エピローグ 暖かい日々
この星は本当に美しい。
ツクヨミは懐かしそうに地球を眺めていた。
それはアマテラスが愛した男が生きている星だからか。
それとも、
この星を浄化した娘の心が美しいからか。
それはきっとアマテラスである彼女自身も解らないだろう。
例えば100年後の世界が汚れてしまっていたとしてもこの瞬間の美しさは永遠だとおもう。
人間と神との間に生まれた子供。
あの子はこれからもずっと自分の母親の存在を知らずに生きていくだろう。
ツクヨミとスサノウは肩を並べて地球を見下ろした。
その視界の先にいたのは幸せそうに微笑む憂とその傍らで優しく見守っている稀吹のすがた。
「これが、姉さんの望んだ世界なんだよね。」
スサノウはツクヨミに笑いかけた。
「あぁ。」
「僕もいつか姉さんのように誰かの幸せを願える、そんな強いヤツになるよ。」
100年に一度浄化されるのは地球だけじゃない。
スサノウも一緒に代替わりされる。
先代の記憶を授かりながら。
だから、スサノウはいつの世でも幼い。
「僕も君のように人生をやり直すことが出来たなら良かった。」
月の都が消滅しても僕は消えない。なにもない場所に1人残される。
それは何度経験しても寂しい事だった。
でも、いま寂しいと思えないのは、僕が始めて気に入った人間たちが、幸せでいると思えたからだろうか。
100年後にはまた地球は浄化される。
憂や稀吹がいる星ではなくなってしまう。
だけどきっと僕はあの2人を見て過ごした暖かい16年間を忘れはしないだろう。
神話?だと思われます。実際の神話とは少し違うんで、信じないで下さい。フィクションなんで…。




