569 悪い虫と学院前の検閲
あれから、私たち自身、馬車に乗り込んで学院に向かうことになったものの、ガタゴトと揺れる馬車の中は、本当に居心地が悪いくらいピリピリとした状態だった。
セオドアと、ルーカスさんと、お兄様とアルが『一体、どういうつもりなんだ』といった感じに、ノエル殿下の方を見つめてくれていて、私自身も、ノエル殿下に言われたことについては『そんなつもりはない』のだと断ったものの。
今、現在、みんなから注目を集めているノエル殿下は、どこ吹く風で、私たちの方を見ながら、堂々と明るい笑顔を出してくる始末で、全然、悪びれた様子もない。
その上で、自信満々に……。
「セオドアや、ウィリアム達が、アリス姫を大事にしているのは、俺も理解しているんだけど、だからといって、アリス姫のその隣には、まだ誰もいないだろう……?
既に、アリス姫が心に決めて、誰かが隣にいるのだというのなら、そういったことには関われないと思うが、そうじゃないのなら別に構わないと俺は思っているし、アリス姫とは、これまで以上に懇意にしたいからな。
ソマリアの人間に勘違いされるのが良くないっていうお前達の言い分には、納得出来る部分もあるが、それよりも、シュタインベルクでも、そこまで大事に扱われて、優秀だって言われているアリス姫が表舞台に出ない方が損失だろっ?
それに、お前達が、そうして、庇えば庇うほど、表舞台でアリス姫を輝かせたくないのかなって穿った見方をするような奴も出てくると思うけどな」
そうして、ハッキリと私たちにそう告げてきたあとで『俺の言っていることで、どこか間違っているところはあるか……っ?』と、パッと明るい笑顔を溢してくるノエル殿下の言い分に、私は思わず、ドキッとしてしまった。
昨日の今日で、ダヴェンポート卿もノエル殿下も、以前にも増して、私のことを気にする素振りを見せてきているということは間違いないことだろうし。
私たちが留学してきたことで、裏で動いて何かをしようと思っている黒幕がいたとしても、それとは別に、私が魔女である可能性を見て、単純に『ソマリアのためにもなるかもしれない』と探ってきている人がいたとしても可笑しくはないはず。
実際、私たちに何かをしようと思って動いてきているであろう黒幕の人は、私たちが、その存在に、多少、気づき初めているとは、今もなお知らないままだろうから、それ自体は、大丈夫だとは思うものの。
それでも、今のまま、私のことを皆が心配してくれていると、それが、たとえ、私の心配で過保護な部分から来るものであったとしても、ノエル殿下に、こうして『穿った見方をする奴らも出てくると思うけど』と、疑うように聞かれたりして、怪しまれる要因にもなってきてしまうだろう。
そのことで、私自身、なるべく、ドキッとしてしまったことについては、表情に出さずに取り繕いながらも、ノエル殿下の言葉に、どう返せばいいのかと迷っていると。
「アリスは、確かに、父上からの寵愛を受けているが、それは、アリスが今までシュタインベルクという国を、文字通り、長い歳月をかけて、良い方向に変えてきたからだ。
今のシュタインベルクの法案においても、アリスが父上に進言して変えてきたことは大きいし、アリスが関わってきた事業で、ファッションショーや流行関連の事業が盛り上がったり、客船の開発などをしたりと、シュタインベルクの国庫が潤ってきているような事実もあるからな。
アリスのお陰で、シュタインベルクという国が得てきたものは、本当に大きい」
と、お兄様が意義を唱えるように声を出してくれたあと。
「本当に、その通りだよ。
お姫様が、シュタインベルクの至宝として大事にされているっていうのは間違いのないことだけど、優秀だからこそ、お姫様の相手を誰にするのか選ぶのは、陛下も慎重になっていることだし、極力、虫がつかないよう表舞台には出したくないということで、ノエル、お前が言っていることとは、考えが反対なだけだ」
と、ルーカスさんがそう言ってくれて。
更に……。
「あぁ、そうだな……。
姫さんが、今までどれだけの間、身を粉にして、国や、苦しんでいる人間のために心血を注いできたのかは、俺等が一番よく分かっていることだし、その結果が、今現在のシュタインベルクを支えていると言っても過言じゃない。
その上で、周りを包み込むような優しさがあるからこそ、姫さんの性格そのものに救われてきた奴らを俺はこの目で目の当たりにしてきたし。
それだけ、姫さんは、シュタインベルク中から愛されるような素質を持っているんだ。
実際、姫さんと一度でも関わった人間は、みんな、あまりの心地の良さに、その周りに集まってこようとするし、姫さんの事を好きになっちまうからな。
だからこそ、お前達が、疑うような事実などは何もねぇよ。
ただ、ありのまま、姫さんは、今までの功績やその性格から、俺たちに大切にされて愛されているだけだ。
その上で、俺たちが、姫さんに対して過保護にしている理由についても、理解は出来るだろう……?」
と、隣に座ってくれていたセオドアが、あくまでも『魔女として能力を持っているから』ではなくて、私の素質や、性格の面で、周りの人達が集まってきてくれるのだと、突然、もの凄く褒め始めてくれたことで、私は思わず、ぶわりと、顔を赤くしてしまった。
そんなふうに言って貰えるのは、いつものことなんだけど、真っ直ぐに私の方を見つめながらも、そう言って貰えると、やっぱり、照れてきてしまうし……っ。
セオドアは何の気無しに言ってくれているのかもしれないけれど『大切にされて、愛されている』っていう言葉を改めて聞かせてもらえると、凄く嬉しいなって思っちゃう。
あとは『愛されている』っていう言葉に、胸がきゅうってなって、何だか苦しくなってきてしまうというか、私自身は、セオドアの言葉に、思わず、ドキドキしてしまっていることが、最近、本当に多くなってきちゃっているんだよね……。
そうして……。
「つぅか、姫さんの虫除けが必要なら、言うまでもなく、その傍で身を護るのは俺の仕事だ。
俺の主君を、そんな目で見つめてこようなんていう、不届き者に対処しねぇ方があり得ねぇからなっっ!
俺は、皇帝陛下から、姫さんを任されている身だし、たとえ、それが友好国の王子であろうと、関係ねぇ……っ。
……お前が、そういう心積もりだっていうんなら、いつでも俺が相手してやるよ」
と、セオドアが、あくまでも、ダヴェンポート卿やノエル殿下に狙われている可能性のある私を庇うようにしてくれたんだと思うんだけど、そういった話になるのなら、いつでも自分が相手になってやると声を出してくれたことで。
『私を庇うつもりでそう言ってくれているんだよね……っ?』
と感じつつも、何だか本気でそう言っているようにも聞こえてきてしまって、その言葉を聞いて、私が、セオドアの服の裾を摘まんで『セオドア……っ?』と、首を傾げながら、その目を見つめて、そう呼べば、その言葉を肯定するかのように『大丈夫だ、姫さん、安心してくれ。必ず俺が護るから』と、視線だけで、セオドアから、そう告げられてしまった……。
その上で……。
「セオドアだけじゃなくて、俺もいるし、お姫様には、絶対に手出しなんかさせないつもりだけど」
「ああ、勿論だ。……俺の、大事な妹だからな。
……悪い虫がつく前に、守るのは当然のことだ」
「うむ、僕たちがアリスを護っている以上、ノエル、それは無謀というものだぞ……っ?」
と、みんなが私のことを思って、そう言ってくれると……。
「あー、セオドアが相手になるってだけでも、厳しい感じがするっていうのに……。
本当に、アリス姫の周りは、鉄壁だな……っ!
まるで、難攻不落の城を攻め落とすみたいで、強敵を倒すっていう状況に、ただただ心が沸き立ってくるっっ!
まぁ、でも確かに、アルフレッドの言うように、俺自身、身体も鍛えてて、喧嘩って奴には、めっぽう強い方だが、流石に、今、お前達全員の相手をするのは、分が悪いだろうな」
と、どこまでも好戦的な雰囲気で『分が悪い』といいつつも『それすらも楽しそうだ』と言わんばかりのノエル殿下のその瞳には、言い知れないような自信というか、無鉄砲さというか、そういったアンバランスな感じの視線がのっていて、私は、頭の中で、その言動の意味について、ほんの少し思考を巡らせてみたんだけど。
『これって、多分、自信があるとか、そういうことじゃなくて、まるで、喧嘩をすることだけを楽しんでいるような雰囲気で、たとえ、その結果がどうなろうとも、別に構わないっていう、ともすれば、いつ散ってしまっても良いと思っているような、一種の危うさのようなものがあるんじゃないかな……っ』
と私は思わず、目をぱちくりと瞬かせ、ノエル殿下の方を見つめてしまった。
そのあと、私自身もハッキリと『今は、誰ともそういうふうになるつもりもないですし、ノエル殿下にそう言われても困ってしまう』のだということは伝えたんだけど、中々、きちんとは伝わってなさそうな感じで、ノエル殿下に理解して貰えたかどうかは、凄く怪しいところだった……。
そうして、この件に関して、アルが、話の矛先を変えてくれて『そもそも、バエルも、御目付け役ならば、ノエルの暴走を止める権利はあるのではないか?』と問いかけてくれると、バエルさんは、ほんの僅かばかり苦笑しながら。
「本当に、皆様方には、ご迷惑をおかけしていると思うのですが……!
それでも、私自身が、ノエル殿下のことをお止め出来るのならば、今の段階で、もう、そうしているでしょうね……っ」
と、まるで匙を投げていると言わんばかりに、諦めたような言葉を返してきた。
そうして、そのあとボソッと、レイアード殿下が。
「兄上は、一度言ったことは、曲げないところがあるから」
と、言ってきたところで、馬車の窓から見える景色が、学院に近づいていることに気付いた私は、いつもなら、そのまま門をくぐることの出来る馬車が、急遽、守衛として門番を担当してくれている警備の人達に扉をノックされ、学院の門の前で入るのを止められたことで、思わず、戸惑ってしまったんだけど。
直ぐに、二人一組でやってきた彼等の口から……。
「皇太子殿下お二人と、シュタインベルクの皆様に、ご挨拶を致します。
あの……っ、申し訳ありません、昨日、植木鉢が落とされる事件があったことで、本日から、国の命令で、誰であっても、一律で、必ず学院に入る前に、持って来ている荷物の確認をしなければいけないという指示が出ておりまして、学院に入られる前に荷物の検閲をさせてもらっています。
どうぞ、ご協力、願えないでしょうか……?」
という言葉と……。
「えぇ、そうなんです。
間近にイベントが控えているということもあり、特に、学院に入られる方の荷物の検査につきましては、今日から厳重になっていますので、何卒、ご容赦頂きたく感じています」
という言葉を伝えられたことで、私は『昨日の件で早速、ダヴェンポート卿か、ノエル殿下が動いてくれたのかな?』と感じつつも、今日の朝食の席で、どちらも、そんなことは言っていなかったけどな、と思いながらも、彼らからかけられた言葉には、こくりと頷き返していく。
そうして、私たちの動揺とは裏腹に、ここまで、全く動揺する様子なども、一切見せていなかったノエル殿下が……。
「昨日、学院から帰って、ダヴェンポートともそういう話になった時、これから学院に入る人間には、どんな人間であろうとも、分け隔てなく、必ず手荷物の検査を実施するようにって、国から通達が行くよう俺が指示を出しておいたんだ。
ダヴェンポートは、自分の手柄にならなくて、嫌そうな雰囲気はあったんだけどな。
俺もやらなければいけないことについては、ちゃんと動くって決めてるんだ……。
まぁ、勿論、全部が全部、これで解決とまではいかないだろうし、色々な面で抜け道などはあるだろうが、早速、国から学院に通達がいったことで、これで、少なくとも、外部からの怪しい物の持ち込みについては、かなり制限されるはずだろう……っ?」
と、これは自分の案なのだと言ってくれたことで、今日、お兄様が『誠意のある対応を』とお願いしてくれていたことに対して『あぁ、そうだな。そんなのは、当たり前のことだから、何も心配しなくていい』と、言っていた朝食の席での話を、昨日の段階ではもう有言実行してくれて『私たちに対しても、だいぶ、配慮してくれている結果のことなのかな?』と、私は、今の今までノエル殿下のことを怪しんでいた分だけ、その迅速な対応に、もの凄く驚いてしまった。
あぁ、だけど、そこまで考えたあとで、私はハッとしてしまって、思わず、内心で『あぁぁ、どうしよう……っっ?』と、焦ってしまう。
アルフさんから手渡されてしまったお父様からの御手紙が、まだ、鞄の中にあるし、手荷物の検閲なんてされたら、一発で、シュタインベルクから御手紙が来ていることがバレてしまうよね……っ?
これが、普段のことであるならば、私たちしかいないから何も問題はないと思うけど、よりにもよって、今日は、ノエル殿下や、バエルさん、レイアード殿下とも一緒に学院に来ることになってしまっているし。
手紙の中までは見られないだろうから、その内容までは分からないだろうなと思いながらも、お父様とも連絡を取っていることが知られるのは、あまり良くないと思う。
普段なら、対策が出来ることも、ここまで来てしまった以上、何の対策も出来ずにいて。
「では、お手数ですが、これから、お一人ずつお荷物の中を見せて下さい」
と言われたことで、私は、内心でドキドキしつつ、戸惑いながらも、『姫さん、(お姫様)、((アリス))どう考えてもまずいよな?』と近くにいて、気付いてくれたみんなとも視線を交わし合い、それぞれに『もう、隠すことなどはできないだろうから、かくなる上は、見せた上で、何とか誤魔化すしかない……っ!』と、意思の疎通を図り……。
「はい。……ノエル殿下、レイアード殿下、バエル殿、ご協力ありがとうございました。
では、お次は、シュタインベルクの皆様ですね……っ!
皆様方は勿論、何も危険なものは持たれていないと思いますが、どうぞ、ご協力下さいませっ」
「お前たちが詳しく調べているものとしては、どんなものがあるんだ?」
「そうですね、ウィリアム殿下。
アクセサリーなどといった貴金属などは大丈夫ですが、大きい鈍器になるようなものなどは、チェックが入りますね。
また、他のもので、少しでも、気になるものがありましたら、用途をお聞きするようなこともあるかとは思います。
ただ、今は、学院で開催されるイベントもありますので、そちらで使う道具を持ってきている生徒さんも多いんですよね。
一応、逐一、チェックはさせてもらって、気になるものがありましたら、誰が何を持ってきているのかは、此方でも紙に記入して控えさせて頂いています」
と、守衛である警護の人とお兄様が話してくれている内容を聞きながらも、ひとまずは、お兄様と、アルの順番になって、いよいよ、バクバクと胸を高鳴らせながら、私は鞄を開ける準備をしていく。
因みに、ここまでの間で、ノエル殿下も、レイアード殿下も、バエルさんも特に怪しい物は何も持ってきておらず、ノエル殿下のみ、機械工学部で作っていた宝石が散りばめられた機械人形が一つ、鞄の中に入っていたものの、それは、サークル活動で使うものとして、特に、問題がないと判断されたみたい。
そうして、私は『では、皇女様も、鞄の中身を見せてもらえますか?』と言われたことで、こくりと頷きながら、そっと鞄を開けて、中を見せていく……。
その上で、整理整頓された鞄の中身として、ローラが渡してくれた医療用のキットに、魔法研究科で勉強している内容が綴られている紙などといった、特に、問題のないようなものを中心に、しっかりと検閲していってもらったあと……。
「皇女様、此方は……?」
と、お父様からの手紙について問われたことで、私は、なるべく動揺したりせずに、表情に出さないよう気を付けながら……。
「そちらは、シュタインベルクにいるお父様からの御手紙です」
と、正直に答えた上で。
「……ソマリアに来てから、無事に到着していることなど、自分達の近況を伝えるため、大分前に、御手紙を出していたのですが、そのお返事が、今日返ってきたんです。
それで、今朝、アルフさんに御手紙を届けてもらったものの、置いてくる時間がなかったので……」
と、柔らかく微笑みながら、お父様からの御手紙に嬉しいと感じている娘としての気持ちを出しつつ。
なるべく、嘘を吐くと、ボロが出てしまう可能性もあるから『ソマリアのことで、お父様と重要な話をしている』という大事な部分については隠した上で、本当のことも交えて、お父様から御手紙が届いたことでどう思ったのか、正直な自分の想いを伝えていく。
私のその言葉に、ノエル殿下も、バエルさんも、かなり驚いたような様子でありつつ、ノエル殿下の口から『アリス姫は、頻繁に、皇帝陛下とも手紙の遣り取りをしているのか?』と、詮索するように問いかけられてしまったんだけど……。
「いえ……っ、そんなに、頻繁には遣り取りはしていませんよ。
お父様に御手紙を送ったのも、これが初めてのことで……っ」
と、正直に話した私のあとで、続けて……。
「うん……、そうだね。お姫様の言う通りだよ。
シュタインベルクから、ソマリアに来たことで、何よりも、陛下がお姫様の近況について知りたがっていただろうから、陛下にそのことを伝えたいなっていう意図があったんだよね」
「あぁ、俺たちの近況を知らせる手紙を出すことで、陛下にも安心して貰いたいってことで、こっちに着いて学院に通うようになってから、少し、余裕が出てきたこともあって、手紙を出したんだったよな……っ?」
と、フォローするように声を出してくれたルーカスさんと、セオドアのお陰で、何とか、私たちが『ソマリアの人達について疑っている』ということは知られないまま事が済んで、私はホッと胸を撫で下ろした。
『だけど、これで、ノエル殿下や、バエルさんには、こっちに来てからも、お父様と連絡を取り合っているって知られちゃったから、これから、気を付けなくちゃいけないよね……っ』
パッと見た感じでは、ノエル殿下の瞳は、いつもと同じ感じで、その瞳からは、どう思っているのかは全く読めないけれど。
ただでさえ、アルフさん経由で、ダヴェンポート卿には、その事が知られているかもしれないのに、これで更に、ノエル殿下に知られてしまったとあれば、今後、お父様との遣り取りを頻繁にするようなことは出来なくなってしまうかも……。
そのことに、内心で、もの凄く大きな痛手だったなと感じながらも……。
「はい、問題ありませんので、大丈夫です……!
皆様、ご協力、本当にありがとうございました……!
暫くは、このような感じの対応が続くと思いますので、何卒、宜しくお願いいたします」
と言われたことで、ようやく、学院の門を潜ることが出来た私たちは、ノエル殿下のことで心配してくれつつも、後ろ髪を引かれる感じで、とりあえず、自分達の学科に向かわなければいけないお兄様と、ルーカスさんとも別れ、ひとまず、セオドアとアルと、それから未だ目的が読めないノエル殿下や、バエルさん、レイアード殿下とも一緒に魔法研究科へと向かうことにした。










