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石英記―泥被りの旅人―  作者: アルグレイ
イーストアルバス
26/50

ポタリ

と水滴が一滴床に落ちる

一目見た印象は冷静な

けれどどこか苛烈な面が見える少女

それもかなりの美少女

そう思ってたら男だと宣言され

触った感触を分析すれば確かに男の骨格をしていた


ポタリと再び水滴が落ちる


リンハウという魔導士は間違いなく秀才であった

天才ではない

彼は努力で大成したゴーレム使いだ

現代のゴーレム研究を調べていくとどこかしらで必ず彼の本来の名前が出てくるほどだ

才能があるからと簡単に弟子を取るような者でもないし

ましてや善意で知識を披露する男でもない

「弟子を取るなら人格、才能、思想は必ず厳選する。そして厳選理由は決して本人に明かさない」

2人きりの酒の席で彼は私にそう告げた

シシールトという少年には才能が無いと告げたそうだが

きっとそれは「魔法を使う」魔導士としての才能が無いという条件だったのだろう

では「ゴーレム使い」として考えるとどうか?

私なら一種の天才だと答える


ゴーレムの起源は義手と義足である

手首足首から先を失った。というならまだそれなりの仕事ができる

では膝や肘、肩や股関節から失ってしまったらどうなるか?

大抵の場合は「使い道のない無駄飯喰らい」の烙印を押されてしまう

そんな役立たずを役に立つようにすればどれだけの人足になるか

だから大昔から力があり稼働する義手が求められた

だが失敗している

一例として8年前のノースアルバスでの研究

被検体は通り魔によって右腕の腱を切られ動かなくなってしまった男性

彼の腕に合わせてゴーレムの関節を装着

シシールトが言うパワードスーツというやつだ

男性は自分の右肘が自分の意志で動かせるようになって感動していた

そしてその日の夜

右肘が逆方向に折れ曲がった死体を家族が発見した

肘関節からの大量出血が死因だった

後の研究で肉体の制御とゴーレムの制御は反転することがあると判明した


だがあの少年、シシールトはその過敏な制御、何時突然反転するのかわからない関節を完全に扱えていた

これはリンハウの残したゴーレムによる成果ではない

シシールト自身の才能によるものだ


カツカツと革靴で鳴らされた音が牢獄に響く

音の主は看守

そして看守は私を閉じ込める鉄格子の前で止まる


「マルタ・ベルトルート、釈放になります」


座ったまま私は背を伸ばす

背骨がゴキゴキと音を鳴らす


「ようやくか、何日入ってた?」

「3日です」

「やれやれ、たった3日で全身が痛いよ。もっと環境良くできない?石の牢獄に藁編み1枚とか拷問だよ」

「今回{も}自業自得だと聞いていますので、改善の予定はありません」

「酷いなぁ」

「そろそろ自重しないと解雇されると思いますが?ギルド副長」

「クビは嫌だねぇ」


もはや顔馴染み、むしろ知人?いや友人?とも言える看守と話を終え牢を出る

クビは困るので今後はちゃんとシシールトに許可を取ったほうが良いだろう

基本的には

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