そこへなおれ!!
「ギル殿、即刻離れるでござる!!」
板像が叫ぶ
「えっ!?」
何故そうなった!?
驚いている間に板蔵が畳み掛けてくる!!
「どうやら、先ほどの部屋で感じたのは
この城に巣食う 魑魅魍魎のものでござったか!!
ギル殿 其の者、ギル殿にへばりついているでござる!!
………と、いうことは、既に体を乗っ取られておいでではないか!?
悪霊の中には 人に巣食い 魂を喰らう者もおると 専らの噂じゃて!!
拙者東国の忍者として 人に巣食う魍魎など許しておくことはできぬでござる!!」
「…………あ、はい?」
板蔵がこんなにもたくさんのワードを発することがあっただろうか!?
…………………否だ!!
そして、あまりの早口に驚き 圧倒される!!
同じくかつてイケメン騎士であった 魍魎とされている隣の彼も同じ気持ちであろう…………
ホーリーのダメージから起き上がったところで
この言葉の洪水!!
あっ!!
板蔵の言葉がジャブ、フック、アッパーとばかりに突き刺していく……
ダメージを浴びて 瀕死だ…………!!
うーむ………惜しい人を亡くしたな………
あっ!!とうの昔に死んでれら!!
失礼……
瀕死の騎士、それにしても改めてじっくり見ると イケメンだなー!!
このイケメンっぷりなら やり方によっては、バジル領程度ならば牛耳ることも容易かっただろうて……
モチのロン マルクが生まれる前ならば………の話だ!!
マルクの子供時代って想像つかないよな!!
カイゼとは幼馴染みと聞いているが
カイゼは 変わらないだろ!?
子供がそのままオトナになった感じだからな!!
いや、むしろ、昔はもっと酷かったのかも……。
ーーその頃 バジル領ではーー
「ふ……ふ………ぶぁっくしょいぃぃ!!!」
おやカイゼ!風邪ですか?
「え!?風邪引いた事ないんだがなー」
驚きを隠せず……
「まさか、ウマシカは風邪を引かないと聞いた事はありますが!!それを実現している人がいるとは!!!」
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カイゼ、あれで真っ当になった方ならば マルクの苦労の賜物だろう……………
マルク、おれの子供が大人になるまで生きてくれ!!
全てを宜しく頼みたい!!!!!
ーーその頃バジル領ではーー再びーー
ぶるりっ!!!!!!
悪寒を感じたマルクが
「どうやら、私も流感に罹ったのでしょうか………
悪寒が…………」
「オカンがどうかしたのか?」
「………悪寒です」
「ヤカンならそこにあるぞ」
「悪寒って味わったことないですよね?」
「???」
「……教育を間違えた……………!!」
「大丈夫だぞー!!色々知らなくても マルクがいるからな!!」
「………こんな風になってはいけない!!
ギル様!!私がみっちり教育して差し上げますからね!!!!!!!」
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ゾクリ……………………
な、なんだ!?この悪寒は………………
ねっとりとした とてつもない恐怖を感じる……
しかも、バジル領の方からだ…………
ま、まぁ、本体も居るが 黒龍も カイゼにクレアそして、マルクまで揃っているから大丈夫だろう!!
原因は その中のひとりだよ!!




