なぜこんなにも現実じみているの〜⁉︎
会社やお店が立ち並ぶ、私の知る世界となんら変わらない風景。しかし、よく見ると鳥のように見えていたそれは、箒に乗った魔女らしき人間や妖精だった。周りにあった店の看板には魔道具らしきものが書いてあったり、歩いてる人の中には不思議な格好をした人が混じっている。2次元というにはあまりに現実じみているし,現実というには妙なものが多い。さしずめ2,5次元というところだろうか?そんなことを考えていると足元が光り出し,私の意識は途切れたーー。
「お目覚めですか?新任社長。」
その声で私は今までのことを思い出した。
空を飛ぶ妖精や魔女,しかし私の知っている世界にしか見えない景色ーー。
ハッとして、声のした方を向く。
「あの、神子社長?みーこーしゃーちょー?」
「あ、すいません…ここはどこなんですか?」
「ああ、そうですね。社長は違う世界から連れてこられたのですか。ここは貴方のいた世界と貴方たちに造られた世界の狭間にある世界、桃源郷です。貴方を呼び出したのは、社長にふさわしい条件にあった人だったからです。」
いやいや。私、神代 神子は凄い名前のわりにひどい生活を送っていた。二十代になってもたまーにバイトしてそれ以外はニート生活送ってたような人なんですけど、絶対ふさわしくなんてないです。と、いうか私は責任というものが一番嫌いなのだ。この世界ではすごいのかも知れないけれど、どちらにしろやりたくない。
「責任が嫌い」の前まで話すと、そんなはずはないですよ。取り敢えず貴方の能力を見て見ましょうか。
「あのっ?能力ってなんなんですか?いやっちょっと⁈先に説明を…」なすすべもなく
私秘書だという春さんに能力を見るための部屋に連れていかれたのだった。