表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/18

インターミッション 5.5

暗躍


ドラコ大公領情報局緊急連絡より抜粋


”・・・マリーエンブルク領に新たな動きがあります。惑星研究探査艇の出発準備が急ピッチで進められています。また帝国科学アカデミーに対してはロスト・コロニー惑星”ロスロリエン”での調査研究実施予定が通知されました。

これまでのマリーエンブルク領衛星通信の解析結果でも、ロスロリエンへの幻獣派遣回数の増加があったと確認されてます。

我が領の惑星周回軌道衛星による全地表部走査により、つい先程ロスロリエン赤道附近にある大森林の一角に、時空の裂け目発生の痕跡を感知しました。

マリーエンブルク領がその周辺で何かを発見し、探査艇を派遣することなったと思われます。

痕跡のあった場所から数キロ程内陸部に入った地点に、半径10キロ四方を円で囲むように濃い霧が覆うエリアがありますが、衛星軌道上からの走査ではその内部を全く確認することが出来ませんでした。・・・”


「とまあ、これが最新の情報だ」

話を切り出した参謀部情報局長ハルコネン少将。

「まさか、ロスロリエンだとはな。灯台下暗しとはこの事だ。我らがお膝元ではないか」

応じる同じく参謀部作戦局長ウルク少将。

「あそこの文明レベルは前近代だ。軍事的には火薬も使用されておらず、未だに剣や槍、弓が武器の主流だ。だから長いこと脅威なしとして放置されて来たんだが・・・」とハルコネン。

「それで新兵器が潜んでいる場所の目星は?」

尋ねるウルクにハルコネンが応える。

「報告にあった走査不可視エリアが怪しい。アレはいつまでも裂け目附近に留まってはいまい」

「それでその新兵器の個体識別は可能なのか?」

更にウルクが問いを重ねる。

「エージェントがマリーエンブルクから、そいつの識別情報を盗み出すのに成功した。何でも仲のよいお友達がいるそうでね。すでに個体識別データベースに登録済みなので、次は見ただけで判別出来るだろう。外見的特徴はこんな感じだ」

ハルコネンが識別番号10号機とされる姿形をスクリーンに映した。

「何とまだ子供じゃないか・・・。こんな子供を生体兵器に仕立てるなんて、マリーエンブルクも随分と趣味が悪い」

ウルクが舌打ちする。

「まだ培養の途中だったみたいだな。十分生育する前に逃げ出されたと」

「性能は不明なのか?」

ウルクの問いに、一切データがないとの答え。

「如何に新兵器と言えども、そんな場所でたった1体だけじゃ出来ることは限られる。リーなら難なく捕獲するだろう」とウルク。

「リー大佐と第3アヴァタール・レギオンは?」

「マリーエンブルクとの境界領域で演習中だ。いつでもすぐ任務に取り掛かれる」

尋ねるハルコネンに太鼓判を押すウルク。

「分かった。リー大佐に情報と諸元データを転送する。あとはお願いする」

「おまかせあれ」自信たっぷりな態度で応じるウルクだった。


ウルク少将は提供された情報を元に、作戦局の幕僚達と詳細な作戦計画を策定し、リー大佐に命令文書として送付した。

(そうさな・・・作戦名は”花嫁の略奪”にしよう。我ながら洒落が効いた良い名だ・・・。

そしてあとは・・・作戦完了の報告を受けるだけだな)

ウルク少将の頭の中では、この新兵器回収作戦は既に完了していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ