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断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する<12/27電子書籍配信>  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第1章 81 拘束されるユダ

 結局、ユダをどうすれば良いのか名案が思い浮かばなかった彼らは私とスヴェンの提案に従うことになった。

何より、ゆっくり話し合う時間が無かったことが大きな要因の一つでもあった――。



****


「ええええっ?!ユ、ユダさんを私たちの馬車に乗せるって言うのですかっ!?」


リーシャとトマスの元に戻った私とスヴェンはユダを馬車に乗せることが決定したことを報告すると、やはり一番驚いたのは他でも無いリーシャだった。

リーシャはユダのことをよく思っていないので、これは当然の反応だろう。


「ええ、そうなの。取り合ず『シセル』に着くまでの間、ユダは私達と同じ馬車に乗ることになったわ。だからよろしくね」


「確かに……足枷をはめられた状態では、馬に乗ることは不可能ですしね」


遠くの方で、仲間たちの手によって腕を縛られているユダを見ながらトマスが頷いた。


「次の『シセル』までは1時間弱で到着するらしいから…それほど長い時間一緒にいるわけじゃない。だから連中もユダを姫さんたちと同じ馬車に乗せてもいいだろうと思ったんじゃないか?」


スヴェンの話にリーシャはそれでも不満そうだった。


「それでも…私は嫌ですよ……。だってユダさんて目つきは悪いし、何だか私のことを敵視しているようですし。かと言って、ここでユダさんを置き去りにするのもどうかと思いますけど」


「ごめんなさいね、リーシャ。貴女に何も相談せずに、勝手にこんなことを決めてしまって。でも他に方法が無かったのよ」


こうでもしなければ、『シセル』に到着するまでの間……ユダの身の安全を確保できるとは思えなかった。


「リーシャさん。ユダさんはリーシャさんが思っているほど、悪い人ではありませんよ?」


ユダを信頼しているトマスがリーシャを説得しようとしてくれている。


「ええ、少し不愛想なところはあるかもしれないけれど…根はいい人なのよ?」


すると私の言葉にリーシャは首を振った。


「クラウディア様の決められたことに反論するつもりはありませんが……それでも私は…やっぱりユダさんと同じ馬車には……乗りたくありません」


「リーシャ……」


困ったことになった。

まさかリーシャがここまで反対するとは思わなかった。するとスヴェンが提案してきた。


「そうか、そんなにユダと一緒に馬車に乗るのが嫌なら…リーシャは荷馬車にのったらどうだ?幸い今はそんなに荷物は積んでいないから、余裕で乗れるぞ?」


「そうですね……では、そうさせて頂きます!」


リーシャが返事をした時……。


「お待たせ致しました」


ロープで腕の自由を奪われたユダを連れてヤコブが私たちの元へやって来た。


「では申し訳ありませんが、『シセル』に到着するまでの間はユダを馬車に乗せて下さい。でもご安心下さい。この通りユダは拘束してありますし、馬車内では足枷をはめますので。暴れたりすることは無いでしょう。ただ…馬車の中が狭くなってしまいますが、どうぞそこのところはご了承下さい」


「え、ええ……」


仲間のユダを平気で拘束しているヤコブに不信感を抱きながら返事をするとリーシャがヤコブに話しかけた。


「ヤコブさん、私は今回は荷馬車に乗ります」


「え?そうなのか?」


「はい、クラウディア様にはゆったり座って頂きたいので、私から申し出ました。そうですよね?クラウディア様」


リーシャが私に同意を求めるかの如く、声を掛けてきた。


「え、ええ。そうね……だから馬車が狭くなるなんて気にしなくていいわ」


私は敢えてユダに話しかけるように言った。


「……」


ユダは一瞬目を見開いて私を見たが、すぐに視線をそらせてしまった。


「よし、それじゃリーシャはこっちに来いよ」


スヴェンがリーシャを手招きした。


「はい、ではまた後程。クラウディア様」


「ええ、またね」


リーシャは一度だけ、頭を下げるとスヴェンと一緒に荷馬車に向かって行った。


「では、クラウディア様も馬車にお乗りください」


「ええ。分かったわ


ヤコブの手を借りて馬車に乗ると、次にトマスが私の向かい側の席に座った。

そして次にユダが馬車に乗り込むと、すぐにヤコブによって足枷をはめられてしまった。


ガチャン


足枷に鍵が掛けられると、ヤコブはユダに言った。


「逃げようなどと、馬鹿な事は考えるなよ?」


「……ああ」


短くユダが返事をすると、ヤコブは次に私に声を掛けてきた。


「それでは扉をしめさせて頂きます。罪人と一緒で何かと不自由をおかけしてしまいますが、どうぞご容赦願います」


不自由…そんなことは私は少しも思っていないのに、あえてヤコブはユダにあてつけるように話しているのがヒシヒシと伝わって来た。


「大丈夫よ、それでは出発して」


「かしこまりました」




馬車の扉が閉じられると、再び隊列は移動を始めた。



『レノスト王国』最後の領地であり、現在一番の問題を抱えている『シセル』の村を目指して――。






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