個々はダルさんと同程度の規模だ。ただ活性化の度合いは幾分ダルさんよりも高い。

これが兵士か。


「閣下、これはどういうことか?ポランテュフ族の下した決定を覆すおつもりか」

「はて、何のことかな」

「貴様、とぼけるかっ!この禍々しい力はなんだ!?」

「っ!そこかっ!」


迎撃準備は完了した。そろそろ俺に攻撃が向かって来そうなので、先手を打つ。

零次元固定した上で、時空超越を使いながらでダーク兵1体の全質量をエネルギー変換し、同時にエネルギー拡散する時間を与えずにそのエネルギーを転気を使って気に変換して、全吸収する。

相手の図体が素晴らしく大きいので俺としてもかなりの気を消費するが、転気吸収するとお釣りが来る。

このコンボなら気が枯渇することはない。むしろ余って困る。


この対ダーク用コンボを10連鎖させて、10体全てを始末した。

余分な気は3次元固定結界を更に広げるのに使う。

全ては一瞬だった。反撃の隙は与えなかった。

連絡は…奴らが転移した直後に報告していたかも知れない。


「いやあ凄いですね。本当にあっという間に兵士10人を消滅させるとは。ダーク史上初の偉業かも知れません」

「ダルさんがやれると言ってくれたので、その気になりました。でもよかったんですか?」

「いいんですよ。奴らは私たちを滅ぼす気満々でしたから」

「まあ正当防衛ですよね」


「民間人一人を抹殺するにも1小隊の兵士5人掛かりで対処します。それでも逃げ回られると相当の時間を要しますので、短時間で処置するために、2小隊10人を送って来たのでしょう。それを貴殿一人で一瞬で消滅させるとは、いやはや。1人で複数のダーク人を凌駕する個体を特異体と称しますが、1対10で圧倒する特異個体はダーク界広しと言えども数人いるかどうか」

「正当防衛とは言え、貴重なダークの人命を害されて、アプアッタルス族は怒りませんか?」

「それはもう、怒り心頭でしょうな」


ダーク軍先遣隊を始末した

ハジメはレベル140になった

畜気のギフトを得た


あ、畜気ギフトだ。

『吸気袋や亜空間での気収納より格段に高性能で、瞬時にそして無限に気を出し入れできる』

うん、それは頼もしい。ダーク戦の心強い味方になりそうだ。

とびきりデカイ兵士がいても気残量を心配することなく、事に当たれる。

大量に転気しても大丈夫だろう、余すところなく蓄積してくれそうだ。


「ハ・ジメ殿、気を付けて。本隊が来ます。アプアッタルスの奴ら、やけに対応が早い」

「今度はどれくらい来ます?」

「ざっと、1000はいます。一個大隊です」

「えっ!多いよ」

「最初に動きを封じてしまう攻撃、あれはいいですな。まずあれで奴らの自爆攻撃を防ぎましょう」


「自爆したりもするんですか!?」

「自爆自体は我らの質量からすれば、重力操作で安定を保つことを放棄して自然な重力崩壊に加担するだけですから、簡単なのです。ですがそれを躊躇なく行うのはアプアッタルス特有で、これが奴らの強みなのですよ」

「あの質量で自爆したらエライことになりますね」

「それはもう。極超新星爆発とブラックホール形成という最悪の結果になります」


そんな話をしているうちに、奴らが来た!

次々に転移して来るアプアッタルスのダーク兵ども。

俺は奴らの出現を感知するや否や、対ダーク必殺コンボを叩き込み、奴らに何もさせずに瞬殺して行く。

たまに大きな奴がいる。他の兵士の2倍から5倍程度の質量、これが特異体なのか。

こいつらは通常コンボを超えて、念入りに気を注入して慎重に始末する。

数回だけ、重力攻撃と未知の波動攻撃を受けた。

しかし、無効化ギフトのおかげで、俺に被害はない。


幸いなことに、心配していた自爆攻撃は無かった。

零次元固定前にやられると危なかったかも知れない。

これだけの密集隊形なので、アプアッタルス軍としても自爆禁止になっていたのだろう。

奴らとしても自爆は一体限りに収まらず、大隊全体の問題に拡大するのだから。

何しろ1体が自爆しても特大の極超新星爆発となるわけだし、それが連鎖するとなると…、考えるのも恐ろしい。



終わったかな。

畜気を活用した必殺コンボの連鎖に次ぐ連鎖で、アプアッタルスの本隊は壊滅した。

時間はほとんど経過していない。瞬時と言ってもいい。


おっと!

一際大きな特異体が1人だけ、消滅せずに静かに佇んでいるではないか。

なぜこいつにはコンボが効かない?


ダルさんがそいつに呼びかけた。

「将軍よ、無益なことはもうよした方がいいんじゃないか」

「そのようですな、閣下」

あ、返事をした!零次元固定も効いてない!?

でもこの人も、平静を装ってはいるけれどかなり動揺しているぞ。


「ときに、そのお方は何者ですか?」

「ふふふ、聞いて驚くなよ。ハ・ジメ殿だ」

「ははははは、ご冗談を。………って本気ですか!!」

「本気も本気。ハ・ジメ・テュドその人だ」


しばしの沈黙。


「……………。我々も馬鹿なことをしたものだ。アプアッタルスはこの件からは一切手を引きます。閣下、どうかこの一戦のことはご内密に」

「ああ、私は所有空域が無事ならそれでいい。むやみな軋轢は望まない」

「感謝します。では」

シュンッ。


転移で去っていった。零次元固定を掛けていたのに…。

「結界外にアンカーの分身体を残しライン結合していたので、最低限の行動は可能だったのでしょう」

「誰だったんですか、あの人」

「デュルデュサンガ将軍。アプアッタルス最強にして最賢の軍人です。事実上の軍トップですな。彼が手を引くと言えば、その通りになるでしょう」


「ダルさん、閣下と呼ばれてましたね」

「はは、私はかつてポランテュフの元帥でしたからね。でも昔のことです。引退後は一民間人、今はただの研究者ですよ」


それになんだ、ハ・ジメ・テュドって?

藤堂創を適当にちぎって丸めたような、微妙な名前なんだが。

「ハ・ジメ・テュドとは、我々の神話の中に登場するスーパーパワーです。恐れと敬意をもって接するべき悪夢の象徴なんです。ダーク人は幼い頃『ちゃんとしないとハ・ジメ・テュドが来て喰われちまうぞ』などと脅かされながら躾けられるのですよ」


「なぐごはいねがー。わりごはいねがー」

「ははははは、そんな感じです」

「なるほど、ダルさんの冗談っていうか、作戦だったわけですね」

「さてどうなんでしょう」

「あの将軍、部族にはどう説明するんでしょうね」

「ふふふ、気になりますね。まあ彼は賢人ですから上手くやるでしょう」


「ともかく、これで終わったんですね」

「終わりです。デュルデュサンガ将軍自らが率いた最精鋭の大隊が瞬時に壊滅した。この事実はとてつもなく大きい。アプアッタルスの存在意義を根底から覆す程の大事です。私がこの事実を公にすれば大騒動となるでしょう。下手をするとアプアッタルス族は壊滅します」


「公にするんですか」

「しません。将軍に言ったとおり、私は騒動や軋轢は望みません。それに何も言わなくてもアプアッタルスはこの痛手から立ち直るまでに相当の時間を要しますし、少なくとも好戦的拡大路線は修正されるでしょう」


「とにかくザースやザースの属する宇宙は、収穫の対象外となったと考えてよいのですね」

「ええ、ご安心下さい。私がしっかりと皆さんの動向を見守らせていただきます」

なんか、覗き見趣味に晒されているような…。

「いやー、これは私の研究テーマですよ。あなた方の夢のような世界を研究して、いつかダークにもその文化の香りを取り入れられたらと思うのです」


「ダルさんには色々とお世話になりました」

「ふふふ、本当にそうお考えなら、これを持って行って下さい」

黒い小球を渡された。

「なんですか、これ」

「連絡球です。たまにはこれで連絡してください。私からも何かあればお知らせしますね」

「了解です。それではこれで。ありがとうございました」


3次元結界を解除し、次元刀を用いて元の宇宙に帰って来た。

周囲を探知してみても、もはやダーク界から浸透する妙な波動は感じられない。


ダークの脅威を取り除いた

ハジメはレベル240になった

ハジメはタイムトラベルのギフトを得た

ハジメは絶対強者のギフトを得た

ハジメは万象操作のギフトを得た

ハジメは不老不損不死不滅のギフトを得た

ハジメはエース超越者の称号を得た


終わったんだ。

うわ、レベルが100も上がった。

でもギフトは4つだけ?


『タイムトラベルと巻き戻しと時間操作Ⅱを統合して時間操作Ⅲにできるがどうする?』

「じゃあ統合しとこうか」

『全ギフトを統合して、万象操作、絶対強者、不老不損不死不滅の3つだけにすることもできるがどうする?』

「うーん、それはちょっと早いかな。中身が分からなくなるから、今のところはその統合は無しで」

『承知した』



その結果、現在のスペックはこんな感じ。


ハジメ 人族 5歳? レベル240

称号 エース超越者

基礎値 オール∞

SUN値  ∞


ギフト ポイント∞

残∞

万象操作/不老不損不死不滅/絶対強者/時間操作Ⅲ/

畜気/重力攻撃無効強化/有害波動無効/

万能波動探知/物理攻撃無効/有害魔法無効/状態異常無効/

万能変化/万象操作ガイド/時空超越/連鎖/表示操作/結界操作/

圧縮/波動操作/次元操作/星格認知/転気/

超闘気/因果視/精神感応/上限撤廃/ 

念体/索敵Ⅱ/自己確認Ⅱ/万物創造/発動妨害/

透過/遠隔操作/選択行使/分身/空間時間設定/

繭形成/ドリル弾/天翔/ギフト創造登録/式神/

再生/幽視/転写/認識領域拡張/

魔法創造登録/罠対応/理力操作/熱操作/地操作/

空気操作/光操作/水操作/聖操作/闇操作/

素粒子操作Ⅱ/電磁操作/空間操作Ⅱ/重力操作/

気授受/生命力授受/危機感知究/危機対応究/

隠形/鑑定/判別

自然充填究/自然回復究/成長促進究/蘇り/武器技能/

付与/他者確認/言語対応/神知/自由設定


スキル

広範囲探知/次元転移/長距離転移/広範囲探知/ 

武術/闘気/気配察知/GPS索敵 /念体索敵

*****


ああ終わった。

なんだかお腹が空いた。

森の街に行って、精霊族の洗練された食事をごちそうしてもらおう。

ハナとプルリンも一緒に。


しかし、いきなりエース超越者になっちゃったけど、超越者って何なんだろう。

それにタイムトラベル、これも気になるな。

まだまだやること一杯だ。

不老不死みたいだし、時間は無限にある。

よーし、楽しむぞー!







本編はこれにて終了です。

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。


今後は後日譚を不定期にアップしていきます。

差し当たりはオリンピックとかw


なお、そのうちに新作の連載を始める予定です。

そちらもどうぞよろしくお願い致します。

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