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伝染都市アジュール  作者: 六波羅朱雀
覚醒の日
26/35

25.人探し

 

「おはよう」


 朝起きるとすでにアリシアが起きていた。


「おはよう。朝が早いのだな」


「まあな。昔は早くから起きて剣の稽古をしていたから」

 

「そうか。レオンは?」

 

「まだ寝ているようだ。まあ、怪我もしているしな」

 

「……起こすか?」

 

「そうだな。そろそろここを出ないと」


 私はレオンの寝ているところまで行って、「起きろ!」と叫ぶ。

 

「うおおおおおおおお! なんだなんだなんだぁっ」


 大声で叫ばれた。馬鹿かこいつは、声に反応してバケモノが来たらどうするんだ、まったく。

 

「って、お前かよ。……ったく、ちったあ丁寧に起こせよな」

 

「だったら自分で起きろよな」

 

「……悪魔め」

 

「それは強そうで何より」

 

「くそっ、皮肉が通じねえ……」


 顔を歪めるレオンだが、対してアリシアは笑っている。

 

「……っふ」

 

「あんだよアリシア」


 レオンが不服そうに言う。

 

「いや、お前たちはいつもそうなのか」

 

「そうなのか、というと?」


 私が聞き返すと、

 

「なんというか、お姉さんと弟みたいだ」

 

「んなっ、こんな姉貴いらねえよ」

 

「私だってこんな弟はごめんだ」

 

「「むー」」


 二人で睨みあっていると、

「はは、本当に面白い。さ、ご飯を食べよう」

 とアリシアが携帯食を出してくる。ありがたい。アリシアがいると新鮮な空気が流れる。

 

「「食べる」」

 

「やっぱり、息ぴったりじゃないか」

 

      *



 ご飯を食べ終えると、外へ出て散策を始めた。いつバケモノに出会うか分からないから、荷物は全て持っていくことにした。

 

「サクラとはどこではぐれたんだ?」

 

「街の方だ。確か、役所と書かれた建物だった」

 

「役所、か」

 

「そーいや、バケモノってアリシア達の祖先が一体倒してるから、あとはアレックスともう一体だけだな」

 

「ああ。そうだな」

 

「ん? もっと多いと聞いているが?」


 アリシアが首をかしげて問い返す。人形のような仕草だった。

 

「私が一体倒した。それから、レオンが仲間内で殺しあって一体が死ぬのを見ている」

 

「倒した?」


 アリシアがまじまじと目を開いて私を見た。

 

「銃で、だがな」

 

「倒せるのなら、安心だ」


 そうして一時間。周りに注意しながら探し回ったが、サクラも、サクラがいた痕跡も見つからなかった。枯れた草木や、爛々と輝く太陽光しかない。

 

「どうする」


 そう聞くが、アリシアからの返事は返ってこない。横を見ると彼女が遠くを見つめていた。

 

「大丈夫だ。生きている」


 そう言って彼女の肩に手を添えた、その時。ヒュウッ!と遠くで音がした。見上げれば、東の空に赤い煙が見える。

 

 「あれはっ」とアリシアが驚愕の表情を見せる。

 

「あれは、居場所を仲間に知らせるためにあげる煙だ。私の故郷ではよく使う」


 と、いうことは。

 

「あそこに、サクラがいる」


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