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石英記―泥被りの旅人―  作者: アルグレイ
イーストアルバス
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20

「おや?もう来ていたのかね」


騎士宿舎の一室で1人の老人と出会う

この理由は

「明日から勉強もしてもらうわ!」と

ある日突然ナイアス嬢が言い出したからだ


「では先に聞いておくが、キミは魔術を見たことがあるかね?」


その老人は魔導講師と呼ばれる職業を生業としている

正確には{していた}

70歳を越え職を辞した男だ


「エクセラの街でほんの少しだけ見ました」

「エクセラか…確かリンハウを知っているのだったか?」

「はい、いろいろとお世話になりました」


彼は若い頃のマルタとリンハウの師だ

そうマルタから聞かされた

おそらく彼女の気遣いなのだろう

当然隠遁した講師に生徒などいるわけもなく

私と講師による一対一の勉強となる


「ではまず魔導の基礎の基礎から覚えていくことにしよう」

「お願いします」

「現代の魔術は火、水、氷、風、土、雷、無の7つの属性が確認されている、どのような特性かは言葉通りだ。と、言いたいが2つだけややこしいのがあるのですべてを説明していく」


・火

術者が放出した魔力を燃料として燃え盛る


「属性魔術は3種の使い道がある。放つ、纏う、置くの3つだ」


放てば魔力の燃焼は早く、遠くまで飛ぶことはない

戦闘では敵中の引火物を狙うのが基本

纏えばだれも触れることができないが長時間行使すると自身も焼き殺す

置く場合は一緒に可燃物を設置する


・水

魔力が水となり体外に放出される

高位術者が放てば敵の骨や岩すらも砕く破壊力を持つ

纏えば打撃と火に強くなる

置くとそのまま水として利用できる


・風

そのまま風が身体から吹き荒ぶ

放てば誰も近寄らせぬ防壁となる

纏う利点は少なく、しかし過去の偉人はそれにより飛翔したという伝承を持つ

置くことに意味はなく即座に飛散してしまう


・土

術者によって最も個体差の出る属性

砂を出すしかできない者もいれば巨岩を作り出す者もいる

放てば目つぶしや投石として役に立つ

高位者が纏えば岩の鎧となる

置けば防壁や遮蔽物となる


・無

属性を持たない

放纏置全てにおいて即座に消失してしまう

何らかの物質に魔力を流し込むことで動力となる

ゴーレム技術の基礎であり

平民が唯一持つ魔術


「…ややこしいのは氷と雷という事ですか?」

「そうだ。まず氷だが、厳密には氷の属性というものは存在しない」

「と、いうと?」

「氷とは結果であって根源ではない、氷属性とはつまり対象の熱を奪う力を指す」


そうか、氷は根本から違うんだ

他は体外に{出す}力で

氷属性は熱を{吸う}力なのだ

完全に逆なんだ


「分かった様だな。それでも属性として扱われるのは結局の使い道は他の属性と変わらないからだ」


氷塊を放って攻撃とする

氷を纏って鎧とする

氷塊を置いて障害物とする


「そして最後に雷属性だが…これは何もわからん」


思わず私も拍子抜けする


「理由としては希少性、それと秘匿性だな」

「希少性は分かりますが秘匿性とは?」


そう聞くと講師は私に近づき声を小さくして答える


「高位貴族が独占しているのだよ。これだけでキミなら察してくれるだろう?」

「あ、ハイ」


要するに関わってはいけない知識だという事である

まぁ雷と言うんだからそういう系統なのだろう

威力や性質は文字通りだろう


「6属性、いや、雷は詳細不明だからこの場合は5属性だな。これらは同様の手段で力を計る」


講師曰く

魔力にも個人の才能による強弱が存在する

まぁ説明の時点で察してはいたのだが


「この手段というのは{多数の監査官の前で属性魔術を放ち続ける}というものだ」


そしてその回数、出力、使用後の体調

この3つを判断材料として監査官が話し合い格付けを行うのだと

講師の説明を聞いて疑問が出た


「それってつまり金を握ら…」

「シシールト君、それ以上を言ってはならないよ」


当たりのようだ

つまり実際の才能と格が釣り合わない貴族もいるのだと


「…無属性の場合はどのように?」

「コレを使うのだよ」


そう言って机に置かれたのは透明な四角い物体

衝撃で細かくプルプルと揺れたりしている

ゼラチンや寒天みたいなゼリーのような物体だ


「コレに魔力を放出してもらうのが無属性の測り方だ」


その一面には手形のついた場所がある

ここに手を付いて魔力を放てばいいのだという

そして講師に言われるがままに魔力を放つ

ポンッ!と軽く、小さな破裂音がする

手の付いた場所の反対側に小さい穴が空いていた

内面をよく見ると一筋の亀裂が

ほんとうによく見ないとわからないほどに小さな亀裂が入っている


「キミは魔力量が少ないな…」

「…リンハウさんにも才能が無いと言われました」


私は本当に魔導士としての才能が無いらしい

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