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インターミッション 1.5

低学年児童のための歴史「選帝候の登場と帝国の成立」


昔々、記録がないほど昔のお話です。人類誕生の最初の頃、人々はたった一つの星に住んでいました。

その後だんだんと人は増えましたが、星は大きくなったりはしません。

それで人々は限られた資源を巡って互いに争うようになりました。

・・・すなわち戦争です。

人々が争ってる間も人は増え続けますが、他方限られた資源は減る一方です。

このままだとみんな共倒れになってしまうと思った一部の人々は、自分たちの星の外に目を向け始めました。


多くの野心ある人たちが、自分たちの星から広い宇宙へと旅立っていきました。

今から5000年ぐらい前の出来事です。

この時期を「新世紀第1期-惑星開拓時代」と呼びます。

最初は母星近くの惑星開発から始まり、開拓された惑星は母星の人たちの植民地となりました。

新しい植民地惑星には資源がたくさんあります。

人々はお金持ちになりました。

もう母星での争いは必要ありません。


宇宙の資源を集め貯まったお金を使って、遠い星系まで移動する新しい技術を開発した人々は、植民地惑星からさらに遠くの星系に向かって散らばって行きました。

そしていつしか新しい星系に移住して増えた人々は、更にたくさんの資源を集め新しい技術を次々と生み出し、母星に残った人々より力をつけてずっと豊かになりました。

今から2500年ぐらい前までの出来事です。

「新世紀第2期ー星系大航海時代」と呼びます。


自分たちより裕福になった星系移住者のことが面白くない母星の人々は、星系移住者達に色んな難癖をつけ、おまえ達の富をよこせと要求しました。

星系移住者達と母星の人々との仲はとても悪くなり、ついに両者の間で戦争が始まりました。

この戦争を「植民地星系解放戦争」と呼びます。

初めの内は戦争が上手な母星の人々が優勢でしたが、資源をたくさん持っていて新しい技術も開発していた星系移住者達がだんだんと盛り返し、ついには母星の人々を破って降参させました。

母星の人々は他の星系に対する権限をすべて失って没落し、星系移住者達は母星から独立してその指導者たちはそれぞれの星系の領主になりました。

およそ100あまりの星系領主達が自立し、広大な宇宙に割拠する時代の始まりです。

すると今度はこれらの星系領主の間で、資源や縄張りを巡って争いが起こるようになりました。

今から1500年ぐらい前の出来事で、「新世紀第3期ー星系抗争時代」と呼びます。


星系間の抗争は長く続き、群雄割拠していた星系領主達は滅びたり他と合流したりとしましたが、最終的に特に有力な、先の解放戦争で活躍した大領主を盟主とする大きな5つの勢力に収斂しゅうれんされました。

この大領主たちの争いはこうちゃくし、今度はなかなか決着がつきません。

だんだんと、みんながこの争いにくたびれて来ました。

そこで5人の大領主達はある時に会盟し、それぞれの争いは一旦脇に置き、話し合いですべての星系領域を統一する「星系統一帝国」の成立を宣言したのです。

今から700年ぐらい前の出来事です。ここから「新世紀第4期」が始まります。

これ以降すべての星系で「帝国統一歴」と「帝国公用語」が使われるようになりました。

これこそが、私たちが今現在生活している時代になります。


帝国の最高権威である「帝国皇帝」は5つの大領主家の中から選挙で選ばれることになりました。

それで5つの大領主当主のことを「帝国選帝候」と呼ぶようになりました。

しかし帝国皇帝自身は領星も領民も軍隊も持ちません。星系を実際に統治しているのは5名の選帝候だからです。

「帝国皇帝」は星系統一の象徴めいよしょくとして、星系間の調停者として常にいずれかの選帝候領にあり、現在はとても名誉のある地位とされています。

このようにして現在の私たちの世界は、帝国皇帝の権威と5人の帝国選帝候の統治という新しい秩序のもと、星系人類文明の発展と平和が保たれているのです。

星系統一帝国万歳!(了)

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