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キライ
嫌いという言葉を
キライになれたらいいのに
綺麗な言葉で
彩れたらいいのに
「それでいいの」
そう君は小さく笑んで
こんなにも醜くて醜い土壌で
見えにくい場所で立ち続ける
君という花が美しくて
濁った自己満足で 足を引っ張りあって
点数をつける優劣に一喜一憂
でも、電子データでしょ?
光って消えて、カタチも無い
消えたらそれで足跡もない
跡形も無い、そして誰もいない
シニカルに笑うリアルに
その一瞬の泡立つような感情音階 奏でながら
その後で何が残るの?
嫌いという言葉を
キライになれたらいいのに
綺麗な言葉で
彩れたらいいのに
「それでいいの」
そう君は小さく笑んで
カタチが消えても
ワダチに残る
アカシが一等星でなくても
アケボシを見上げて
キライになりきれない感情音階
「それでいいの」
そう君は小さく笑んで