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裁判傍聴で見てきた人々

作者: bureteru

私は、おとなしい子だった。

小さい頃は、人見知りでした。

一生懸命に声を出していたと思ったのですが、全然出ていません。

母は、そんな私に、いつも怒っていました。


明るくなりなさい。ニコニコしなさい。いろいろと、言われました。

母は、お前を見ていると、イライラする。

そう話して、会話が終わっていました


そして私は、親の顔を伺う子供になりました。

親の顔色を見て、行動を決めていました。

母は、いつも怒っていました。

母を笑顔にすることは、出来ませんでした 


初恋は、小学校3年生の頃でした。

友達のお兄さんが、優しくしてくれました。

遊びに行くと、いつもにこやかに、話しかけてくれていました 


一緒に、人生ゲームとトランプで遊んでくれました。

その時は、少し積極的で、笑顔も自然に出ていたと思います。


高校の時に、はじめての彼氏ができました。

気持ちは、浮かれており、いつもドキドキしていました 

彼と一緒にいると、とても楽しい気持ちになりました。

ふわふわとした気持ちで、毎日を過ごしていました。

しかし、その恋愛は、6ヶ月ほどで終わってしまいました。

彼氏の浮気が、原因です。 


彼が、近くの喫茶店で、別の女性と会っていたのを見た。

友達が、そう言ったのです。

でもその時は、本気にしませんでした。

親戚の人か、家族に間違いないと、思っていました。 


友達と、カラオケに行きました。

そこで、私の知らない女性と一緒に歩いている彼を、見かけました。 


咄嗟にその人は誰ですか?

そう言って彼に、声をかけたのです。

しかし、彼はこちらを見て、わたしの事を知らないふりをしました。


それから、ごめん、今は忙しいと言われて、去っていきました

とてもショックを受けました。

その出来事を、家に帰ってから、母に話しました。

母は、あなたは特別でない、ただの友達の一人だったんだよ

そう言いました。 


わたしは、胸がイライラしました。気持が悪くなりました。

頭がはっきりして、気持ち悪くなって、ショックを受けた状態で、数ヶ月をすごしました。

それから学生時代は、彼氏を作らないで過ごしました。


彼に出会ったのは、社会人になってからです。

今回は、彼とうまくいく。大丈夫。

そう思うのですが、心はいつも不安でした。

私を好きでいてくれるんだろうか?

その言葉が、頭をよぎってきます。

彼氏が泊まりに来て、お風呂に入っていました。 


ピロリン。彼の携帯に、着信音がなりました。

その時に、魔がさしてしまったのでしょか?

彼の携帯を覗いてしまったのです。

わたしの知らない人から、彼の携帯にラインが来ていました。


また会おうよ。こないだは、楽しかったよ。そう書かれていました。

まるで、恋人同士のようにやり取りでした。

わたしは、不安にさいなまれました。 53


彼が、お風呂から上がった後で、問い詰めました。

けれど彼は、ただの友達だよ。気にしないで。勝手に携帯を見ないで。そう言いました。

私がいるときにラインが来たのには、理由があるのでしょうか?

彼のいう通りに、本当にただの友達なんでしょうか?


そんな事は無い。浮気している。されていたら、私に勝ち目はない。

どうしよう。そうだ脅せばいい。相手を脅迫しよう。脅迫状を書いて、送りつければいい。

彼と別れたくない気持ちが、ものすごく膨らみ、目の前が暗くなり、ものすごい怒りの衝動が、湧いてきました。


ただ、脅迫は悪いことだ。やってはいけないことだ。という気持ちも、確かにあったのです。

本当に、やってもいいのか?大丈夫なんだろうか?心が色んな不安で揺れました。

でも、私には、彼しかいません。怒りに任せ、手紙を書いたのは、覚えています。

彼の携帯に、浮気調査アプリを入れ、ファイルに入れて隠しました。


位置情報から、彼の行く場所を調べて、相手の女性の場所を突き止めました。

何度も彼は、その女性のところに、いっていたのです。裏切られていたのです。

私は、やっぱりという気持ちと、彼を奪おうとする彼女に、激しい怒りを、持ちました。そして、その女性に、脅迫状を、出すことを決めました。


ただ、その封筒出すときに、とても手が、震えていたのを覚えています。

それからなのですが、別れ話を切り出されることもなく、彼と、普通に、仲良く過ごせました。位置情報アプリを見ても、それから、彼女の所には、いっていませんでした。


おそらく、脅迫した手紙が、効いたんだろう。そう思うと、嬉しくなりました。

しかし、半年後、くらいでしょうか?彼にまた、別の女性の影が、ちらつき始めたのです。

前回の、脅迫成功という、成功体験のせいでしょうか?再び私は、現れた女性に、脅迫状を送りました。しかし、今回は、彼は戻っては来なかったのです。


別れ話を切り出され、嫌がっても、何をしても、彼は、私から去ってったのです。

本来は、ここで、気持ちを、切り替えるべきだったのでしょう。そうすれば、あんな結末には、ならなかったのに。


私は、彼も憎くてたまらなくなりました。彼にも、そして、その相手の女性にも、脅迫状を、送るようになりました。セミの死骸を送ったり、無言電話している時、私は、暗く、そして、ほのかな、喜びを、感じていました。


別れてから、数ヶ月が、経った時でしょうか。

朝、家を出ようとすると、警察に、声をかけられました。私が出した、手紙を見せられ、これ、あなたが出したのですか?と聞かれ、はい。と答えたのを覚えています。


それからは、時間が、あっという間に、過ぎました。警察に、取り調べられ、すべての事情を話し、元カレに謝り、女性に謝罪し、脅迫状を送った、皆に、謝りました。


ただ、もちろん、それだけでは、すみませんでした。会社は、クビになり、示談金を支払って、もう二度と、被害者の方には近づかない。そう、話し合いで、決まりました。示談金は2百万でした。当然のように、そんなお金は、ありません。母に借りました。


どうして、私は、こうなってしまったのでしょう。今でも、悪い夢を、見ていたとしか、思えません。今は、なんとか、バイトをしながら、母にお金を返していっています。

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