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第十六話 んでまた家ん中へ。


 さぁ腹が減ってはナンとやら、飯でも食いながら家族全員で考えた方が良さそうな問題だ。



 そして皆も異論はなく和気あいあいと家へ向かい歩いていくと、二姉がふと口を開く。



「まだ望ちゃんが帰ってないけど?」



          ピクッ



「「「「 ........。」」」」



「俺は豪士だ、よろしくな嬢ちゃん!」

『よ、よろしくれすっ!』

「私は伊玖っアナタの親友よ?」

「今日の料理は腕によりをかけて作ったんじゃから堪能するどす。」

「そ~いやお前の名前はナンてんだ?」



「ちょちょちょっミンナ!? 何シレッと帰ろうとしてるのっまだ望ちゃんが帰って来てないからね!!?」


 

 もういいよ二姉、この状況にみんな許容量超過キャパシティオーバーだよ...それに伊玖が戻って来れるなら望でも余裕で帰って来れるだろうし、帰って来なくとも現地調達が基本のネイキッド サバイバルが得意な望ならまず死ぬ事は無いだろう。


 ただ唯一の懸念としては、ネイキッド サバイバルの行き着く先であるメタルギアを連れ帰ってこないかが心配ではある。それが虫型なら確実に捕獲してくる事だろう...



 んな事を考えてたら何やら遠くから気配を感じた。


 ヒタヒタヒタ.....


「うひひひひぃ~~」


 ヒタヒタヒタヒタヒタ...



 ぎゃああぁ~~っっ!!? ひぐらしも鳴いていないのにナニッ!?この気持ち悪い笑い声と足音はっ?!?


 皆が恐る恐るその声のする方向を見ると、霧の中から袋をぶら下げて近づく望の姿があった。



「良かった望ちゃんっ無事だったのね?」


 二姉が望の帰還を喜ぶが、それ以外の連中はガサゴソいってる望が手にぶら下げる袋に注視する。



「望...せめてものJapaneseジャパニーズ 武士ぃの情けぇ~~だ。火葬か土葬かは選ばせてやる、それを寄越せ。」


 俺が望の持っている袋を取り上げようとすると、チラッと見えた袋の中身には何やらバスケットボールほどの球体があった。


「駄目~~~ナンにもいないわっナンにもいないったら! あっ出て来ちゃ駄目!!」


 望が必死に抵抗する中、袋から見えたバスケットボールほどの球体が形状変化をしてダンゴムシ...いやオオグソクムシ? ...いやっ王蟲の幼虫かっっっ!?!


 それが袋から顔を出しくちからニョロっと出た触手が俺の顔や首に絡みつくと、真っぷたつに割れたアゴから牙を見せて そのまま俺を捕食しようとして来やがった。


「待て待て待て待てっっ 豪兄 助けてくれっ!? コイツを引き剥がしてどっかへやってくれ!!!」


「いやっこのコはナンにも悪い事してない! 殺さないで!!」


「幼少期のナウシカかっテメェはさっきから!! 殺さないではコッチの台詞セリフじゃボケッッ!!!」


 俺と豪兄と望で王蟲を必死に引き剥がそうとするが中々離れねぇッッ



 くそっこれなら猫?を連れて来た伊玖の方が百億万倍マシだぜ! 伊玖をったのがなんか申し訳ねぇよ!!


『あっアレは《マウルゥ》れす。でもナンかオカシイれすね、マウルゥは死肉しか食べないんれすが...』


「しずおが死んで腐った魚の目をしてるからじゃない?」



 よしっ前言撤回!やっぱりアトでぶっ叩く!!

 


 んで助けを求めるように二姉と三咲を見るがこの巨大虫に卒倒して固まっていた。


 くそっこうなったら【アレ】を呼ぶしかねぇ...


 鬼が出るか蛇が出るか一姉が出るかーーー



「大変だ~~凶悪犯罪者が出たぞぉ~~~!!」


 

 俺が大声で叫ぶと、家の中からドドドッと足音を立て玄関のドアを蹴破る寝巻き姿の一姉は即座に拳銃を構える。


 そして俺の持つ王蟲を見るや察した一姉がーーー


「しずおっっっ STAYじっと PUTしてろ !!」


「いやっ王蟲と一姉の対角線上に俺の頭があるんですけどっ俺ごと撃つ気!? 映画とかでは普通 GETかが DOWNとかじゃないのっっ?!?」



 ...鬼が出た。



「くっしずおの頭が邪魔ね、仕方ないっ耳に穴ぐらいなら平気よね!!」



 .....悪魔だった。



「うおぉぉぉ~~豪兄ぃ助けてくれ殺される!?」


 つ~か何でウチに拳銃を持って帰って来てんだよ!! そんな事すんのは両津勘吉か一姉くらいだよ!? 俺はすかさず180度まわり王蟲を引き剥がそうとしてる豪兄の体と位置を入れ替える。


「おい しずおっ!?待ってくれ撃たないでくれ一姉さんっ俺はまだ婚約者せなを残して死ぬ訳にはーーー」



          ピクッ


         〔ガチリ〕



 一姉が撃鉄を起こす。豪兄...それは禁句です。



 そこへ望が一姉に飛び掛かり狙撃を邪魔するーー


「一姉ぇヤメて!!殺さないで~~」


「こら離しなさい望っ私より先に結婚させるわけにはいかないのよ!今 撃たないと!! 」


 いや一姉、狙撃対象が変わってるんですけど...豪兄がマジで震えてるんですけど?



 そんなこんなで互いが撃たれないようにクルクル回る俺と豪兄に撃つ撃たせないでワチャワチャする望と一姉が騒いでいると、その騒音に魔王が目覚めた。



《 うるさーーーーーーーーーいっっっ!!! 》



 王蟲を含めその場の全員がビクッと肩を上げ、王蟲も含めた皆が声のした方を見ると そこには恐ろしい形相の宇海オバさんの御光臨があった。


「ったく!! 農家の普段は早くて忙しいんだからこんな時くらいゆっくり寝させなさいよ!!? しずかに眠ること頭が痛くなる迄が如くよっっっ!!!」



 なにこの神家かんけ 風林火山は?



 まぁいい、確かにこの場を収められるのは宇海オバさんしかいないと思って俺が助けを求めると、宇海オバさんはズカズカやって来て初見の王蟲を気にもせず鷲掴みして無理やり引き剥がすと、大リーグボール2号のように爪先を空高く上げそのままーーー


「虫は草木にでもいなさいっっっ!!!」


 といって、王蟲を庭の植木にブン投げた。



「あぁ~~貞吉さだきちぃ~~~!?!」


 そして望のバカは泣きながら王蟲に駆け寄るがコイツはとりあえずほっとこう。


 ...あと姉妹揃って名前のセンスな。



 んで宇海オバさんに事情を説明して家族全員を起こし居間で緊急家族会議が催される運びとなった。






 

 ハイ しずマ です。


 ほんっとウチのダ女神メがみほどの

ポンコツな女神はいないと思うんですケド...


 どうせ同じダメなら 言い方を少し変えて

ラメェ~な女神だったらどんなに良かったかっ!


今からでも裸女神らめがみでラ女神メェェがみ様と

交換してくれませんかねっっ!!



 次回 超職人大家族っっっ



  この素晴らしい食卓に満腹を!



 日本のヒーローは異世界に喧嘩を売る。


もヨロシクね!!

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