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落ちた
落ちた。
いや、別に恋に落ちた訳じゃない。
そのまんまの意味で。
ベッドに寝てて…「恐い夢見たから一緒に寝て?」と無理やりシングルベッドに入ってきた高校生の妹に蹴られ安眠のスペースを探したら落ちた。
眠くて、狭いベッドで動いたら落ちるっていう思考はこの時なかった。
さて、落ちたことで目を覚ました私は気がついた。現在地が自分の部屋じゃ無いことに。
若干、薄暗い部屋はアンティークな物に埋め尽くされていた。
まず、この現代日本に蝋燭だなんて…あり得ない。
火事は日本古来の大災害の1つだ。
火の元には敏感な国だし素人目から見て高そうなアンティークの近くに置かない。
何処なんだ、此処は。