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三国志の端っこで生きています  作者: 水原伊織


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9/25

俺、今日から『変な王様』になります

翌朝。

まだ薄暗い宮殿の一室に、控えめなノックの音が響いた。


紅陽がすぐに反応し、扉の前に立つ。


「誰だ」

「黄皓様のお使いでございます」


その声と同時に、扉が静かに開いた。

香の匂いがふわりと流れ込み、

三人の若い女官が、うつむきながら入ってくる。


紅陽が眉をひそめる。


「何のつもりだ」


廊下の向こうから、柔らかい声が返ってきた。


「黄皓殿」


「陛下のお身体をお世話するためですよ。

 昨夜はお疲れのご様子でしたから……

 お若い女官の方が、陛下もお喜びかと」


黄皓が姿を現す。その笑みは柔らかいが、目は冷たい。


裕介は心の中で叫んだ。


(喜ばねぇよ!! なんだ、このブサイクたち!気持ち悪っ!

 ていうか、劉禅、趣味悪!)


女官たちは緊張した面持ちで、裕介の前に膝をついた。


「陛下……失礼いたします」


黄皓は微笑んだまま、紅陽を見た。


「さあ、紅陽様はいつものように出ていなさい」


(劉禅…お前、こんなブサイク、相手にしてたのかよ…)


「陛下は、今、療養中だ」

「だからですよ、なおのこと、お慰めしなければ」



「…いらぬ」

裕介はそう言った。


部屋が静まり返った。

女官たちが顔を上げ、黄皓の笑みが一瞬だけ固まる。

裕介は続けた。


「みんな、外してくれないか、休みたいんだ」

「陛下…」


(黄皓って…わかりやすい悪い奴だよな…宦官って、こんなやつばっかなんかな)


「聞こえないか?」

「……そうですか。陛下がそうお望みなら」


黄皓は女官たちを下がらせ、静かに扉を閉めた。


紅陽が話しかけてくる。

「陛下…」

「なあ、紅陽」

「はい」


「俺は、頭をぶつけて少しおかしくなった」

「…突然いかがなされた?」

「そういうことにしておいてくれないか?」

「陛下…記憶が?」


「いや、そういうことじゃない。おそらく、これからも今までの俺と違うことをすると思う、言葉遣いとか、記憶も違うかもしれない」

「陛下…」


(よし…これなら、何も分からなくても聞けばいいんだし、帳尻が合わなくても仕方が無いってなるな)


「それに…紅陽、お前を信じたいんだ」

「陛下…!!」


紅陽は膝をついた。


「この国を良い方向に進めたいんだ」


(決まった…これなら、たとえ中身が別人だと思われても、むしろみんなが利用してくれるだろ、俺の事)


「この紅陽、全身全霊で陛下をお支えいたします」

「よろしくな、紅陽」


しかし。


さっきの女官たちのことを思い出した瞬間、股間が一気に熱くなるのを感じた。


(いやいやいや……落ち着け俺…皇帝なんだ…)

(側室抱くなんて、後継ぎのため日常茶飯事だろ)


「それにしても、もう少しまとな…」

「は?」

「いや、なんでもない」

裕介の独り言を聞いた紅陽が反応した。


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