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それから2日後に街はちょっとした騒ぎになった
アイリス・ヘルマンを迎えに兵士が到着したのだ
その数250人
全てがフルプレートの重鎧で左胸に紋章を付けている
つまり250人全員が正統な騎士だという事だ
馬も100頭はいる、鎧を着けた馬だ
集団、騎士団?の中心には大きな馬車
おそらくアイリス・ヘルマンを乗せる為だろう
「おい、シシールト」
その一団が街の広場に到着したのを遠くで見ているとバードゥルが私を呼ぶ
「どうしました?」
「…ちょっと困った事になった」
嫌だな、関わりたくない
「逃げてもいいですか?」
「ダメだ」
ですよね
「表沙汰になってねぇけど2日前の時点で傭兵ギルドが怪しい2人をとっ捕まえた」
「騎士団に引き渡すんですか?」
「ああ、だがその前にお前に確認を取らせるって話になった。騎士の前で、だ」
「…逃げていいですか?」
「ダメだ」
―――
そしてバードゥルとリンハウ同伴で私は広場の中心に向かうことになる
鎧を着た騎士達はとても威圧的な存在感だ
「キミがシシールトか」
「はい、作法については分かりませんのでご容赦ください」
「……いや、子供がそんなこと言う時点で作法どころではないとは思うが、まぁいいだろう」
貴族や騎士に対する礼儀など知らないのだからそう言っておくべきだ
実際こうして許してもらえたのだから正解だろう
そして私の正面からメイドを伴った女の子が現れる
アイリス・ヘルマンだ
その姿は初めて会った時のような泥まみれではなく機能的、だが意匠を拘り抜いたドレスを着ている
「あ、あの!」
その声はデカかった
あまり他者と話すことが無いのか声量を間違えたらしい
赤面して恥ずかしがっている
「た、助けていただきありがとうごじゃいましゅた…」
今度は小声で咬み咬みである
ダメダメである
そしてそそくさと馬車に乗る
そのまま騎馬隊が進みだし馬車もそれに追従する
馬車が見えなくなるまで窓から彼女はずっと私を見ていた
「さて、シシールト君には悪いがここからは少々血生臭いことになる、連れてこい」
「了解しました!」
そうして連れてこられたのは2人組
アイリス・ヘルマンと出会う直前にすれ違った人物
「怪しい動きをしていたのは彼らで間違いは無いかね?」
騎士にそう問われ
「はい、間違いありません」
そう答えた瞬間に
「うわっ!」
顔に生暖かい液体が付着し
驚いて声が出た
「ああすまん、そちらまで飛んでしまったか」
顔に着いたのは2人組の血だった
前を見てみれば生首が2個
騎士がソレを袋に詰め
リンハウのゴーレムが残った身体を運んでいく
「賢い君に1つ、素直な忠告しておこう」
騎士は私の肩を叩き小さな声で告げる
「この2人は野盗だった、それ以外の情報は不要だ。いいね?」
そう言いながら銀貨を20枚渡された




