乳母
「ギル様 おりこうにしていらっしゃいましたか?」
「はうぅ〜」
もちろんだ!
な…なにもしていないぞ!
まだ あんまり頷けないけれど 必死で首を傾けようとした
するとか 額を撫でられながら
「本当に、ギル様は大人しくておりこうで、私ことシアの言っていることがよくおわかりになって 素晴らしいです!」
「うーうー」
なんと わかっていることだ
うんうんと言いたいのだが
発声はまだ難しいな
そうだ!
このピチピチギャルの乳母の名はシアだった
いつも ハーレムでウハウハしていて名前すら覚えていなかった
こ…これではいかん
「…しー」
シアと言ってるつもりだが
「し」しかできなかった。
伝わるだろうか…?
シアを見ると
元々大きな目が落ちそうになっていて
口もあんぐり開いていた…
し…シア 大丈夫か?
「ぎ…」
ぎ?
「ぎ…」
ぎ?
「ギルざまーーーー!!!」
「ぐえっ…」
抱きつかれた…
シアからの愛が大きすぎて潰れそうだぜ!オレ!
くっ…
走馬灯が見える……
「はっ!!
ぎ…ギル様 すみません
大丈夫ですかー!?」
慌てて揺らすな!
オレは新生児だ!更に命の危機がおとずれるだろうが!!
「……………ふぅ」
危うく 2度ほど
昇天するところだったぜ
シア、乳幼児には優しくしろ
「はぅぅ〜 ギル様〜」
睨みつけたら伝わったようだ




