出立 其の弐
こそっ と、そばにいた不死鳥に尋ねる
「ねぇねぇ、不死鳥大きくなれる?」
「勿論よ!!」
羽根で胸を叩く仕草をする
器用だな!!
「王子と あと何人か乗せてくれる?」
「いいわよ!! ただし!!」
「???」
なんだ?なんだ?
「また、美味しいもの作ってちょうだいね!!」
「お安い御用だよ!! ありがとう!!」
そんなのでいいなら朝飯前だよ!!
助かったー!!
「では、セイン王子は 不死鳥に乗ってバジル領を目指しましょう!!」
「えっ!?ぼく乗れるかな~?」
不死鳥を眺め不安げな声を漏らす王子
すると、不死鳥がみるみると大きくなり…………
「これならいいかしら!?」
城のニ階まで届くサイズ感に大変身!!!
むぅぅ~!!
このサイズ感アップは羨ましいなー!!
昔からあった実写版の○トラマン!!
よく見たなー!!
おれがサイズ感アップできたら
街で怪獣たちと戦ってみたい!!
…………で、ビルの窓から見ている人々に当たらないように気をつけて くっ……… とか言いながら人々を守るんだよ!!
これは、男の子の夢とロマンだよなー!!!!
王子も 憧れの眼差しで見ている!!
だよな!!!!
王子、おれと気が合いそう!!!
「ポチも頼むよー!!」
「勿論なのね!!」
「ありがとう〜!!」
思わずもふもふに抱きついてしまう!
「あら!?私にはくっついてくれないのね!!」
「えっ!?抱きついて良かったの!?」
「どうしてもって言うのなら仕方ないわ!許してあげる!!」
おっ!!ツンなのね!!
「ありがとう〜!!」
大きくなってしまったから足元に抱きつく!!
「ま…任せておきなさい!!」
ツンとしながらも頬がほのかに紅い不死鳥!!
ツンデレだな!!
いつかデレばかりにさせたい!!!
目下の目標だな!!!
「さて、誰をどちらに乗せてもらうかなー…………」
……………………………………!!!!!!




