496 宮廷伯の5人
相変わらず年齢にそぐわない雰囲気で若々しい感じを持ち、すらっとした足の長い体格に、こういったパーティーの場ではあまりにも珍しい派手な柄物のシャツ、薄グレーのジャケットを着こなしているその人に、私の隣で、セオドアと6年前の事情を聞いてくれているアルが、あからさまにならない程度に眉を寄せ、警戒を強めてくれるのが見えた。
ただ、宮廷伯であるスミスさん自体、そういった人の感情の機微を悟るのが凄く上手いみたいで……。
「おっと、相変わらず、陛下からも一目置かれている、皇女殿下を御守りする番犬は、俺に手厳しいなっ。
さらに、そこに、シュタインベルク国内でも、自然薬学について屈指の知識を持っていると評されるアルフレッド様も加わるとあっちゃぁ、こりゃぁ、迂闊に、誰一人として皇女殿下には近づけない訳だ。
まぁ、もっとも、16歳の成人に、ご成長なされた皇女殿下の、国色天香とも呼べるほど、どこまでも柔らかい雰囲気に、お淑やかで透き通るくらいのその透明感を見れば、ご本人の意志とは無関係に、周囲からこれでもかというくらいに護られるというのも、本当に、頷ける話ですが」
と、セオドアとアルが私のことを思って警戒してくれたのを正しく認識した上で、私に対して、最上級とも思えるような褒め言葉を、気恥ずかしさを感じさせる様子もなく、まるで何でもないことのように、さらりと此方に向かって伝えてきたことで、私は思わず、戸惑ってしまった。
『国色天香』とは、確か異国の言葉で、最上級の香りと色を併せ持っている牡丹の花を表現する言葉だったはず。
6年前から伊達男といった感じの雰囲気で、そういったことも普通に言ってくるタイプの人だったから、きっとこれもお世辞なんだと思うんだけど、流石に、国色天香は、言い過ぎなんじゃないだろうか……?
だけど、何故か、私だけが、この場で困惑してしまっているだけで、傍にいたウィリアムお兄様も、ルーカスさんも、スミスさんの軟派な雰囲気には、あまりよく思っていない様子で、セオドアとアルと同様、眉を顰めた様子だったけど、スミスさんが私を褒めてくれたその言葉には、誰しもが納得した様子で『当然だ』と言わんばかりに頷いてしまっていて、みんなの私への評価が高すぎるんじゃないかと、私は、この6年で過保護さ具合が更に加速して身内贔屓をしてくれるお兄様達の姿に、ちょっとだけ申し訳なく思ってしまった。
その直ぐあとに……。
「帝国の未来を照らす月と、帝国の可憐な花にご挨拶を。
この外国かぶれめが……っ! 美しくなられた皇女様を讃える言葉は、国内にも幾つもあるというのに、わざわざ異国の言葉を好んで使うなど、笑止千万!」
「帝国の未来を照らす月と、帝国の可憐な花にご挨拶を。……皇女殿下、お誕生日おめでとうございます!
少し見ない間に、更に美しくなられて……っ!
皇女殿下の、ますますのご健勝と、ご多幸をお祈り申し上げますっ!
いやはや、それより、ベルナール殿、たまには、もの凄く気が合いますねっ!
大人になられた皇女様を表現するには、牡丹の花も良いが、どちらかというのなら気高く、穢れがないほどに純真で、高貴な花と名高い白百合といった方が、よりその雰囲気には相応しいと私は考えますし、美しく成長された皇女様にもピッタリだと私は思いますが……っ!」
「ブライス殿っ! 分かっているだろうが、私は、そういったことを言っている訳ではないっ!
貴殿と一緒にしないでくれっっ! 皇女殿下、本当にお久しぶりですな、貴女にお会いしたいと思っておりました!」
と、私に向かって挨拶をしに、パーティー会場のごった返すような人の波をすり抜けて、此方にやって来た、人一倍マナーや規律を重んじることで有名で、眉を寄せて気難しい表情を浮かべたあと、普段あまり笑わないからか、ちょっとだけ、笑顔を作るのに失敗した様子で、曖昧な笑顔を向けてくる『法務部官僚』のベルナールさんと、お父様と一番感性が似ていて、私ともずっと親しくしてくれているダンディーな雰囲気がある『環境問題官僚』のブライスさんが声をかけてくれたことで、私は慌てて、カーテシーを作り出し……。
「ブライスさん、ベルナールさん、お久しぶりです。
本日は、私の誕生日パーティーに来て下さって、ありがとうございます」
と、ブライスさんから自分の誕生日を祝われたことで、特にブライスさんに向けて柔らかく微笑みかけながら、二人に向かって挨拶をしていく。
そういえば、この6年、私自身社交界で色々な人を観察していたんだけど、ベルナールさんは、宮廷伯一、顔が広いことでも有名で、色々な貴族達とも繋がりがあって、元々、騎士団長とも仲が悪くなさそうな雰囲気だったよね。
そうして……。
「帝国の未来を照らす月と、帝国の可憐な花にご挨拶を。
一生のうちに一度しかない、成人を迎えられた特別なお誕生日を祝うパーティーだというのに、皇女殿下も、このように煩い連中に騒がれては、辟易するというものだろう?
全く、下を見れば本当にキリがないな……! この場でマトモな人間は、私くらいしかいないというのか…っ」
「帝国の未来を照らす月と、帝国の可憐な花にご挨拶を。
おやっ、ヴィンセント殿は、この場でマトモな人間が、貴方しかいないと仰られるのですか?
ふふっ、そのようなことを仰られるのは、あまりにも心外ですねぇ……っ!
宮廷伯という立場上、国の政治を担うものとして、みなが一癖も二癖もあって然るべきものだと私は思いますが、どうやら、石頭のヴィンセント殿には、それが分からないらしい。
まぁ、もっとも、私も、自分以外の他の宮廷伯の面々と意見が合わないというのは言うまでもありませんので、それには、多少納得もいきますが。
それよりも、皇女殿下、本当に麗しくご成長なされましたね?
まるで、この辺り一帯に、愛らしい花が咲き乱れているかのようで、すっかり、人々の興味も関心もあなたに集まっている……っ!」
と、どこまでも威厳のあるような厳しいとも冷酷だとも思われるような声色で、周りの人達を突き放す、常に公正な目を持つと評判が高い堅物な雰囲気の『総務部』のヴィンセントさんと、柔和な雰囲気を持ちながらも、皇宮の懐事情を握っていて、保守的だと言われている『財務部』のノイマンさんから、続けて声をかけられて、私は彼等にも、にこりと笑顔を向けて挨拶を返すことにした。
確か、ヴィンセントさんは、国を良くするためには割と強硬な手段を取るくらいに、自分にも他人にも厳しくて、ストイックな一面があるんだよね。
それから、ノイマンさんは、皮肉屋と言われるくらい辛辣で口が悪いと評判で、国のお財布事情を握っていることからも、方々で色々な人達と争っていたりもするみたい。
パーティーによっては、皇宮が主催するものだとしても重要なもの以外には出ることもなかったり、自分達の仕事で忙しく動き回っていたりすることで、中々、一つのパーティーの中であろうとも、全員が一堂に会することなど滅多にない宮廷伯の人達が5人全員出揃ったことと、お兄様や、ルーカスさんといった元々人目を引く人達もいるということで、6年前のブライスさん主催の夜会の時以上に、これでもかというくらいに人目を引いて、目立ってしまっていることは言うまでもなく。
私の誕生日であることからも、お兄様ではなく、みんなそれぞれに私を優先して声をかけてくれたのだとは思うんだけど、周囲の人々からの注目を集め、更に言うなら、それまでホールの中心で踊っていた人達も足を止め、何事かと、此方へと好奇の視線を向けてくることで、私は、皇女としても気を抜くことは出来ないなと、これまで以上に凛と背筋を伸ばし、柔らかい口調と表情で、彼等の対応をしていく。
「皆様に、そんなふうに仰って頂けて、お世辞でも、とっても嬉しいです。
大人になったことで、更に、一国を預かっている皇女としての立場を弁えて、国のためになるよう一生懸命に努力を重ねていきたいと思います」
そうして、私が、普段から自分が心の底から思っている言葉を、今ここではっきりと口に出して、この場にいる人達に聞こえるよう声をあげると、ブライスさんのみならず、スミスさんも、ベルナールさんも、ヴィンセントさんも、ノイマンさんも、宮廷伯の全員が『それは、素晴らしい心がけですね』と言わんばかりに、私の方を見てくれた。
そのあと、スミスさんが……。
「皇女殿下のそのお考えには、私自身も賛同いたします。
まだ、年齢が幼かった頃には、我が儘で、周囲を困らせてばかりの御方だったと伺っていたが、6年前にお目にかかった頃も、皇女殿下の人目を引くお姿に、本当に、この国を任せても大丈夫なのかと、皇女としてのそのお立場を考えた際に、私自身、かなり不安に思っていたのですが、そのお姿を見ていると、全く、問題ないようですね……っ」
と、言ってきたことで、その場の空気が一瞬だけ凍り付き、元々、赤を持っていることに否定的だと言われていたスミスさんだからこそ、そう思うのかもしれないけれど、自分の本心を全く隠さない様子の明け透けな物言いに、私がその言葉に返事をしようとする間もなく……。
「お話中、失礼致します。
外務部長官殿は、相変わらず何も変わっていないご様子で、アリス様に不躾すぎやしませんか?
主人を不当に貶めようとする人間がいるのなら、アリス様を御守りする騎士として絶対に許すことなど出来ない……!
まさか、以前も、特に親しくもない上に、ましてや初めて会ったアリス様の手の甲に、尊敬だなんだと言いながら、気安い態度で、キスを落としてきたことを、忘れておられるのではないでしょうね……っ!?
アリス様のことを、とやかく言う前に、ご自分の方を何とかした方がいいのではっ!?
その言葉は、この場で、アリス様の護衛騎士である、俺に叩き切られる覚悟を持ってのことだと受け取っても……っ!?」
と、騎士として私を護ってくれるために、セオドアが庇うよう私の前に出てくれたあと、強い口調でスミスさんに対して正統な抗議として追及するよう『非難の視線』を向けてくれた。
その上で、ルーカスさんと、アルもまた、表情を強ばらせた上で、不躾とも取れるスミスさんの態度に、私のことを思ってくれて、強い怒りを滲ませた様子で、スミスさんの方を見つめてくれる。
そうして……。
「セオドアの言う通りだ。
6年前の夜会でのことは、俺も父上から聞いて知っているし、その際にも、父上から警告されている筈だろうっっ!
アリスは子供の頃から、誰よりも、国の為に何が出来るのかを考えて、人のために心を砕き努力を重ねている!
何も変わっていないのは、スミス、お前の方なんじゃないかっ!
その言葉は、アリスことを不用意に貶める発言だと受け取って、不敬であると断罪されても文句は言えないと思うが、その覚悟は出来ているんだろうな……っ!」
と、ウィリアムお兄様が、私のことを護るために厳しい言葉で責め立ててくれると、スミスさん自身、そういったつもりは全くなかったのか、まるで予想外だと言わんばかりの表情を浮かべたあと……。
「申し訳ありません、ウィリアム殿下……っ。
私にそのような意図は全くなく、皇女殿下の最近のご活躍を素晴らしいと讃えるつもりで言った言葉でしたが、まさか殿下にも、皇女様の護衛騎士にも、そのように受け取られてしまうとは……。
自分の認識不足だということを痛感していますし、私自身も、これからは、皇女殿下のように、より一層、国のために何が出来るかを考えて行動していかなければならないと強く感じています」
と、どこまでも申し訳なさそうな表情に変わっていったあと、お兄様に向かって頭を下げて謝罪をしたのが聞こえてきて、私のことを讃えるつもりだったのだと言ってから、さらには、自身もまた、これから国の為に何が出来るかを考えていきたいと声を出してきたことで、私自身は、それで別に構わなかったんだけど……。
「お前は、俺に対しての謝罪はあるのに、アリスに対しての謝罪はないのか……っ?」
と、思いっきり眉を寄せて、お兄様が更に厳しく追及するように、スミスさんに向かって声を出してくれたことで、スミスさんの瞳が私の方へと向き、先ほどまでお兄様に向けていた本当に申し訳なさそうな表情を浮かべたスミスさんから……。
「皇女殿下、私の不徳の致すところによって、ご迷惑をおかけし本当に申し訳ありません。
しかしながら、私には、本当にそのような意図はなく、久しぶりにお会いした皇女殿下のお姿を、頼もしく思って出した言葉だということに嘘偽りはありません……!
それだけはどうか、知っておいて頂きたい……!」
と、がばりと頭を下げて、誠心誠意とも思えるような謝罪を受けたことで、私は、スミスさんのその謝罪を正統なものとして受け入れることにした。
「……スミスさんのお気持ちは分かりましたし、その謝罪を正統なものとしてお受けいたします。
ですが……、このような場で、あまりそういったことを言われるのは、スミスさんご自身のことも、不当に下げてしまいかねないものだと思いますし、あまり良くないことだと思いますので、出来れば、次からは気をつけて頂けると嬉しいなと感じています」
その上で、今回のことは、スミスさん自身の立場も悪くしかねないことだと、やんわりと気をつけてほしいと注意するように声をかければ、セオドアも、アルも、ルーカスさんも、ウィリアムお兄様も、『本当に優しすぎる』と言わんばかりに、私の方を見つめてきたんだけど、私がそう言ったことで、まだ遺恨が残っていそうな雰囲気ではあったものの、スミスさんに対して向けていた矛を納めてくれた。
「そう言ってもらえると、大変、有り難く、皇女殿下のご配慮に感謝致します」
そうして、私の言葉に、頭を下げていたスミスさんが、ホッと安堵したように、そう言ってくるのが聞こえてきたあと、皇女としての立場でにこりと笑顔を溢せば……。
「……そういえば、お話が変わって、大変申し訳ないのですが、皇女殿下……。
私が親しくしている諸外国の中でも、皇女殿下の最近のご活躍や噂が届いているみたいで、特に、ソマリア国の第一皇子である、ノエル・フラン・グレイグ殿下が、一度で良いから、シュタインベルクの姫君であるアリス殿下にお会いしたいと仰っていましたよ……!
他国の王族なども、皇女殿下の噂に興味津々な方達が多く、最近では、外交の度に、どのような御方なのかと聞かれることも増えましてね……っ」
と、続けざまに、スミスさんの口からそう言われたことで、私は驚いて目を瞬かせてしまった。
今まで、自分のことに一生懸命で、目の前のことを何とか一つずつ解決していくために頑張ってきて、国内での評判に関しては、確かに、ちょっとずつ上がってきているけれど、そういえば、他国の人達から、どういうふうに見られるかとかは、あまり意識したことがなかったかもしれない。
まさか、他国の人達に、そんなふうに見られていただなんて……。
それと、ソマリア国の第一皇子は、どうして私なんかに会いたいんだろうか……?
ソマリア国の第一皇子といえば、以前、ブランシュ村から帰ってきた際に、お父様に、アーサーの一件などの調査報告をした時、ベラさんのことを助けたいという一心で魔女のデータを見せてほしいとお願いしたら、ウィリアムお兄様の口から、『確か、ソマリアには、魔女について研究している第一人者がいたはずだ』と、その場で話題に上がった人だったよね……?
――確か、その異名は、好んで赤を身に纏う風変わりな技術屋だったはず。
お父様曰く……。
『ソマリアの第一皇子は、とにかく言動が破天荒で、自分の事を魔女に関する研究のスペシャリストだと豪語していてな。
その格好も何もかもが派手で奇抜で、“機械弄り”が趣味だという人間だ。
良くも悪くも、国内外問わず、目立っているが、それで、国に役立つような機械を開発しては、若くして色々とソマリアを発展させてきた経歴の持ち主でもある』
と、そう言っていたけれど……。
そんな優秀な人が、一体、どうして、私のことを……っ?
――私の髪の毛が赤いから、興味を持ったのかな……?
それとも、何か他の理由があったりするんだろうか?
私がそのことを気にしていると、スミスさんの発言を聞いて、私だけじゃなくて、セオドアや、アル、ルーカスさん、それからお兄様も凄くビックリした様子だった。
「……あの、ソマリアの第一皇子、ノエル殿下は、一体、どうして私に……?」
「オイ……っ、それだけか? 他に、ソマリアの第一皇子が、アリスについて何かを言っていたりは……っ!?」
「いや……っ、その他のことについては、特に何も仰られてなどはいませんでしたよ……っ」
そうして、私以上に、ウィリアムお兄様が、ソマリアの皇子について問いかけてくれるよう、スミスさんに向かって出してくれた言葉を聞いて、スミスさんが、ソマリアの皇子は、特にそれ以上のことは何も話をしていなかったと言ったことで、この話は、どこまでも消化不良のまま有耶無耶に終わってしまった。
それから、宮廷伯の面々と別れた私は、そのあと、私の誕生日を祝うために駆けつけてくれた、オリヴィアやナディアといった友人達に会ったり、久しぶりに再会したエヴァンズ侯爵夫人と談笑をしたりと……。
恙なく、自身の誕生日パーティーを終えて、皇宮にある自室に戻ったあと、セオドアと、アルと、ウィリアムお兄様と、そしてパーティー後も、私達と久しぶりに会ったことで、まだまだ喋り足らないからと、ルーカスさんも一緒に、みんなで楽しく話をしようと私から誘って、ホッと一息をつくように、ソファーに座ろうとしたところで、お父様の執事でもあるハーロックが、アンティーク調の扉をノックしてきた上で……。
「ウィリアム殿下、アリスお嬢様……っ、パーティーでお疲れのところ、大変申し訳ないのですが、ルーカス殿や、アルフレッド様、そしてお嬢様の騎士でもあるセオドアさんも含めて、陛下が緊急の用事があるので、どうしても、このタイミングで、陛下の執務室に来てほしいとお呼びでして……!」
と、お父様からの伝言を伝えに来てくれたことで、私達は休憩する間もなく、お兄様達と一緒に、急ぎお父様のところへと向かうことにした。
そうして、皇宮で働く官僚達の間を通り過ぎ、執務室の扉を開けた先で、どこまでも真剣な表情を浮かべたお父様の口から……。
「突然、呼び出してすまない。ソマリア国からの友情の証としての要請でな……。
アリス、お前に留学の話が来ているのだが……っ、出来れば、お前には国内にいてほしいと思っていたものの、そういう訳にもいかなくなってしまってな。
先方が、どうしてもお前であってほしいと強い要望を出してきたことで、これから、ソマリアに行ってくれないか?」
と、そう言われたことで、私は、先ほどのパーティー会場で、ソマリアのことはスミスさんから聞いたばかりだったし、まさかとも思えるような突然の打診に、あまりにもビックリして、目を見開いてしまった。