2006/5/25 ホームページ
遊園地から五日後の夜、学校の課題のためにリビングのノートパソコンで調べ物をしていた。
中間テストの勉強もあって始めたのが遅かったので、両親はとっくに寝ている。もう調べることもないので、僕も寝るだけだ。
電源を落とそうとした時、北崎の顔がパッと頭に浮かぶ。
学校では意識しないようにしている。そのおかげか、それとも彼女の口数がシンプルに減ったのか、声が耳に入ることが少なくなった。
だが、簡単に忘れられるはずがなく、こうした何でもない時にふと考えてしまう。僕は最低な人間だ。まだ、北崎を求め続けている。
パソコンに表示されているYahoo!に、あまりにも自分勝手な想いが溢れ出した。
検索窓をクリック。
k……き……t……た……z……ざ……k……き……北崎。
n……な……n……な……m……み……七海……奈々美。
北崎奈々美。
こんなことをして、何がわかるというのか。こんなことをする自分に吐き気がする。それでも、エンターキーを押してしまった。
検索結果が出て、画面が切り替わる。そのトップに表示された文字に息を呑んだ。
え……『なーちゃんの部屋』? 北崎のホームページか?
クリクックすると、白とピンクが基調の女子っぽいデザインのサイトに飛んだ。北崎っぽいような、北崎っぽくないような、よくわからないがチカチカして読みにくい。
スクロールしてもプロフィールらしきものはなく、『Diary』の文字があるだけだ。一番下には『魔法のiらんど』と書いてある。確か、ホームページを作るホームページで、自分はやらなかったが中学で流行っていた。
クリック出来るものが無いので、『Diary』にカーソルを合わせる。
日記は三つしか書かれてなかった。だが、そのうちの一つのタイトルに目を奪われる。
『蝶になりたかった』
なりたかったとは、どういうことだろうか。嫌な汗が流れてクリックする。
その中に、とんでもないことが書かれていた。
すぐに部屋に戻り、机に置いてある携帯電話をパカっと開く。発信履歴から北崎に電話した。
「電源が入っていないか、電波の届かない場所にあるため、かかりません。」
彼女の代わりに無機質な女性の声が聞こえてしまった。これでは、どうしようも出来ない。
紙と鉛筆を持ってパソコンの前に戻り、日記に書かれている場所をメモする。
明日の朝、どうにかするしかない。
間に合ってくれ。




