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石英記―泥被りの旅人―  作者: アルグレイ
幼年期の終わり
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「ゼネラルギルドです、荷物お届けに来ました」

「あいよ、御苦労さん」


今日はゼネラルギルドの仕事

複数人で鍛冶ギルドに荷物を届けに来た

到着次第、数人の鍛冶職人と内容物のチェックを行う

これを怠るとトラブルの元となるから絶対に忘れるなと受付で忠告された


どんな場所にも短絡的な利益に染まった者がいる

ゼネラル職員による荷物の横領

鍛冶職人による讒言

そうやって知人ですら貶める事例が後を絶たないのだと


「白金の4番が15本、純金の12番が20本…」


希少金属ばかりである

そりゃ魔が差して横領する奴も出るよね、という感想

なお全て地金、延べ棒に加工された物である

大きさはアルバス公国の基準で規格化されており

番号によって重さが分かるようになっている


「注文通りでよろしいですか?」

「ああ、間に合って良かったよ。」

「特に白金の在庫危なかったもんな」


鍛冶場の奥に視線を向ける

溶鉱炉に白金と純金の地金が放り込まれていく


「気になるか?新人」


老齢の鍛冶師が私に声をかける


「あ、はい、白金と純金を混ぜてるように見えますけど、あれは?」


その溶鉱炉に何か石か何かが投げ込まれる


「御貴族様に魔導士用の杖の制作を頼まれてな」

「その材料が白金純金、あの石なんですか?」

「ああ、正確には魔力導体に使う。知ってるか?魔力導体」

「いいえ、知りません」


白金と純金、そして魔獣の結石を溶かして合金にする

それを糸状に加工すると魔力を通す導体になるのだと説明される


「ゼネラルギルドでもゴーレム使ってるだろ、あれの中身にもこの魔力導体が使われてんだよ、知らなかったのか?」

「初めて聞きました」


おそらくリンハウは私に才能が無いから教える必要が無いと判断したのだろう


「おめーんとこのゴーレム使いなんて大したやつなんだぜ?」

「そうなんですか?」

「ああ、魔導士が使う魔道具ってのは全部この魔力導体が使われてんだが…」


魔力導体は金属として耐久に難がある

黎明期の物はちょっとした衝撃で断裂してしまうほどだったという

現在の技術では絹糸程度には頑丈になったらしい

そしてこの魔力導体が多い物ほど強力な魔道具となる

当然反比例して耐久性が下がるので維持費が増大していく

逆に言えば導体が少ないと長持ちする魔道具になる


「あいつが使うゴーレムはかなり導体を絞ってるんだがな、アレで普通通りに扱えるなんて相当な才能が無きゃ無理だ」


それも5体同時に

私が思っている以上にリンハウは凄い人物らしい

溶鉱炉の底に細い穴が開かれた

そこから流れる液体が水の中に入っていく

これで冷やされて糸状にしていくのだろうか


「今回の杖は芯の3割を導体にしろって依頼でな、大仕事だ」


この街の領主

その嫡男の成人式で送られる物だという

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