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第五話 イトコの叔父と叔母 子が呪われた可哀そうな夫婦。


 俺は物置小屋から長コタツを二台だし、よくバラエティー番組で田舎の大家族が集まった時に見る様な感じで長コタツ三台を縦列びに設置する。


 ついでに他のテーブルにもガスコンロや鍋にコップと これから来る叔父さん達の夕食の準備もして、二姉も台所で三咲の料理の手伝いをしていた。


 そして親父、一姉、とし兄はツマミを口にしては酒をかっ喰らう...


 

 そこへチャイムが鳴った



 三咲と二姉は台所で火を使って出られないので俺が...どうせ《叔父さん達》だろうし勝手に入って来るだろうからホッといた。



「「おお~~~い!?出迎え無しか~~い!!」」



 唐突に襖が開くと同時に《まもる叔父オジさん》と《宇実うみ叔母オバさん》がツッコミながら入って来た。


「申し訳ないのワッチは今油を使っておるえ...」

「御免なさい 衛叔父さん、宇実叔母さん...」



「や~いいのよw三咲ちゃんと二葉ちゃんには、いつもお料理任せちゃってるし。それに比べて...」



 謝る三咲と二姉に愛想よく笑いかける宇実叔母さんは振り返るとコチラをジロリとめつけ、親父達はフイッと明後日の方向に視線を逸らす。


 流石 母さんの妹の宇実叔母さん。遺伝子レベルで親父に恐怖を叩き込めるのは、もうこの世でアンタしかいないよ!!


 そして一姉も体の半分が親父細胞で出来てる為か、宇実叔母さんには頭が上がらない...

 

 せめてバファリンみたいに もう半分は優しさで出来て欲しかったなぁ...



 まっ俺は一応保身には走っとこうかな?だってお年玉あるじゃん?


「いや、俺も準備とかしてたからね」


「ふぅ~ん まぁいいけどね...それで三咲ちゃん、ウチで採れた野菜なんかを大量に持って来たから使ってね! アト三咲ちゃんに家庭菜園用の種なんかも持って来たわよ!!」


「おぉそれは有難いどす、宇海叔母さん いつも助かりまするえ~」



 何かオバサンが二人いるなとか思っていたら衛叔父さんが声をかけてきた。


「それで しずお君、今娘達が車から野菜の入った箱下ろしてるから手伝って来て貰えるかな?僕ちょっと腰やっちゃって...」


「ガッテン承知之助 お年玉の為に頑張るマン!」


「そこはハッキリ言うんだね...」


 

 早速 衛叔父さんの依頼を直ちに遂行ーーー


「ハハっ頑張ってェ~~」 ガツンッッ!!!


 とし兄の頭に鉄拳を落とした。



「アイタ、えぇ~しずお~何するの~...」


「ウルセェッつーか少しは手伝えっこの無職がっ!! ほら早く行けっ神田家 家訓 はやき働くこと 中卒の如く!!」


「えぇ~、そんな武田信玄みたいな家訓あった~~?」


 そういって首を傾げながら とし兄を外の手伝いへと出て行かせた。



 ....そこへ、


「えっとしお君 NASAしごと辞めちゃったの!? っ何で??...ああ~~勿体ない。」


 そんな項垂れる衛叔父さんとは対照的に、宇実叔母さんは まるでエモノを定めた一姉の様に急に眼を光輝かせていた。



 ~んが、その理由の前にまず自己紹介。



 俺の母の妹でもあり 三児の娘を持つ、


千代田ちよだ 宇実うみ》叔母さんは、五年前まで環境省で働く職員だった。


 しかし宇実叔母さんの父...つまりは俺の母方の爺さんになる訳だが、その爺さんが体を壊し 千年続いた農家を廃業しようとしていた所に、公務員をヤメて宇実叔母さんが農家の後を継いだのだ。



 そしてソノ旦那である《千代田 まもる叔父さん》も かつては国立大学 医学部の教授を務め、


 アノ『白○巨塔』の様に病院内では衛叔父さんが先頭に立って その後ろを准教授以下何十人がつらなって歩く...


 んなこたぁないw くて、〔衛教授オハヨッス〕と若い医師達にガンガン前を追い越されてたくらいナメられ....いや好かれていた。



 そんな病院内の医者、患者、そして外からも医師として人としても超慕われ、[神ゴッドハンドの衛]とか[仏ホトケの衛]などと呼ばれていたが、


 最終的には『ホトケゴッドハンド』などと衛叔父さんの影も形もなくなり、そのうち衛叔父さん本人も病院ウチにそんな人いるんだ~なんて言っていた。



 だが五年前にアッサリとその教授職を捨て、宇実叔母さんと供に田舎へ越して農業を手伝う傍ら、小さな診療所を経営しているのだが、そんな二人の悩みの種と言えば三人の娘である。



 別にソノ娘達がどうと言う訳ではないのだが、娘が嫁げば結局また千代田家の農家跡継ぎ問題が勃発するからである。



 からの~~とし兄 無職!!



 宇実叔母さんが眼を光らせた理由である。



「ダメだっダメだっダメだ~!?とし兄は俺が仕込んで大工の跡継ぎにするからっ!!大体アイツは農家むいてねぇよっ」


 絶対に渡しません。とし兄は俺が自由になる為の切符ですから...



「なら しずおがウチに来て農業なさい。どうせ他にやる事もないでしょ!」


 オオウッ!?宇実叔母さん何ブッコンでんの?まさかの矛先がコチラに来るとは...



「ホラどうすんの?男ならスパッと決めなさい!!


    『YESか? ・ 農家ノウカ?』」



「そりゃノ...って一択じゃねぇかっっ!?」



「「ちっ言質を取り損ねたかっ」」



 宇実叔母さんと衛叔父さんが悪そうな顔して舌打ちをする...


 まさかまさかの緑に囲まれた自然豊かな田舎暮らしが『ホトケゴッドハンド』をドス黒く塗り替えたらしい。


 きっと【まっくろくろすけ】の仕業に違いない。



「っていうか そもそもアノ三人娘が嫁にいけると思うか?だから跡継ぎも問題ねぇよ、アイツ等に農家を継がせろ!!」



「「うっ.....Σ(゜Д゜ υ)」」



 宇実叔母さんと衛叔父さんが ガックシと膝から崩れ落ちた。



 そうなのだ。ソノ三人娘というのが見た目はまぁ悪くない...が、正直ちょっと頭がオカシイのだ。


 とし兄と一姉が結婚出来ないのは、〔女性に興味がない〕〔勝ち気〕といった単純に性格の問題だが、アノ三人娘は頭のネジが何本かブッ飛んでいる...



「「ふふふ...だからだよ。だからこそ しずお君には千代田家わがやへ来て貰わないとね!イトコ同士は結婚出来るよねっ孫の顔見せてくれるよねっ!!」」


「ぎやあぁぁぁ~~!?ヤメロ~!!!」



 ゾンビの様に俺にヘバリついてくる叔父さんと叔母さんを引き剥がしている所へ、渦中の人物の一人が姿を現す...


 次女の《 のぞむ 》だ。


 ほーい オラ しずのすけだぞぉ?


 よく子供の頃にさわれた虫が大人になってさわれなくなるって聞くけど、


 忖度してさわれなかったり綺麗なお姉さんにさわれなくなったり大人は大変だぞぉ?


 次回 こんなJKは流石にシロでも噛みつく、の一本だぞぉ~みればぁ?

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