僕は貴女なんて嫌いです。
ヤンデレの彼サイドです。
なんなんですか、貴女。気安く話しかけないで下さい。僕は忙しいんです。貴女のような世間知らずのお嬢様が暮らすための税金を納めるのに苦労してるんですよ、分かりますか。分かったならさっさと離れてください。迷惑だって言っているでしょう。そんなことも分からないんですか。疲れているって? ええそうですけど貴女に何の関係が? 大体、精神的に疲れているのは貴女のせいです。いい加減どこかへ行って下さい。うっとおしいんですよ。
また来たんですか? 邪魔だと言っているんですよ。は? 差し入れ? 馬鹿なことをしないで下さい。贔屓にされると噂が立って困るんですよ。それともなんですか、僕の邪魔をして遊んでるんですか? そうでないなら来ないで下さい。そういったものは受け取りませんから。
また貴女ですか。ちょっと、座り込まないで下さい。立つのが疲れるなら帰ればいいじゃないですか。休日? 年中休日の貴女と違って僕は暇じゃないんですよ。いい加減にしてください、貴女自分の身分を分かっていますか? こんなところで門番と話し込んでいたらあらぬ噂が流れるんです。心配? 貴女の心配を僕がいつしましたか? そんな噂のせいで僕の仕事がなくなっては困るんです。二度と話しかけないで下さい。
はぁ……話しかけるなとは言いましたが、無言で隣に立たれると気味が悪いです。することがないなら来ないで下さい。は? 用があれば来て良いなんて言ってませんよ。それに用なんてないでしょう。毎日毎日なんなんですか? 貴族のお嬢様方の間で気に入らない門番への嫌がらせでも流行っているんですか? そうじゃないならなんなんですか? 来ないで下さいよ。
どうしてこんな大雨の日にまで来るんですか……。傘? そんなもの要りませんよ。ちょっと、要らないですってば。ああもう、それでは貴女が濡れますよ。……だから、心配しているのは貴女に風邪を引かせたというとばっちりを受ける事に関してであってですね、貴女の事なんてどうでもいいどころか嫌いなんですよ! 本当にいい加減にしてください! 濡れて帰って困るのは貴女の使用人もでしょう! 自分だけの責任で済まないのに勝手な行動を取りたがる貴族のお嬢様なんて大嫌いです!
ああ、大声を出して悪かったですね。何もないですよ、そろそろ交代でしたか? え? ああ、あの人はきっと僕達みたいな下々の人間をからかいたいんですよ。本当に頭にきます。はぁ? 楽しそうに見えるなんて貴方の目は腐っているんじゃないですか? むきになんてなってないです! ……まあ、確かに言いすぎたかもしれないですけど、どう言っても来るのを止めてくれないですから。
お疲れ様です……。え、ああ……そりゃ仕事終わったら疲れて元気なんて出るわけないですよ。……なんであの人が出てくるんですか? 違います。来ないのが普通なんですよ。やっといつも通りに戻れてせいせいします! ……なんですかその目は。だから気にしてませんって! 確かに、もしかして僕の言葉で傷つけたかもしれないことについてはほんの少し、極々少し謝りたい気はしてますけど嫌いなのは本当ですし……大体僕なんかの言葉を貴族のお嬢様が気にするわけがないのであって……っとにかく、こちらから会えないんですから考えるだけ無駄です。会いたくなんてないですから!
あ! いや、その……来なくなって喜んでいたのになんでまた来るんですか、うっとおしい。風邪引いていた? なんだそうだったんですか……いえ、なんでもありません。それより、雨に濡れただけで風邪を引くようならこんな埃っぽいところに来ないほうが良いですよ。僕の邪魔をする必要もないです。……それは……今の時間の利用者が少ないだけで、仕事中に話し込んで良いわけがありません! だから、差し入れは困りますって……全員分? 量の問題では……は? 捨てる? 無駄にしないで下さい! 分かりました貰いますから! ……本当に物好きですね。僕達で暇潰しをするのは止めていただきたいのですが。は? 僕だけ? 余計に止めてください。迷惑なんですよ。……はい、さようなら。
また差し入れですか? え、ああ昨日は皆さん喜んでましたよ。僕? え、まあ美味し……いこともなかったですよ別に普通です。食べれればそれでいいんですから。好きなもの? 特にないですよ。嫌いなものも特にないです。僕の好みなんて聞いてどうするっていうんですか? 差し入れに? それは……結構です。差し入れなんて必要ありませんからここに来ないで下さいよ。この時間貴女は他にすることないんですか? 優秀ですることが終わっているなんて自慢ですか。いいですか、迷惑なので来ないで下さい。差し入れも要りません、さようなら。
何故来るんですか……。人の迷惑を考えないなんて我が侭なんですね。貴女がいるといつもの倍は疲れるんですよ。……だから、僕の好みを貴女に教える気はさらさらありません。帰ってください。本当にうっとおしい方ですね。え? 明日は来れないって、なんで来るのが前提になっているんですか。明後日以降も来ていただかなくて結構です。はいさようなら!
久しぶりって、一日しか空いていませんよ。全く……また差し入れです、か……? あの、これは……は? まあこれは確かに好きですけど……何故……ああ、同僚から聞いたんですか。でもこれはこのあたりにはないですよね? ……それで昨日? …………貴女本当に暇なんですね。からかわれて不快なんですけど。これは……まあ、そこまで言うなら貰ってあげても良いですけど。……何笑っているんですか。これっきりですからね! はい、さようなら。
え、どうしたんですかその格好は。転んだ? ほら、早く洗わないと! ああもう、仕事を増やさないで下さいよ。どうして転んだりなんかしたんですか、どんくさいなら一人で出歩かないで下さい。人とぶつかった? こんなところに忍んで来るからですよ! 危ないじゃないですか! ……何笑っているんですか、傷が残ったりしたら結婚にも差し障るでしょう! なんでそこで黙るんですか。貴族の方はそろそろ結婚する年齢でしょう? そういう方はいないんですか。は? 恋人をこんな下町に行かせる人がいたなら素っ晴らしい方だと思っただけです。そんな貴族は居ないようで安心しました。なんで僕が喜ばなきゃいけないんですか。仕事を増やされてどちらかというと不機嫌です。歩けるならさっさと帰ってください。はい、また。
……なんですか。僕の機嫌が良かったとしてそれで何か問題でも? なんであの人が出てくるんですか……。は? 産まれたときにはもう許婚がいる? ……なんでそれを僕に言うんですか。僕はあの人が邪魔でうっとおしくて迷惑で嫌いなんです! からかわれているだけなんて僕が一番分かってますから心配されることは何もないんですよ!
ああ、やっぱり来るんですね。邪魔です帰ってください。僕は貴女と話していたくないんですよ。それとも貴族様として話し相手になれと命令しますか? 怒ってないです。怒ってなんていませんからさっさと居なくなって二度と僕の前に現れないで下さい! さようなら!
……許婚がいるのにこんなところで平民をからかって楽しいんですか? 随分と高尚な趣味をお持ちですね。…………え? いない、んですか? でも……そう聞いて……は? 協力してもらった? どういう意味です? ………………なんですか、可愛いって。僕は可愛くなんてありませんから! 貴女最低です! 僕のことをからかって……え? 何を……馬鹿なことを。流石に冗談にしては酷いですよ。だからその、あの……本気なんですか? 本当に? …………赤くなってなんていません! ああもう可愛くなんてないですから! ……返事といわれても……ぼ、僕もその……………………………………何笑ってるんですか! 貴女なんて嫌いです。大っ嫌いです!
…………はい、また……明日。
短編にしてみると展開早いですけど、満足!
続く、かも?
感想等お待ちしております。