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石英記―泥被りの旅人―  作者: アルグレイ
幼年期の終わり
12/50

12

淑女

という女性の呼び方がある

品格、教養、落ち着き、所作

そして知性と美しい人格を持った女性を指す言葉だ


アイリス・ヘルマンという女性は淑女というには非常に惜しいと私は評価する


「こらムサい野郎ども!」

「アイリスちゃんが怖がってるでしょ!」


大勢の受付嬢と女性傭兵が男達を寄せ付けない

仕方がない

なんせどいつもこいつも強面で汗くさいのだ

まぁ汗くさいのは仕方がない

炎天下で仕事をこなした後だし

長年使い続けてきた鉄や革の武具はそれはもう汗を吸って来たことだろう

強面なのも仕方ない、生まれつきなのだから


「うぅ…」


それらを加味してもアイリス・ヘルマンには強さが足りない

肉体的ではなく精神的に

臆病、と評するのが正しいだろう

この一点で淑女、とは言えない

だが別に悪い事でもないだろう

彼女が14歳と判明して仕方がない事だと考えた

しかしだ、それでもだ


「なんで私の後ろに隠れるんでしょうか?」

「あらら、シシールト君好かれちゃった?」


私より背の大きな女の子が私の後ろに隠れるという光景は滑稽ではないだろうか?


「ただいまぁ、領主様に話通して来たよ~」


1人の受付嬢が傭兵ギルドに入ってくる


「どうだった?」

「直ぐにサウスアルバスに早馬出したよ」


どうやらこの街の領主も事態を深刻に見たらしい

その会話を聞いて私は手を上げる


「質問良いですか?」

「シシールト君、何かな?」

「此処からその場所まで早馬で何日なんですか?」

「ん~…シシールト君ってこの辺りの地理知ってる?」

「何処まで知っているのかも知りません」


それを聞いた受付の人達が地図を持って来てテーブルに広げてくれた


私が住む街

その国名はアルバス公国

東西南北に四大貴族と呼ばれる最高位の貴族、公爵が大領主として統治

公爵の下に他の貴族が従う

そして公爵の中から公王が選ばれ王都と呼ばれるセントアルバスという地に君臨する

セントが(聖)の意なのか(中央)の意なのかはわからないが

そしてこの街はサウス領土で最もイースト領土に近い街なのだそうだ


「ルガート街道というのは地図の何処なんですか?」


地図には中央にセントと書かかれ

そこから太い線で4つにわかれた領土が書かれている

それとは関係なく地図全体に大きく、やや歪な円が描かれている


「この円がルガート街道よ、領土間を移動するときは必ずこの街道を使うことが法律で決まってるの」

「監視されてるんですか?」

「いいえ、街道に関所があって交通権を渡されるのよ」


その交通権は滅多に渡されることは無いという

当然だ

公爵が王になる統治なら

四大貴族は事実上の敵同士だ

人的資源が敵に流れることなど許さないだろう


「山越えや森越え、なんて領土間の移動手段はあるんだけど、魔獣がねぇ…」

「それに最近は野盗なんかも増えてきたわよ」


つまり街道を通るしか他領への移動手段がない


「ともあれこの街は街道に面した場所だからね、アイリスちゃんは運が良かったと言えるのかしら?」

「なるほど、ところで早馬で何日かかるんですか?」


質問に答えてもらってない


「あぁ…ここからヘルマン様の屋敷に行くなら往復3日ってところね」

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