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インターミッション 3.5

策謀

某選帝候領参謀部情報局の定時報告通信より抜粋


”・・・予て注意喚起されていた通り、マリーエンより不可解な機密通信量の増加を確認しました。内容解読までは至りませんでしたが、状況証拠よりマリーエンブルク領星系内各地の防御衛星から”幻獣”が大量に送られた可能性があります。

少し前には彼らの手の者と思しきエージェントの、我が星系内での活発な活動も認められていました。

マリーエンブルクで何らかの変事があったのは間違いありません。

当方のエージェントからは、彼らが極秘開発していた新兵器に関するものであった可能性が強く示唆されています。

詳細な追跡調査の実施を推奨します。”


「・・・とまあ、こう言う報告なんだけど君はどう思う?」

「マリーエンブルクか・・・。あそこは昔から変わった研究が好きだった」

「変わった研究と言えば、やはりスーパー戦士がらみかな」

「我が領でも進めてはいるが、マリーエンブルクにはやはり一日の長がある」

「しかし”幻獣”を出すとは、よっぽど切羽詰まってるんだろうな」

「こっそりとやるつもりだろうが、そうと判れば捕捉追跡は可能だ」

「そうなると、あの噂の信憑性が増してくるな」

「例の新兵器が逃げたってやつか?」

「当時はありえん話だと思ったが・・・。案外、的を射ていたのかもな」

「で、連中はどこを探しているんだ?」

「どうやらロスト・コロニーらしい」

「それもまた変わった場所だな。で、どこのロスト・コロニーだ?」

「それはまだ判らん。有人コロニーらしいが特定出来てない」

「またやっかいな事だな。有人ロスト・コロニーは各選帝候領すべての星系中に散らばってるぞ」


・・・ 

”星系統一帝国”時代になっても、ロスト・コロニーの法的地位は”保護研究エリア”として星系間の中立地帯に指定され、建前上は各星系領主の支配領域外とされていた。

星系抗争期後期に締結された”ヴェストファリア星系条約”により、各星系領所属艦船は、コロニー惑星の静止軌道内への立ち入りが原則禁止されている。

研究観察は静止軌道上の監視用人工衛星を通して行われ、コロニー惑星内への基地や拠点の設置は禁じられた。

学術研究上からどうしても惑星地表での探査が必要な場合は、例外的に”幻獣”すなわち”獣型地表探査用生体アンドロイド”を時空転移を利用して送り込み、短時間のデータ収集活動のみが認められる。

現地の生態系や先住人類種に極力影響を与えないとの配慮からであった。

星系間中立地帯であるため、コロニー惑星周辺宙域は各星系領防衛システムの稼働対象外宙域に設定されている。

たとえロスト・コロニーが他領の星系内にあっても、上記のアクセス条件を守る限りにおいて、各星系領主領の研究機関は相互に時空移動を利用し各星系内のロスト・コロニーを調査することが認められていた。

現在マリーエンブルグ領のノエル達が行っているロスト・コロニー探査も、表向きは学術研究活動との体裁を取っている。


・・・

「では、我々はどうする?」

「当然奴らを見張る」

「例の新兵器を見つけたら?」

「当然我らがいただく」

「ロスト・コロニーは中立地だ。派手に動けば後が面倒ではないか?」

「こそこそやるのは性に合わん。欲しい物は手段を問わず手に入れる。それが我が領の流儀だ」

「君だけの流儀のような気がするが・・・。まあ特に反対はしない」

「見つかったなら、第3アヴァタール・レギオンを出そう。精鋭だ」

「指揮官はリー大佐、あだ名は”ビースト”か。彼のアンドロイド殺しの英雄だっけ」

「適役だろ?地上戦では彼の部隊に勝る戦闘集団はいない」

「成功すれば、他の星系領との均衡を一気に覆すことができるかもな」

「まあ、結果を御覧じろと言うことで。ご期待あれ」


・・・

こうして舞台は新たな登場人物を迎え、ギルがいるロスト・コロニー惑星”ロスロリエン”に、ローエンの里とドリュアード達に新たな危機が迫る。

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