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「リンハウさ~ん!」
翌日にゼネラルギルド経由でリンハウから呼び出しをくらった
「来たかシシールト、例の貴族疑いはどうした?」
「傭兵ギルドで受付の人達と暮らしてますよ」
そもそも私だって男だ、年下だが
いつでもどこでも一緒というわけにもいかないだろう
そして目の前で会話しながらリンハウは両手をゆらゆらと揺らしている
その動きに合わせて5体のゴーレムが作業を行っている
「メイティの加工ですか?」
「加工というほどの事じゃない、根、茎、葉を別々に押し潰してるだけだ」
巨大な石窯にゴーレムが拳を入れ力を入れていく
石窯の底にはいくつかの穴が空いており大量の水分が流れ出る
それを職人の人達がバケツに汲み何処かに移していく
「ここからどうするんですか?」
「水分を飛ばして成分を濃くしていくらしい。詳しいやり方は知らんし各ギルドの秘密だそうだ」
おそらく知られて作業省略されたら報酬や引き取り額が上がるからだろう
「それじゃあ私を何のために呼んだんでしょうか?」
今この場にはゼネラルギルドの人間は私とリンハウしかいない
つまり1人でできる仕事中な訳だ
「俺の5体のゴーレム、その更に奥にゴーレムがいるの見えるか?」
確かにいる
項垂れるような姿勢で動かないゴーレムが1体
大人よりやや大きいくらいの個体だ
「会った時にお前から僅かに魔力を感じてな、才能があるのか見たかったんだ」
「私にも魔法が使えるんですか?」
「それを確かめるために呼んだんだ。よし、作業終わり」
リンハウが手を下ろすとその場でゴーレムの動きがピタリと止まる
「そいつは脚が壊れて捨てられた奴なんだが初心者の訓練には良いと思ってな、保管してたんだ」
「えっと、まずどうすればいいんですか?」
「まずどこでもいいから掌で触ってみろ」
そう言われたのでゴーレムの肩に手を置いてみる
すると掌から鼓動を感じる
心臓の動きに合わせて動いている
「うわっ!」
それに驚き手を放してしまった
「ハハハハ、初体験は驚くだろう。皆そうなるんだ」
「…先に言ってください」
「言ったら驚かないだろう?」
性格の悪い人だ
「とにかく、{驚く}ということは{感じた}ということだ。魔導士の才能があるかもしれんぞ」
「はい!」
そしてリンハウのもとで指導が始まった
――――
「魔導士の才能なかったな」
そしてリンハウのもとで指導が終わった
「パワーはあるが魔力を飛ばすことができないのではなぁ…」
リンハウの指示に従って練習をすると壊れたゴーレムは腕を自由に動かせた
しかし手を放すと動かなくなる
悲しいことに典型的な素質があるだけの底辺らしい
「魔導士の最低条件はゴーレムを動かすことだ」
「…すいません」
「いや、こればかりは仕方が無いさ」
無駄な時間を過ごしてしまった




