422 ファッションショーでの大事件
あれから、準備も大分進み……。
ジェルメールのスタッフさん達が、総動員で頑張ってくれたお陰もあって、何とか衣装も、あとは、コルセットを残すのみとなり、大分、余裕を持たせて、ファッションショーに間に合うように、完成させることが出来た。
コルセットも、殆ど出来上がっているんだけど。
時間がまだあるということで、微調整として、修繕が終わった衣装に合わせながら、細かいところの装飾まで、丁寧に、作り込んでくれるみたい。
特に、元々の衣装による、私のドレスの背面を彩るように、レースで作っていた『椿の花』をイメージしていたものは、無駄になってしまったけど。
無事だったレースの部分を使って、コルセットの下側にレースを付けることで、子供の私に合わせて、大人っぽくなりすぎずに、柔らかくて、可愛らしい雰囲気も出してくれていて……。
これは、これで『凄く素敵だな』と、思ったのと同時に……。
やっぱり、全体を見て、どうするのかといった感じのところで、ジェルメールのデザイナーさんの指示が的確で『さすが、プロの手仕事だなぁ……』と、出来上がっていく衣装に、思わず感心してしまった。
ただ、既に、ファッションショーは開催されていて、出番が早い店舗などはもう、本番を終えていたりもするんだろうけど……。
そこから、今回参加している店舗の全てを抑えて、優勝の栄冠を勝ち取るには、本当に狭き門だなぁと思ってしまう。
特に、準備をしている時に、シベルの衣装を偵察しに行ってくれた、ジェルメールのスタッフさんの情報によると……。
今回のファッションショーの衣装として、シベル側は、シベルの持ち味である『ゴシックな雰囲気』はそのままに、異国情緒満載で、大胆なスリット(衣服の裾に、切り込み)が入った、セクシー系のドレスと、メンズの衣装を作っていたみたい。
モデルさんも、それに合わせて、セクシー系の美人な女性モデルを起用していて……、私は、ホッと胸を撫で下ろす。
シベル自体、最近、確かに、ほんの少しだけ、以前よりも、経営が落ち込んでいるらしいのだけど。
それでも、未だに、王都にあるお店の中で、人気も根強くて、今回の優勝候補であることには間違いないみたいだし。
前回の『ファッションショーの覇者』でもあることから、ジェルメールと同等なくらい、他店からも、注目を集めていた。
……ジェルメールの出番は、かなり遅めで、後ろから数えて3番目ほどだったけど。
シベルの出番は、丁度、参加している店舗の中間くらいだったから、シベルのスタッフやデザイナーさんは、もう、ファッションショーの会場へと向かったみたい。
そうこうしている内に、ジェルメールのスタッフさん達の手によって、衣装の上に着る『コルセット』が出来上がったことで、私は、セオドアと一緒に、一度、控え室として用意されているホテルの客室まで戻って、衣装に着替えることにした。
そのあとで……。
今度はまた、準備会場の方へと戻り、自分達が付ける予定になっているアクセサリーを、身につけていく。
といっても『衣装や、花かんむりなどを目立たせたい』ということで、お揃いのピアスとイヤリングを、セオドアと、私で付けさせてもらうことになっているだけなんだけど。
ここも、ジェルメールのデザイナーさんのこだわりで、ルビーを使った『赤色』のピアスとイヤリングに、敢えて、なっていて。
赤を持っている私達を、モデルとして起用してくれたことで……。
セオドアの衣装と同じで、デザイナーさん曰く、いつまでも赤を持っている人への偏見は良くないという思いを込めてくれたんだとか。
私達が、ステージに上がることで……。
『世間に蔑まれる色から、憧れられる格好いい色へ』
というのが、デザイナーさんの裏テーマになってるみたい。
私の、椿をモチーフにしてくれていた背面の花がなくなってしまって……。
そういった意味では、当初、考えてくれていた、ほんのりと『赤を匂わせたい』という、セオドアとのお揃いの部分が一つ減ってしまっていたけれど。
こういうところでも、統一感を持たせてくれるのは、客観的に見ても、凄く有り難いなと思う。
ただ、私の衣装は白だから、何にでも基本的に合わせられるし、セオドアの衣装にも『赤が入っている』こともあって、アクセサリーを付けた時に、差し色として赤が入ることは、そんなに可笑しくはないんだけど。
今までにない挑戦ということで、果たして『これが、観客の人に、受け入れてもらえるだろうか?』という不安な気持ちは否めなくて、どうしても、ドキドキとしてきてしまう。
因みに、セオドアとの、このお揃いの『イヤリングとピアス』を作ってくれたのは、私がデビュタントの時にお世話になったジュエリーデザイナーさんだ。
今回の話を、ジェルメールのデザイナーさんが持っていってくれたところ。
『皇女様が、ファッションショーのモデルになるのなら喜んで引き受けますし、協力させてください!』と、二つ返事で、そう言ってくれたみたい。
ここ最近は、あまり会うことがなかったけど。
あれから、王都の土地を借りて、自分で『商売が出来るくらい』には、お店を盛り返すことが出来たみたいで……。
お店も、年齢層が高めの夫人も含めて、貴族の令嬢達を中心に、もの凄く、繁盛しているんだとか。
『それもこれも、全ては、皇女様が僕のことを見つけてくれて、デビュタントという大舞台で、起用してくれたお陰です……っ!』
と、感謝の気持ちを伝えてほしいと、わざわざ、ジェルメールのデザイナーさんに、言付けてくれたらしい。
ここのところ、私自身も忙しくて、あまり、ジュエリーデザイナーさんの方を気にかけることが出来ていなかったんだけど。
――彼の近況を、思いのほか、こういった場面で知ることが出来たのは、嬉しいかも。
特に、ずっと、スラムで燻りながらも、自分の腕を磨いてきた人だから……。
世間から、きちんと評価されて、またお店を取り戻し、自分の力を遺憾なく発揮することが出来ているのなら、本当に良かったなと思う。
そうして、髪の毛のセットもして、メイクもして、衣装も着替え終わって、アクセサリーもつけて、全ての準備が、丁度終わった頃……。
「……大変だ、アリスっ! ファッションショーで、大事件が起きてしまったっ!」
と、既に、開催されているファッションショーの様子を、偵察がてら『見に行ってくる』と言ってくれて……。
先に、準備会場から出ていったアルとエリスが、息を切らしながら、慌てた様子で戻ってきて、私は、セオドアと、ローラと、ジェルメールのデザイナーさんと顔を見合わせたあとで、首を横に傾げた。
「落ち着いて、アル……っ。そんなに慌てて、一体、どうしたの……?」
そのあと、キョトンとしながら、大事件が起きてしまったと言わんばかりに、顔面蒼白になっているエリスと、難しい表情を浮かべたアルに視線を戻すと。
『アリス様、それが……っ!』と、声を出してくれながら、エリスが、アルの言葉を補足するように、続けて……。
「実は、シベルとは、衣装が被っていないから大丈夫だとっ、私達も、今の今まで思っていたんですけど。
ファッションショーの本番になって、ステージの上に出てきたシベルのモデルが行った演出が、ジェルメールのしようとしている演出と、酷似していたんですっ!
シベルの女性モデルは、日傘を片手に持って出て、男性モデルの方が、花束を持って出て、女性モデルにプレゼントをするような形で……。
更に言うなら、女性モデルの方は、日傘を男性モデルに預けていて……っ!」
と、今さっき、自分が目撃したことを正確に伝えようとしてくれたのか……。
逸る気持ちを何とか抑えながらも、興奮した様子で、そう声に出してきて、私は思わず、目を瞬かせてしまった。
シベルが、ステージの上で、衣装を目立たせるために見せる演出を、どんなものにするのかということも……。
小物の部分にも、一切、注目していなかったから、初めて聞く『その演出の内容』に、確かに、ジェルメールがしようとしている演出と、被ってしまっていたことに、ビックリしてしまう。
そうして……。
『まぁ……っ、それは本当なんですのっ!?』と、思わずといった感じで、私と同様に、驚きに目を見開いたデザイナーさんの口から、問いただすような言葉が降ってくると……。
「うむ……、そうなのだっ!
女性モデルの方が、男を侍らせているような雰囲気があって、終始、妖艶な感じで、持っていた日傘を預けるというようなものではあったが、演出として、かなり、似通っていることは否めないだろうな……っ。
衣装の雰囲気も、モデルが纏っている空気感も、柔らかくて穏やかなジェルメールとは全く違うが、会場は、その演出に、大盛り上がりだった……っ!」
と、そのまま、ずっと、難しい表情を浮かべていたアルから、言葉が返ってくる。
【そんな……っ、!】
――ファッションショーの順番が、まさか、こんな形で、アダになってしまうだなんて……。
出番自体は、抽選で決められたものであり……。
変えることは決して出来ないから、衣装のデザインが似通った雰囲気のものだったり、演出で、事前に取り決めていたものに関しては、ステージに出る順番として『早い者勝ちになる』ということが分かっていても、まさか、よりにもよって、演出の部分で、シベルと被ってしまうだなんて思いもしていなかった。
その情報を聞いて、愕然としてしまった『私に釣られるよう』にして、ジェルメールのスタッフさん達の間でも、動揺が広がり……。
特に、新人のスタッフであるクララさんに至っては、顔面蒼白になって、ぎゅっと、自分の手のひらを握りしめ、ガクガクと、その場で震えてしまっていた。
そのことに、私が違和感を感じるよりも先に……。
「みんな、落ち着いてっ!
シベルの小物は、日傘と、花束だったんですのよね……っ?
幸いにも、私達の小物は、花かんむりに、ブーケだわ……!
そこに、大きな違いがあるし、みんなで、精一杯、作った衣装だって、シベルのものとは全然違うわよねっ!?
当初の予定とは変わったものの、皇女様に頂いたアイディアも含めて、今の自分達の中で最高のものが出来たと、本当に、誇ってもいいくらいよっ!
多少、シベルと演出が被ったからといって、何も、怯える必要はないわ~!」
と……。
僅かに、響めきが巻き起こり、不安な気持ちが広がっていく中で……。
デザイナーさんが、みんなの士気を上げるように、力強く、励ましの言葉をかけてくれたことにより、私達も、ホッと胸を撫で下ろす。
【デザイナーさんの言う通りだ……】
被ってしまったものはもう仕方がないから、そこから、どういう風にすればいいのかを、精一杯、考えた方が『よほど、建設的』だと、私も思う。
「皇女様、騎士様、ステージの上で、既に、会場で出ている演出と、似通ったものをするのも勇気がいるかもしれませんが、どうか、最後の瞬間まで、私共のために力を貸して下さいませ……っ!」
そうして、改めて、デザイナーさんから頭を下げられたことで、私は、セオドアと顔を見合わせたあと、こくりと、デザイナーさんやスタッフさん達の方を向いて、しっかりと頷き返した。
「はい、勿論です。
……私では、微力かもしれませんけど、精一杯、頑張りますねっ!」
不安な気持ちを押し殺して、前を向き、にこにこと笑顔を浮かべて、そう伝えると、デザイナーさんも、ホッとしたような表情を見せてくれる。
そんな中で……。
新人スタッフのクララさんだけが、私達の方を見ながら、戸惑いつつも、何か言いたげな雰囲気をしているのが見えて、私は首を傾げたあと『クララさん……?』と、声をかける。
何か、言いたいことがあったのかな、と思って、彼女のことを呼んでみたら、その瞬間、弾けるように顔を上げた彼女は、私から、不自然に、そっと目を逸らしたあと。
『あ、っ……いえ、なんでも、ないんです……。……精一杯、頑張らなくちゃ、いけませんよね』と、力なく声を出してくる。
その言葉に、びっくりしながらも、とうとう、きっと『疑いたくない』と思いながらも、デザイナーさんの側近の一人でもある古参スタッフの、カレンさんが口を開き……。
「あの……、ヴァイオレットさん、ファッションショー本番前に、こんなことは言いたくないんですけど。
やっぱり、こうしてみると、一連の事件として、シベル側が、デザイン画を盗んだのが、濃厚なんじゃないかと思うんですが……。
だって、私達が作った、ファッションショーのデザイン画には、覚え書きのような形で、当日に、花かんむりを使うことと、ブーケを使うことは記載してましたし。
演出として、ステージの上で、皇女様と騎士様が、それを交換するというのも書いていたはずですよね?
たまたま、シベルと偶然、被ることになったとは、私には、どうしても思えないんですけど」
と、控えめながらも……。
クララさんの姿を視界に捉えつつ、ジェルメールのデザイナーさんに意見するように、そう言っているのが聞こえてきて、私は、思わず、クララさんとカレンさんの両方に、交互に、視線をむけてしまった。
私自身、デザイン画に『覚え書き』のような形で、それらのことが書いてあったというのは知らなかったけど。
もしも、それが本当なら、衣装のデザインは『似せたもの』にしないまでも、演出については、ジェルメールのアイディアを、シベルが盗んだという可能性も出てくるのだろううか……?
その言葉に、ジェルメールのデザイナーさんも、考え込んだように思わず黙り込んでしまった。
「……えぇ。……残念だけど、確かに、その可能性は、あり得なくもはないわね」
そうして、言葉を選ぶようにして、ほんの少し間があったあとで、デザイナーさんがそう口にすると、みんな、その言葉を聞いて、どこまでも渋い表情を浮かべていく。
そうして、再び、みんなからの注目が集まってしまったクララさんは……。
それらのことを、直ぐに、否定も肯定もせずに、俯くように伏し目がちになり、ただ、時が過ぎるのを待つかの如く、黙り込んでしまった。
【自分がやっていないなら、今、この場で、否定をしてくれれば、それで収まると思うんだけど。
彼女が否定も肯定もしないのには、やっぱり理由があるんだろうか……?】
さっきまで、衣装を直してくれていた時には、本当に『一生懸命になって、修繕をしてくれていた』と思っていたから、彼女が犯人ではないだろうと、感じたりもしていたんだけど、違うのかな……。
何も言わなくなってしまったクララさんに、痺れを切らすかのように、カレンさんが……。
「もしも、関わっていないまでも、今までシベルにいたことで、何かを知っているのなら教えて欲しい」
と、言いかけたところで……。
「でもね……、みんなは、疑っているかもしれないけど。
私は、どうしても、腑に落ちないというか……。
勿論、クララのことは、従業員である以上に、私の大切な仲間だと思っているし、そういう意味で、信じているってこともあるんだけど。
シベルのデザイナーであるクロエが、そのようなことに手を出すとは、思えないのよね。
……クロエとは長い付き合いだけど、お互いに切磋琢磨して、王都の街で成り上がって、お店を有名にしていったという、良きライバルだから。
クロエの性格も、私自身が、きっと、誰よりも理解しているつもりよ」
と、デザイナーさんの口から降ってきた、思いがけない一言に、私は驚いて目を瞬かせてしまった。
その口ぶりは、シベルのデザイナーであるクロエさんのことを、認めているようなもので……。
「古参の子達ほど、理解しているはずだけど。
ジェルメールよりも早く、シベルの方が、王都で有名なお店になってしまったのに、それでも、シベルとは、ずっと、ライバル関係だったのよね。
……それは、クロエが、ジェルメールをライバル視して、インタビューなどで、お店が取り上げられる度に、何かと、私達のことを話題に出してくれたから……、そのお陰でもあるのよ。
自分が持っていない才能や、独自の、アーティスティックなデザイン性を持っているからこそ、反発しあうけど、その腕については、焦がれるものがあるってことも、私自身が、理解しているし。
そういう意味で、私とクロエは、正反対の性格をしていて水と油だけど、お互いの腕については、誰よりも、自分達が一番認め合っているわ~!
さっきも、クロエが、私のところに来て、完膚なきまでに叩きのめしてこそ意味があると言っていたように、裏でこそこそと、そのようなことをして、汚い手を使って、優勝を目指すような人間じゃない。
私もそうだけど、クロエも、プライドの塊だから。……根本的に、負けず嫌いなのよね……っ」
そうして、苦笑するように、続けざまに言われた、その言葉に……。
顔を見合わせていると、言葉の応酬なども凄くて、バチバチと喧嘩をし合っているようにしか見えなかったけど。
シベルのデザイナーさんと、ジェルメールのデザイナーさんは、本当に、お互いを高めあうことが出来る『良きライバル関係』なんだなぁと思ってしまった。
お互いに、お互いの腕を認め合っているからこそ『負けたくない』という強い気持ちが出てきてしまうのだろう。
……その上で、デザイナーさんが、力説するように、こう言っているっていうことは、シベルのデザイナーさんは、正々堂々としていて、そんなことをしない人なんだろうなということも、私でも、理解することが出来た。
そういった意味では、さっき、シベルのデザイナーさんが、ジェルメールに宣戦布告をしに来た時の行動や発言にも、適合性が感じられるし、違和感などもないように思う。
「……でも……っ」
それから、ほんの少しだけ、まだ納得がいってなさそうに、言い募ろうとしたカレンさんに。
ジェルメールのデザイナーさんが、カレンさんと、未だ、顔面蒼白のまま、俯いて、黙り込んでしまったままの、クララさんを見つめながらも……。
「とりあえず、今は、本番を、無事に終えることが大事よねっ?
話は、ゆっくりと落ち着いて、私達の出番が終わってから、することにしましょう」
と、にこりと、柔らかな笑みを浮かべて、そう言ったのが聞こえてきた。
確かに、ここに来て、クララさんの様子が、目に見えて『何か言いたげだけど、言えない』といった感じで、黙ってしまったことで、シベルが、余計に疑わしく見えてしまっているけれど。
――今回の事件に、他の店舗が関与している可能性だって、まだ、否定は出来ないことだし……。
今は、ファッションショーの方に、集中した方が良いだろう。
ここまで『一生懸命、準備をしてくれていた』折角の、スタッフさん達の努力を無駄にしたくはないし、私は、セオドアと一緒に、頑張ることしか出来ないから……。
ただ……。
ずっと、黙り込んでしまったまま……。
ここに来て、落ち込んだ雰囲気を隠しきれないようなクララさんの様子に、どうしても、不信感が拭えなくて、みんなが『疑いの目』を向けてしまうのも、仕方のないことのように思えてしまう。
私自身も、スタッフさん達も、疑いたくて、そうしている訳じゃなくて、彼女のことを、信じたいという気持ちがあるからこそ、余計に……。
ジェルメールのデザイナーさんも、こう言ってくれていることだし。
もしも、シベルのデザイナーさんが『今回の事件に、関わっていない』と思えるほど、信頼のおける人なのだとしたら、事情を話して、相談してみるのも有りなのかもしれない。
もしかしたら、今回のファッションショーに参加している『他の店舗の情報』などを知っている場合だってあるし、私達では、気付けないことに気付いて、教えてくれるかも。
シベルのことや、クララさんのことだけじゃなく、いよいよ、モデルとして、ステージの上に立って、ファッションショーを成功させられるかどうかなども含めて……。
『責任重大だ……』と、プレッシャーを感じつつ、ほんの少しのモヤモヤを抱えながらも、私達は、全ての準備を終えて、みんなで会場へと向かうことにした。