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道化の世界探索記  作者: 黒石廉
第1部 2章 捜索任務
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これまでのあらすじ II

 ある夏の昼近くです。

 西の市場の露店の近くに、泣きべそをかきながら下を向いている、一人の女の子がいました。

 女の子の名前はミカといって、元はとあるパーティーのメンバーでしたが、今朝、スリにあって全財産を失い、その日の暮らしにも困るくらい、あわれな身分になっているのです。

 するとどこからやって来たか、突然彼女の前でかがんだ、背の高い青年があります。それが朝の光を浴びて、大きな影を落とすと、じっとミカの顔を見ながら、

 「どうしたんすか?」と、挙動不審なそぶりで声をかけました。

 「お財布すられちゃった……装備買うときにお金なくて、他の子も足りないからって……なんにもできないからごめんねって置いていかれた」

 青年の尋ね方が急でしたから、ミカはさすがに目をあげて、思わず正直に吐露してしまいました。


 生活費と装備の費用を貸してもらったミカは、背の高い青年が所属するパーティーの一員となって、小柄な自称暗黒騎士とくたびれたおじさんとともに貧乏暮らしをはじめました。その貧乏を一々かいていては、いつになってもこのあらすじがおしまいにならない位です。

 貧乏ですから仕事をしなくてはなりません。彼らはゴブリン退治を受けることにしました。

 しかしいくら退治するといっても、これまで現代日本で蚊ぐらい殺したことのないパーティーの面子です。ゴブリンに出会っても怯み、最初はまともに戦うことすらできません。

 すると背の高い青年が、

 「作戦会議が必要だ」と言い出すではありませんか。

 ミカをはじめとしたパーティーメンバーはもっともだと思って、会議をしました。

 会議のおかげもあって、ゴブリン相手に調子よく戦うことができましたが、いかんせん経験の浅いパーティーです。背の高い青年に矢がプスプスと刺さっていきます。それだけでも辛いのに、ゴブリンもまた生物で巣の掃討は虐殺を意味することを知ってしまいます。生きるためには殺るか殺られるか、そのことを思い知らされたパーティーは苦悩しながらも仕事をきっちりと片付けました。


 ミカは死地をともにする中で背の高い青年を憎からず思うようになります。背の高い青年は空気も読めず、バカなことばかり言っているが案外気遣いのできる男のようでした。ミカとリア充爆発しろと願い続けていた背の高い青年は青春を謳歌しているようです。リア充爆発しろ。

 とはいえ、やはり彼らは裕福ではありません。

 次の仕事を探した時に見つけたのは、ミカの元同僚が護衛していた人物の捜索依頼でした。


主な登場人物

シカタ 主人公。童帝。たわしを1日1個つくりだせる。静電気で握手相手をいじめることができる。間合いに明るいという技能がなければただのでくのぼう。剣が高くて買えないので現在の装備は斧。ハーレムを夢見ていたが、交際相手ができると舞い上がって他の女性が見えなくなる純情童帝の極み。ちゃっかりリア充になったのではやく爆発しろ。


ミカ 立てばエゾリス、座ればジリス、戦う姿は走るぬりかべ。乙女ロード育ちでカップリング妄想が趣味。吊り橋効果か呪いか空気の読めない童帝とデートし始めた。怪力という当たりスキルを引いているせいで、パーティー一番の力持ち。


チュウジ 中2病。童帝。人の精気を吸い取るスキルをもっているが空気は読むスキルはない。必殺技の名前は夜必死に考えたもので、トイレで一人台詞の練習をした。


サゴ 胃痛持ちっぽく見えるおじさん。強力な胃酸ブレスで色々溶かす。つまらないダジャレを言わないと多分死ぬ。だからどんなに無視されても彼はダジャレを放ち続ける。

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