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63女史のソロ生活(2)  ダイニングカフェ

自転車であちこち行くと、車を運転している時には気付かない発見がある。


「あっ、こんな所にアンティークの家具屋が」

とか、

「へぇ~ お洒落な雑貨を置いてる店か」

と。


そして、大発見!!

「隠れ家のようなダイニングカフェ!!」


「さてさて如何なるところか?」


見たところ、普通、否、古いボロ家だけれど、それが、却って良い雰囲気を醸し出している。


「昭和レトロ!!」


自転車を停め、足を踏み入れてみると、中はなかなかの賑わい。

「知っている人は知っている」

すぐ近くだったのに、私はこんな店があることを知らなかった。


ふと、店の前の看板に書かれた


「生ビールあります」


の文字が目に飛び込んできた。


私は自転車だ。

「自転車を置きに帰ろう」

大急ぎで出直し、窓辺のカウンター席をゲット!!


そして、生中を注文。


「2年半ぶりの生ビール」


前に生ビールを飲んだのはコロナ前。


久々に手にする生ビール。

キンキンに冷えたグラスを口に運び、一口。


「沁みる……」


生ビールならではの優しさ、まろやかさ、軽さ、そして、濃く。

料理も一品、一品シェフのこだわりの料理。

涙が……


一口、一口噛みしめ、味わう。

すると、グラスは空に。

「生中、もう一杯お願いします」

「生中、もう一杯」

私の体はこんなにも生ビールを欲していた。


結局、3杯で留めたが、飲み放題なら何杯飲んでいたことやら。

「こんなことなら、生大にしておけば、良かった」

「よし、次は」

と、酔ったまま帰宅。


近くに生ビールがあるって心強い。





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