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第4話

にじファンと違って、なろうでやっていくのは大変です(汗)

閲覧数もやっぱり、上がらないし…。


やっぱりオリジナルはきついですね。

……とか言いながら頑張っています。


そういえば今日、全統模試がありました。

高1にしてあの英文を読めとは…何ということ…。

テストの疲れもあって、文章適当かもしれません;

 第3ゲートラウンジでは、すでにボストンからの学生が慎を待っていた。15~20歳くらいの少年が大半。だが、女子生徒も数人いるし、誰かの兄弟だろうか、小学生くらいの子どもも見える。

 何人かは本を読んでいるが、手にした大型の端末で調べ物をしている者が多い。あれは、前世紀に流行ったタブレット型PCだろうか。久しぶりに目にする。


 慎は、一つ咳払いをした。



「ようこそ、トウキョウへ!俺が、都知事をしている前田慎だ。これから、よろしく」



 後ろから近づいた彼が声をかけると、皆いっせいに振り向き、口々に挨拶を述べた。それぞれの顔には、希望と安堵が窺える。



「こんにちは!」

「こちらこそ、よろしく!」


 流暢な日本語だ。



「みんな、こっちの言葉が喋れるんだな」


 慎は、少し感心して湯口に言った。


「当たり前です。今や日本語は、平和と学問を求める者たちの共通語となっていますから。日本にいらっしゃるのは、エリートばかりですし」


 相変わらず、湯口の口調に変化は見られない。だが、口元が小さく上がっているのに慎は気づいた。


「俺が、こいつらのリーダーを勤めてるライアンだ。以後、お見知りおきを」


 2人の前に、体格のいい金髪の少年がずいっ、と進み出る。全身から感じられる威圧感のとは正反対にに人の良さそうな緑の瞳が、すっと細くなり微笑みを浮かべた。背の高い彼に圧倒されながらも、慎は友好の握手を交わした。


 慎は全員に必要書類を配布した後、翌日までに提出するようにと述べ、



「それじゃあ、皆さん。これから都内へご案内しますので、ついて来てください」


 意気揚々と、学生帽を振って歩き出す。

 慎の隣にライアン、そして後ろに学生たちが続く形となった。最後尾には、話し相手のいなくなった湯口がいつも通りの無愛想を引っさげている。



「それにしても、変わった空港だね」


 ライアンがせわしなく眼を動かしながら、慎に話しかけた。


「屋内なのに、木が生えてる。鳥まで飛んでて……すごい。街並みもいいけど、ここもなかなかだ」


「ああ。5年前だったかな、私営に切り替わってから、大規模な改装が行われたんだ。前は国際線もあったけど、戦争が拡大してから国内線だけになっちまった。その分、今はどちらかというとショッピングモールみたいな感じで、市民に親しまれてる。オーナーは、俺の同級生で」


 慎は少し得意げだ。自分たちの街を褒められることほど、嬉しいことは無い。


「そういえば、お前らはどうやって来たんだ?前、そっちから来た学生さんは戦闘機だったよな」



 半独裁政治を行う慎には、こなさなければいけない仕事がたくさんある。それに、昔と同じく、一人の人間が情報と権力の両方を持つのは問題視される。

 そのため、彼と亮二とで組んで、情報収集は亮二が主にこなし、慎がそのあらましを聞いて政策に乗り出したり、行動を起こしたりすることになっているのだ。


 だから、今回の彼らの来日についても、慎は正確なところを把握していない。



「俺たちは旅客機で来たんだ。……ボストンに残ってた、最後の飛行機で。マイクが――あそこで話してるけど、彼の父親が昔パイロットをやってて、だから彼も飛行機の操縦ができる。って言っても新米だから、ひょっとしたら事故でも起きるかもしれないって心配だったけど…」


 ライアンの唇に、小さな笑みが浮かぶ。



「でも、どうせあっちにいたって人権を剥奪されて、自分のやりたいこともできずに、死んでいくんだ。そんなことになるくらいなら、むしろ小さな希望でも構わない、それに命を懸けたいって、みんな思ったから」



 なるほど、と慎は彼の横顔を見つめた。すがすがしい笑顔に、固い決心が現れているように感じる。彼らの考えには、深く共感できるところがあった。

 6年前の日本の若者たちも、命の保障だけがある非戦闘地域ではなく、命の保障よりも将来のある故郷を選んだのだ。





「お前とは、友達になれそうな気がする」


 慎は嬉しそうに言った。同じ考えの者がいてくれるというのはとても心強い。


「…いや、ボストンから来てくれた全員とも。これから、日本で楽しんでってくれな」

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