表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三国志の端っこで生きています  作者: 水原伊織


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/25

綻(ほころ)びの兆し

黄皓が劉禅の部屋を出たあと。

廊下を歩くその足取りはどこか硬く、速かった。


(おかしい)


香の匂いが薄く漂う回廊を進みながら、

黄皓は袖の中で指を組む。


(あれは、いつもの陛下ではない)


だが、先ほどの劉禅は。


(はっきりと、私を拒絶した)

(それに目つきが、まるで別人のようだった)


黄皓は足を止め、周囲に人がいないことを確認すると、小声で呼びかけた。


「おい」


柱の影から、若い宦官が一人、すっと姿を現した。


「はい、黄皓様」

「陛下のことを調べろ。 今日の鹿狩りで何があったのか、誰がそばにいたのか。 倒れた場所、倒れた理由……すべてだ」

黄皓の声は低く、鋭かった。


「かしこまりました」


(もし、陛下のお心が変われば、宮中の力の均衡も変わる)

(紅陽のような武骨者が、陛下の耳を握るようなことがあれば私の立場が危うい)


若い宦官が恐る恐る尋ねる。


「紅陽殿の動きも、調べますか?」


黄皓は目を細めた。


「当然だ」


黄皓は袖を払った。


「陛下の変化の理由を突き止めろ。

 そして、もし紅陽が何か隠しているようなら、

 それも余さず報告しろ」


若い宦官は深く頭を下げ、影のように廊下の奥へ消えていった。


黄皓は静かに息を吐き、薄暗い天井を見上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ