お城は魔窟!?? ジン編
やあ!僕はジン!!
お説教を受けて、お仕置きも 受けて、
ジィ軍団でいると怒られて、
今は独り 領城のジル様の部屋の外にいるよ!!
廊下って薄暗くてなんだか怖いんだよなー………
稼業も、偵察メインだし、その辺り感覚が鋭いからか 時々ちょっとモノホンが見えちゃうんだよなー
ジムみたいな 明朗体力馬鹿や ジル爺さんみたいなお調子者なら こういう場所にいても怖くないんだろうけどね………
さっきの執務室の前は人の往来が なんだかんだ激しいからいいんだよ
こちら、ギル様は生まれたばっかりだから
騒がせないように
人の 入りも限られているんだよなー………
だから…よけいに静かなんだよ…………
ハッ!! 「ひえっ!!」
ものすごい殺気がジル様の部屋から飛んでった!?
いやいや、そんな、生まれたばかりの子しかいないところにそんな、殺気を生み出すものは居ないはずだが?
間違いか!?
ハッ!! 「ギャァッ!!」
殺気が飛んでくる!!
大丈夫だ、獲物は飛んできていない!!
誰だよ!生まれたばかりの 小さな子に対して………
ま、まさか、この城に住む 悪霊か、なにかの仕業か!??
ハッ!! 「ぐぅわぁ〜!!」
怨みの怨念を感じる………
やはり、この城には、何かあるに違いない!!
一人でいると 恐ろしすぎて叫び続けてしまう………
あっ!!
正座してると いざというとき逃げられないし………
誰も見てないなら、こっそりと………。
「ジンさん、大人しく殊勝にお仕置きを受けられて そこは、感心ですね………」
ビクッッ!! 「ヒャッっ!!!」
「マ…マルクさん………」
ひぇぇ〜!!
怖っッ!!
しかも、危なっっっ!!!
足崩そうとしたの バレたら即あの世逝きだ!!
そばまで来て肩に手を置かれる
男にしておくにはもったいない整った 顔が近づく…… 僕の顔に紅がさす
ドキッ!!
お…男にドキッと!?
そっちの趣味はないはずだが………!!
マルクの、束ねているサラリと長い髪が頬に当たり 耳元に囁かれる………
ど…どきどき………鼓動が激しい………
びょ………病気だろうか…………?
「くれぐれも、サボったり、逃げようなんて思わないように!!」
耳元にふぅーっと 雪女の吐息……………!!!!!
「ヒィィィ…!!!!!」
一気に 身体から全ての熱が引いて真っ白になる………
指先は氷のように冷たく………
顔を上げると、既に去っていく後ろ姿…………
どこで、どうバレたのか………
なんだかんだ 生きてるマルクさんが、いっちゃん怖いよな…………
仕置きには 真摯に向き合うことにした ジンであった………
こ…これは こ…鯉の目覚め!?




