まだ・・・どうしても、ううん、もう・・・。
少し更新期間が空いてしまい、ごめんなさい。
短編としては、長くなってしまいましが、最後まで読んでいただけると有り難いです!
私は、泣きながら言った。
9か月付き合った彼に。
「・・・元の・・・関係に、戻ろう・・・?」
彼は、私を抱きしめていた手の力を少し強めて、言った。
「俺がいなくなったら、誰が○○を守るの?
俺は、まだ○○を守っていたいよ・・・」
初めて、彼が泣いた瞬間をみた。
でも、私が言ったことを取り消すことはできないと思った。
自分なりに考えて、何度も何度も考えて出した、1つの答え。
もう、戻ることはないと思っていた彼をぎゅっと抱きしめて言った。
「ありがとう、今まで本当にありがとう。
初めて付き合った人が××で良かった」
“恋人”から“親友”になることを決意した私たちは、「またね」と言って別れた。
次の日、××からメールが来た。
>昨日、寝ちゃってごめん。
戻れるなら、今すぐにでも戻りたいよ・・・。
無理なんだろうけどね・・・。
>戻ったら、昨日のことが全部台無しだよ~。
私、今まで親友できたことなかったから、できて嬉しいけどね!
ありがとう。
これからは親友としてよろしくね!
>分かった。
もういいよ。。。
こちらこそ、親友としてよろしくな!
「もういいよ」
その一言が、胸に突き刺さって泣いた。
「自分からフッたのに、あんたが泣くんじゃないの!」
母に、そう怒られた。
自分が、どれだけのことをしたのか改めて実感した。
××がいなくても、大丈夫だって・・・、独りでも平気だって思ってたのに。
そんな感情は、一時のものだった。
別れを切り出してから次の日である今日。
××にもう1度メールを送った。
>もう1度だけ悪あがきをさせて下さい。
許してもらえるのなら、もう1度彼女にして下さい。
どうしても、戻りたいです。
>真面目に言ってるの?
>嘘ついて××を困らせたいと思う?
>もし戻れるのなら、もう1度彼氏にして下さい!
こうして、別れて1日で元の関係に戻った。
バカなカップルだと思う。
いいや、この時はそう思ってた。
それから、数週間経ったある日。
「あなたは、××よりも男子の友達の方に気があると思うよ。
あなたを見ててそう思う。
恋より、友情って感じがする。
中途半端な気持ちが、××を苦しめるし、そんなあなたと付き合ってる××がみじめに思う」
母の一言は、大きく心に響いた。
今、私が本当に一緒にいたいのは・・・。
本当に想ってる人は誰なのか・・・。
考えた末に、1つの答えにたどり着いた。
見つけたくなかった思いも少しはあったが、見つけてたどり着いてしまった自分がいた。
そして、彼に逢った時に告げた。
「私には、やっぱりまだ恋愛は無理だったみたい。
まだ、友情を大切にしたい。
だから、やっぱり・・・。
親友になろう。
最後まで自分勝手で、本当にごめん」
そう言った。
彼は絶対に怒ると思った。
それか、こんな私に呆れると思った。
でも、彼はこう言った。
「もう、本当に俺が○○の彼氏に戻ることはできない?
何をしても、どんなことをしても、○○の気持ちは俺に向かない?
もう・・・、戻れない?」
だから、私は言った。
「戻れない・・・ううん、戻らない。
私がここでまた戻ったら、もっと××を傷つける。
もっと、もっと苦しめる。
だから・・・、もう戻らない」
言った瞬間、涙がこみ上げた。
でも、大泣きするのは××に失礼だと思って、こらえた。
2度も傷つけた、今まで愛した人に・・・。
でも、堪えられなくなった涙が、一筋、頬を伝った。
そんな涙を彼はすくい上げて、私に向かって言った。
「うん、分かった。
○○が思う道を進めばいいよ。
俺は、いつまでも応援するからさ。
ほんとにありがとな」
沢山迷惑かけたのは、私の方なのに。
お礼を言わなければいけないのは、私の方。
そう思うのに、上手く声が出せなかった。
そんな、うつむいていた私の前に、右手が差し出された。
少し顔をあげた私に彼は言った。
「握手してくれる・・・?
親友としてのけじめをつけたいんだ」
そう言われた瞬間、私の中の抱えていた何かが、吹き飛んだ気がした。
私は、彼の手を握って、彼の顔を見た。
「こちらこそ、今までほんとにありがとう。
そして、よろしくね親友さん」
彼が好きになってくれた笑顔で、彼に向き合った。
彼も同じように、私が好きになった優しい笑顔で向き合ってくれた。
彼との恋物語は、ここで終幕。
でも、お互いのことを「親友」として大切に思う気持ちは、続いている。
もしかしたら、お互いが幸せになることを信じてる、「信友」かもしれない。
そして、私達は別々の恋物語を作っていく。
恋をする相手も、デートコースも、何もかもが違う。
しかし、「しんゆう」としての絆があるのも、初めて恋をした相手だというのも、紛れもない事実なのは確かである。
事実を心に残し、私達は個々の道へと歩んで行く。
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
感想等も、お待ちしております。