なぜ 好きあう者?同士戦うのだ!?
『えーーーーーーーっ!!』
んっ!?
『こういう場合は、腰抜かして 立ち去るか
立ち去れなくて腰抜かして 腑抜けた奴めって言われるパターンだろうが!?』
「はぁ。
そんなものなんですね?」
ガクッっ………
ドラゴンが 肩と首の力を落とし下を向く…
『ワシにこんな格好をさせたのは
お主で二人目じゃ!!
一体、何百年前のことであろうな………』
ドラゴンが遠くを見て しみじみと 回顧する
親しい者が、いたのであろう………
「俺も 記憶のある中で
こんなに大興奮したのは はじめてだよ!!
こんなに 互いに いいことがあったなら
ちょいと先を急ぐので 通してくれないかなぁ〜!?」
『ならぬ!
この山脈はワシの大事なものが隠されている場所じゃ!!
容易に人を通すことはならぬ!
人とは 常に欺瞞に満ちており
ワシには憚りかねぬものであるからな…… 』
言い放つ、ドラゴン…
一応、尋ねてみる
「頼んでもムリかなー………」
『無論じゃ!!
通りたくば、ワシを倒してから行くことじゃな!!』
「そうか… 仕方がないなぁ!」
ぎょっとして声をかけられる
「お…お主…何をするつもりじゃ!?
ドラゴンに対するということは、死を意味することであるぞ………!!」
板蔵が 銀を制止しようとする…
「まぁ、そんな大層なことはしないから大丈夫だよ!
板蔵さんは、少し離れててね!」
そんな…とか、マジでござるか…とか、
呟きながらも距離を置く 板蔵……
お前、やっぱり、転生者だろう!??
忍者にしては、しゃべりが軽すぎるだろうが!!
あ〜…なんか、忍者感が薄らぐ………
なんで、拙者のことを見つめるでござるか!?
それこそ、恋でござろうに…
とか、余計な妄想は やめてくれ………
板蔵、お前の中のオレは、どんな立ち位置なんだ!??
気持ちを切り替えて尋ねる
「さて、準備はいいかい?」
『我は、いつでも良いぞ!!
かかってくるが良い!!』
佇んでいるだけで隙の無いドラゴン!!
オレは、手を掲げて 叫ぶ!!
「よし!
浮遊!!そして そのまま お手玉だぁ!!」
そう!オレは街に浮いている浮遊石同様に、
ドラゴンを浮かせ、ついでにお手玉のようにころがしてやったのだ!!
『あわわわわわわ…………』
突如足元をすくわれ、ドラゴンがあわてふためく………
その上、上に投げられ落ちてきたら、また上げられ……
その繰り返しをしてきたものだから
ぐるぐる目が回りだし、
『や、やめてくれ〜!!』
もう一回尋ねてみよう
「通してくれるだけでいいんだ
たのむよ!」
『…………………………!』
返答はない。
「すぐに立ち去るから……頼むよ!」
『………よい!
お主たちならば 許可しよう…!!!
さすらば、もう、とめてくれーー!』
切羽詰まるドラゴン!!
「やった!!
通してくれるって!!」
嬉しくて 小躍りしてしまう オレ、
板蔵さんは、ポカーーーーン、と大きな口を開けて
オレとドラゴンの様子を眺めていた……………




