表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/136

3匹の魔物

今回でなんと第100話!

ずいぶんと積み重ねて来たもんだ。。。感慨深いです。


まだまだ続きますので、今後ともよろしくお願いいたします^^

ウルマ迷宮地下57階は、砂漠の景観だった。砂と岩とまばらな枯草、向こうには小さなオアシス。

手前の岩の上に、身長150センチくらいの猿が腰掛けている。

「おやおや、兄さんと子供達かい。悪いけど本気でやらせてもらうぜ。おいらはタイセー」

「その兄貴分のゴゾウだ」「弟分だろ!」

「その親分のハッサンだ」「こら、子分だろ!」


ゴゾウは体が液体の魔物。ハッサンはオークのような風貌の巨体だ。

あれ、こいつらどっかで見たような?そうか、西遊記トリオだ。なぜかちょっと嬉しくなって来た。

「ああ挑戦させてもらうぞ、ちょうど3対3だ。俺はゴクウをやるから、ハナは豚をプルリンは河童を頼む」


「誰が豚だ!」

「あたしの相手はこいつね、わかったー」

ハナは相性が良さそうだから、そのまま戦ってもらおう。


「え、河童って俺のこと?ていうかそれなに?」

「ぼくの相手はこの液体の人だよね」

プルリンは分が悪いから、援護策として繭と時間加速100倍を、遠隔操作と選択行使で与えておく。


「で、悟空、あんたは俺が相手をするよ」

「おいおい、俺はタイセーだっつうの」

そう言えば、悟空の正体は斉天大聖だったな。


タイセーが掌に何やらこちょこちょと書き込んで、フッと息を吐くと、50センチくらいのミニタイセーが大量に出現した。

「出たな分身!」対抗して、念体で3分の1サイズのハジメを同数出してやる。全部で108人。

ミニ軍団同士が衝突して、ワーワーやり始めた。


タイセー本体は、突如飛来した金色のクラゲに乗っかって、上空へ飛翔する。

クラゲの触手からはパリパリパリと放電のスパークが襲ってくるが、それを素早く躱しながら、俺も天翔で上空まで駆け上がって追撃する。


タイセーが右手を上げてひょいっと振り下ろした。

それだけに見えたが、手元から棒が見る間に伸びて、遠心力が加わった凄まじい速度で頭上に迫る。

「如意棒かっ!」


スッと左半身になって躱したが、棒は空中でバウンドするかのように跳ね上がって、再び俺に迫る。

どうやらウルティマ系の自在武器らしい。如意棒ってこんなだったかな?

ウルティマ短槍でガシッと受け止める。


西遊記とは少しずつずれているようだけれど、こいつらは概ねイメージどおりだ。


ハッサンは、怪力で熊手戟を振るい、土魔法と火魔法を使っている。

ハナが地力で優位な上に、反射や視固も効いて、優勢に戦えているな。


ゴゾウは砂に潜ったり出たりしながら、水魔法を操りつつ、瞬時に固体化しては半月槍を使って攻撃している。

プルリンは、繭と加速の援護もあって、攻撃を受けながらも致命傷を避け、重力操作を効果的に用いながら攪乱させて、格上相手に善戦しているというところ。


なんだかすっかり楽しくなってしまった。

「ちぃっ、何笑ってやがる。これでも喰らえ!」

タイセーが如意棒を突く。巨木の幹のように巨大化した如意棒が目前でパッと細い槍の集合体に変形して散開する。


俺は暗黒盾を前面に展開して、細槍を消滅させながら急接近して、ウルティマ短槍をタイセーの頭部に叩き込む。タイセーはそれを短くした如意棒で受けると、くるりと反転させて他端で唸るような打撃を加えてくる。動きが滅茶苦茶に素早い。

それならばと、こちらも超闘気で速度を上げつつ、カカカカカッと目まぐるしく打ち合いの攻防を展開して、至近距離での短槍と棒の戦いをしばし堪能する。

[さすがに歴戦の如意棒。その動き、連携、そして変形具合、我にとって至宝のデータです]

ウルティマⅡも嬉しそうだ。


短槍と棒で激しく打ち合いを続けているところに、金色クラゲから触手の攻撃や電撃が襲ってくるので、超断裂空間を駆使して、食い千切ったり虚空に吸い込んで散らしたりして防ぐ。


ああ楽しーっ。至福の時と言えるな。

地上では、念体軍団がミニタイセー軍団を制圧しつつある。

ハナは既にハッサンを仕留めて、プルリンの援護に回った。

これでゴゾウは圧倒的に不利になるはずだ。


「ええい、もうしょうがねぇ、こうなったら。だぁー!」

タイセーがそう叫ぶと、奴の周辺に爆発的な力が生まれ、タイセーの体の中心に集約して行く。

「あ、これはまずい!」

大きな爆発になると、ハナとプルリンは無事では済まないかも知れない。


咄嗟に、超断裂空間殻でタイセーを包み込み、透過で内部にマイクロブラックホールを発生させた。

殻が一瞬震えた後、静寂が訪れる。

タイセーの生命反応が消えた。


えっと、、、復活してくれるよね、大丈夫だよね。


魔猿 タイセー レベル80を倒した

水妖 ゴゾー  レベル65を倒した

怪豚 ハッサン レベル60を倒した

ハジメはレベル97になった

ハナはレベル72になった

プルリンはレベル28になった


「何てことしてくれるんだい。これからがイイところだったのに。まあでも、兄さんには勝てる気しないけどな。ほい、次の階の鍵をわたすぜ」

タイセーの声と、チャリンと砂地に落ちるぼろっちい鍵。

ほっ。復活してくれて良かった。ブラックホール吸収は死亡判定になるんだ。


そうかタイセーのあのエネルギー反応は、自爆じゃなくて斉天大聖に変身するところだったのか。

それはちょっと惜しいことしたな。



「ハナ、どうやってハッサンに勝った?」

「普通に嚙み殺したよ」

「ゴゾーは?」

「えっとね、水魔法の水龍を仕掛けてきたから反射して、視固で固めて水龍に噛ませて、あたしの角で突いて、そしたら弱っているところを、プルリンが食べちゃったの」

「ち、違うよ!食べてないよ!包んで溶かしてる途中で光の粒になって消えちゃったんだよ」


「ハナ、強くなったなー。プルリンはそれでいいよ、少しでも消化すればスキルが身に付くからね」


ハジメ 人族 5歳? レベル97

称号 極超新星の災厄を防ぐ者

職業 冒険者

装備 汎用気密服

基礎値 筋力∞/敏捷性∞/生命力∞

    気力∞/気速∞/気量∞/∞


ギフト ポイント67 残7

超闘気/因果視/精神感応/巻き戻し/上限撤廃/ 

念体/索敵Ⅱ/自己確認Ⅱ/万物創造/発動妨害/

透過/遠隔操作/選択行使/分身/空間時間設定/

繭形成/ドリル弾/天翔/ギフト創造登録/式神/

再生/幽視/変化/転写/認識領域拡張/

魔法創造登録/罠対応/理力操作/熱操作/地操作/

空気操作/光操作/水操作/聖操作/闇操作/

素粒子操作Ⅱ/電磁操作/空間操作Ⅱ/重力操作/時間操作Ⅱ/

気授受/生命力授受/危機感知究/危機対応究/物理耐性究/

魔法耐性究/隠形/状態異常耐性究/鑑定/判別

自然充填究/自然回復究/成長促進究/蘇り/武器技能/

付与/他者確認/言語対応/神知/自由設定


スキル 武術 闘気 不老不死 気配察知 GPS索敵 念体索敵


冒険者カード

氏名 ハジメ ランクSS 1級    

種族 人族

年齢 5歳 

レベル 97

*****


ハナ 獣族 銀狼王(進化種) 1月半 レベル72

称号 ウテナⅡ遣いの超獣戦士

職業 冒険者

装備 汎用気密服

基礎値 筋力∞/敏捷性∞/生命力∞

    獣力∞/獣気速∞/獣気量∞/活力297兆


ギフト

  反射/式神/視固/時間操作Ⅱ/魔法アシスト/

  天翔/再生


スキル サイズ変更化 念話 人化 王の威信



冒険者カード

氏名 ハナ ランクSS 1級

種族 銀狼王

年齢 1月半

レベル 71

*****


プルリン 魔物 水色スライム ?? レベル28


筋力81,967/敏捷性81,967/生命力3,214,373/魔気力819,665/魔気速409,833/魔気量12,857,491/活力200,898


ギフト 重力操作/食奪/万能変化  


スキル 水魔法Ⅱ 水耐性Ⅱ 物理攻撃Ⅱ 物理耐性Ⅱ 再生 溶解 硬化 癒し 火魔法 火耐性 理力魔法 理力耐性 毒耐性 毒攻撃 音波耐性 音波攻撃 聖魔法 聖耐性 土魔法 土耐性 風魔法 風耐性


冒険者カード

氏名 プルリン ランクD 10級

種族 水色スライム

年齢 3歳

レベル 28

*****


迷宮を出て、魔大陸に戻る。

そして、魔大陸上空を転々としながら、各都市の黒の団の様子を探る。

中央の1都市を除く19の都市に、多かれ少なかれ黒の団の構成員がいた。


ついでに人大陸と獣大陸も調査してみたところ、魔大陸側の沿岸部を中心に、人大陸の31都市、獣大陸の22都市に黒の団構成員の拠点があった。


そして、各大陸を移動中の構成員も多く存在した。

やれやれ、随分と汚染が広がっている。

それらの周囲に満遍なく、黒の団専用ウイルスをばら撒いて置く。


こいつらをいちいち司直の手に委ねるのは、面倒くさいなぁ。

でもまあ正当な捜査と裁きが必要だろうからな。

泳がせている間にも、悪事を色々と働くだろうが、俺が気にしても仕方ない。

見れば気になるから、見ないで置こう。どうするかの判断は冒険者ギルドに任せよう。

うん、そうしよう。

*****


港街のホテルに戻る。

軽く夕食を食べて(プルリンはがっつり食べていた)、本日はこれでお終い。

後は寝るだけだ。


異世界定期便第20便 ザース春20日 魔大陸港街 → 日本7月30日土曜日 自室



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ