第1話 灰色の少年
「子供は親を選べない」とはよく言った物だ。
俺、白銀正光は親の遺伝のせいで小さい頃から不当な扱いを受けて来た。
母はアルビノなのか、肌から毛まで真っ白だ。
そして父は髪の毛も瞳も真っ黒だ。
そんな両親の間に生まれた俺は灰色の髪の毛と灰色の瞳をしていた。
普通なら茶髪になる所、何故か灰色だったから教師からも染めていると疑われ、不良からもよく絡まれた。
しかし、親に感謝していることもある。
何故か生まれつき体が強く、喧嘩に負けたことがない。更に怪我をしても他の人より早く治ってしまうのだ。
最近は体が益々頑丈になったせいか、全く怪我もしなくなった。
「ありがとう、正光くん!」
「ん?あー、いいよこれくらい」
学校帰りに同じクラスのオタクくんが不良に絡まれてる所を助けた所だ。
「じゃ、また明日な!また不良に絡まれんなよ」
「ありがとー!また明日ねー!」
そんなこんなで別れを告げるとお互いに手を振り、別々に帰った。
「ただいまー」
「おかえりなさーい」
「おかえり」
母がご飯を作り、父がリビングでテレビを見ていた。
外にまでカレーの匂いが漂う。
俺は階段を上がり、自分の部屋へ入った。
制服から部屋着に着替えていると、家のチャイムが鳴った。
「はーい!」
こんな時間に誰かしらと、呟きながら母が扉を開ける。
俺は部屋の窓から覗いた。
そこには見知らぬ男が2人いたが、どう見ても普通の人ではない。
2人ともスーツを着てサングラスをかけたガタイの良い男だった。
「ヤクザか?」
そんな事を呟いた瞬間、下から母の悲鳴が聞こえた。
驚いていると下から父が駆け上がって来た。
「正光!!これを!!」
顔を真っ青にした父に渡されたのは綺麗な玉だった。
母の悲鳴と謎の玉、頭の理解が追い付かずにパニックになっていた。
すると、下から見知らぬ男が上がって来た。
「いたいた、大人しくしてろよ」
そう言い、男がニヤけると手から氷が出て来た。
「氷?!」
俺が驚いたのと同時に手に持っていた玉が割れて光り出した。
「チッ」
僅かに聞こえた男の舌打ち。
その瞬間俺は光に包まれ、目の前が真っ白になった。
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「大丈夫か?!おい!」
遠くから聞こえて来る声が何度も呼びかけてくる。
気付くと周りもザワザワ声がして来た。
「ここは?!」
はっと目を開けるとそこは見知らぬ場所だった。
「お前血ついてるけど平気か?!どこか怪我してないか?!」
血?どこも痛くないと思ったが、すぐに理解した。
これは自分の血では無く、父親の血だ。
「大丈夫だよ」
そう言いながら顔を上げると、心配そうな顔で話しかけて来る男の子の顔を見た。
その額には第3の目があった。
水曜日です。
以前から構想していた物語ですが、国語力がないので今まで自分の中でしまっていました。
初めての小説にチャレンジしたいと思い、今回書かせていただきました。
不慣れなところもあり、読みづらい所があるかも知れませんが、温かい目で見守ってください。
よろしくお願いします。