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ある日の正午に鐘が鳴った
太陽が頂点に達すると正午と判断され街の中心の鐘が鳴らされる
カーン、カーン、カーン
と3回聞こえるのが日常だった
だが今回は3回ではない
何度も何度も鐘が鳴る
それも凄い速さで繰り返されている
「おい!大仕事だ!」
バードゥルが息を切らせてゼネラルギルドに飛び込んでくる
私はその時ギルド内で昼食を終わらせた直後だった
その様子に慌てる事無く受付が対応する
「どうしたのそんなに慌てて?」
「南の森から魔獣が大量に向かってきてる、40体はいるぞ!」
穏やかな雰囲気だったギルド内の空気が凍り付く
誰かが小さな声で言った
「スタンピードだ…」
その言葉を皮切りに全員が即座に動き出す
「マルコ、領主にすぐに報告、貴族の人達にも戦闘準備させるように!」
「はい!」
「バードゥル、傭兵ギルドは!」
「もう動いてる!」
「鍛冶ギルドに声かけろ!この街の外壁なんぞあっという間に吹っ飛ばされるぞ!」
「馬防柵!馬防柵をすぐに取り付けろ!急げ!」
私はどうすればいいのかわからない
なのでギルドの壁際に寄って見守るしかない
「シシールト!」
はずだったのだがバードゥルの声がかかる
「いいかよく聞け」
その表情は切羽詰まっている
これはよほどの出来事なのだと確信する
「今すぐリンハウの所に行って事情を説明するんだ。アイツは今ゴーレムの調整で北側にいる」
「は、はい」
「そんでお前とリンハウで街の北側に住民を避難させろ。それを任せられるのはお前らしかいない、いいな?」
「分かりました!」
「よし、走れ!」
すぐに私も行動する
外では未だに鐘が鳴り響いている
「北だ!戦えない奴は北に避難しろ!」
傭兵達がそう叫びながら南に向かっていく
そんな彼らとすれ違いながら北へ
リンハウの元へ向かう
「リンハウさん!」
「シシールト、怪我は無いか!」
リンハウは既にゴーレム5体を起動させていた
「今はまだ住民は落ち着いている方だ、だがここから一気に混乱が始まるはずだ」
「はい!」
「そうなったらけが人や歩けない奴も出る、老人とか元から歩けない奴も当然いる」
「私達で彼らを運ぶという事ですね?」
「そうだ、時間との勝負だ。行くぞ!」




