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三国志の端っこで生きています  作者: 水原伊織


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正体バレまであと何秒? 張皇后の影におびえる皇帝

裕介は、とりあえず確かめておきたいことがあった。

今、三国志でいうとどのあたりの時代にいるのか。

劉備や関羽、張飛は生きているのか、趙雲や諸葛亮は。

そして、ここはどこなのか。


「紅陽」

「はっ」

「ここはどこだ?」

「はい。成都の宮殿の中、陛下の寝室でございます」

寝台、と呼ばれるベッドの上だった。


(ベッド、意外といい感じだな)


「今、誰が政を仕切っている?」


紅陽は、少し考えた後で答えた。

「現在、成都の政務の多くは蔣琬様が取り仕切っております」


(知ってる…蔣琬は、諸葛亮亡き後の丞相だったはず)


「漢中に駐屯しておられる丞相の代行として」


(ん?まだ、諸葛亮が生きてる…てことは、五丈原より前だ) 


「諸葛亮は、漢中のままか?」

「丞相は漢中にて北伐の陣中でございます」

「戦の最中か」

「現在は、出陣の準備をしているところかと存じます」


裕介は、次にどうしても聞きたいことを口にした。


「俺には家族は?」


紅陽は少し驚いたように目を瞬かせた。


「張皇后がおられます」

「張…」

「陛下のご体調を案じ、先ほどもこちらへ参ろうとされました」

「今は?」

「今は一度お控えいただいております」


(張皇后。劉禅の正妻か。うわ、どうしよう。絶対バレるだろこれ)


裕介は、さらに慎重に質問を重ねる。


「……俺は……普段、どんなふうに政を?」


紅陽は言葉を選ぶように、少し間を置いた。


「陛下は、温和であられます。政務は、他の者たちにお任せになり、民の声をよく聞かれるお方です」


(何もしてないってことね…イメージ通りのポンコツか。まあ、俺にとっては逆にありがたいけど)


紅陽は続けた。


「ですが陛下が何をお忘れになろうとも、この紅陽が陛下をお守りいたします」


その言葉は、まっすぐだった。

裕介は、胸の奥が少し熱くなるのを感じた。


(今のところ唯一の味方か。頼らざるを得ないな)


裕介は静かに頷いた。


「ありがとう、紅陽」


紅陽は深く頭を下げた。


「陛下のためなら、いかようにも」


その姿はまるで巨大な盾のようだった。


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