プロローグ
久しぶりに一人称に挑戦した結果です。最初はともかく、後半はまともになってくると思いますので、できれば最後までお付き合いいただければ幸いです。
今、俺のいる世界は『本当の世界』なのだろうか。それとも、誰かが意図的に作った『偽物の世界』なのだろうか。この世界は、何のために創られた世界なのだろう。
いつからか、そんなことを考えるようになった。自分でもよく分からない。けれど、これはきっと重要なこと。俺の知ったことか。そうやって思考を投げ出すのは簡単だけど、投げ出してしまえば俺は運命に沿うだけのただの“人形”になってしまう。
ひょっとしたらその方が幸せなのかも知れない。でも、そんな世界はつまらないだろう?
俺は何を観て、彼女はどんな“世界”を――
俺は、何のために生まれた?
俺は、何だ?
俺の“世界”はあまりに残酷だった。そんな現実のせいで、俺はこんなひねくれた性格になったのだろう。
夢から覚めたくない、現実に戻りたくない。そう願っても、無理矢理に引き戻されてしまう。まるで、家出した子供のように。
俺の現実は、誰とも変わらない、朝から始まる。毎日ずっと、同じ日が続いているように俺は同じ時間に起きて、同じ時間に寝る。実際にはもちろん同じ日が続いてるわけではない。でも、俺の中ではずっと時は止まったままだ。
やっぱ、この世界って思い通りにいかないよなぁ。