爽やかイケメン○様
なんだろうね
男でも見惚れる 美しさ
男女共通の美しさってあるんだな
うん イケメン彼氏の彼女になりたい女の子の気持ちがわかる気がする
「……あのさ 君 」
おっ イケメンは 声もイケメンだ
まだ若い声が変わりきっていない透明感の残る声 うんうん
かの有名な少年だけの合唱団にでも入れるだろう
この顔なら ソロでトップシンガー狙えるな
「…ありがとう 」
ん?
なにかしたか!?
耳が紅いぞ
寒いのか!?
いや 温暖だぞ?
「全部聞こえていてね」
なにが?
「思っていること」
えっ!??
そんな事あるのか!?
「それがあるんだよ」
この ツーと言えばカー的な反応
ま…まさか…
合唱団やら 彼女になりたいやら 散々言っていた
何たるちあっっ!!
「こほん…
気を取り直して君に伝えていかなければならないことがある」
うんうん 聞くぞ 聞くぞ
「君は 先ほど ねこを助けて代わりにトラックに跳ねられて死んでしまったのだよ」
えっ!?
痛みはなかったぞ
「痛みを感じる間もなくここへ連れてきてからだろうね」
そうか…
ありがとな
死んでしまったと聞いて淋しいものの そこは感謝だ
笑顔になっていただろうか?
「どういたしまして
無理しなくても大丈夫だよ」
気遣いもイケメンだ!
また耳が紅いような…
「君のことを よく見ていてね」
おぉ!なんだ!イケメンからの思わぬ告白か!?
告られたら YES 一択だろう
「もうね イケメンな感想はいいよ…
は…話が進まない…」
イケメンは膝と手のひらを床について つぶやき出したが
それでも絵になる
ロダンもこんなイケメンを見て創作意欲が湧いてきたに違いない
俺がロダンなら間違いなく このシーンを像にするね
こんなことを思っていたら イケメンが消えた
代わりに ねこちゃんが一匹!!
おぉ… あのときの ねこちゃん!!
会いたかったよ〜!!!
思わず 抱き上げて頬ずりを
…
ぷにょぷにょ柔らかい肉球に阻まれた
なんでだ〜!!!