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石英記―泥被りの旅人―  作者: アルグレイ
イーストアルバス
22/50

到底10歳の子供の身体では持てない量の荷物を背負う

当然まともに動くことも立ち上がることもできない

その状態で四肢に魔力を通す

そうすれば何の問題も無く立ち上がる事が出来た


「良し、思い通り」


肩や腕、膝や股関節、そして腰にゴーレムの残骸を縄や布で括りつけている

断面から伸ばした魔力導体が私の身体から魔力を吸い続ける

これは言うなればパワードスーツだ

魔力が続く限り動けなくなることはない

問題は…


「あとは、私はどれだけ魔力を吸われて行動できるかだな」


私は私自身の魔力面でのスタミナを把握していない

それが分かるまであまり無茶はしないほうが良いだろう

あらかた使えそうな物は残骸から掘り返した

もうここに長居していても得られる物は無いだろう

遺体もそのままだ

私がどうにかできるような状態じゃない


「仇はとる」


腰に紐を括り付ける

10センチにも満たない小さな編み紐

幾人かの頭髪から作った物

遺体も髪も溶けていないということは殺した魔獣はまだ生きているという事だ

瓦礫とかの副次的被害ならどうなるのかは分からない

だから複数人で作った

私はこれから魔獣を殺しに行く

殺したときにコレが溶けたなら

それはきっと仇を討ったという事だろう

街だった場所に風が吹く

凄惨な出来事が起きた街に

そんなことを知らずに鳥の群れが真上を通っていく

人の死など知った事ではないと空は快晴

そして私は街を背にして進む



―――


「まいったな…」


そして歩き続けて数日

石材で丁寧に舗装されたはずの道に出る

私の地図の見かたが間違っていなければここはルガート街道の筈なのだが


「これが王都を囲むルガート街道なのか?」


道、というには荒れ果てている道

飛び散った石材

凹凸の激しい地面が広がる


再び地図を確認する

ここから一番近い街を探す

イーストアルバスの方角に向かうとリッシュラウドという街があるようだ

そちらに向かうとしよう

ギルドなりがあるなら街と街道の状況を報告する必要もあるはずだ

一本の紐を掴む

形見の物ではない

普通の紐に磁石を吊るした物だ

私の前世の記憶が正しければこれで方角が分かる

これを頼りに東北東の方角に歩き出す

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