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第十三話 千神家の志ったらありゃしない。


 そんな母親のことを思い出ししんみりする空気の中、


「ねぇ義兄さんも姉さんばっかりに囚われないで そろそろ新しい出会いでもしたら?」


 またまた宇海叔母さんが親父に向かって唐突にブッコんできた


 一見 ふざけている様で宇海叔母さんも親父には母への哀しみを断ち切って別の人を見つけ幸せになって欲しいとの気持ちがあっての事なのだろう。


 ーーーだが出来れば俺の前で そんな事は言って欲しくなかった。



 何故なら俺にとっての母親はたったー人...



 戸田 恵○香しかいない!! いやチョットと待て、石○ さとみも捨てがたいし 新垣 結○もいいな...ムゥ 橋○ 環奈に長澤まさ○でもいい。もう無名のアイドルでも何でも可愛くて美人でスタイル良くて優しければ誰でもいいっっ!!


 ホント妄想膨らむし俺のあそこも膨らむので新しい母親とか言って欲しくないよね? ってバカヤロウ!!


 

 んな事を思っていたら親父も急にブッ飛んだことを言い始めやがった。


「ケッてやんでぃっ 俺ぁ再来年には 他所よその国 行くって決めてるんでぃ!今さら別の女房 持つ気はねぇ!」



     「「「「 はっ?」」」」



 俺に一姉に二姉に三咲の目が点になる



 チョット待てオヤジ! んな話は初めて聞いたぞ? 酔っ払ってイカれちまったのか?


 そうツッコむ前に親父が話を続けるーーー



「恵子はなぁ 本気で世界中の腹を空かせた子供ガキ供を無くそうって思ってやがった...だったら俺がその意思を継がずに誰がやるってんだ。つっても俺ぁメシを作る事は出来ねぇ、だから世界中の家の無ぇ全ての子供ガキ供に家を建ててやんのさ」



 再来年...俺が高校卒業して三咲は高校生か、まぁ確かに親父がいなくてもイケるってか三咲的には【今】いなくなっても家事の負担が減るだけだから その方が助かるか...毎日親父の酒のツマミ作らずに済むし洗濯も飯を作る手間も減るしな。


 ふと三咲の方を見ると目が合った三咲はプイッと明後日の方向を見やった。


 あっ やっぱチョット面倒だったのね?


 つーか親父がそんな事を思ってたなんて全然気づかんかった。どんだけ母ちゃんが好きだったんだよ この じゅんじょうBOYおとこ がっ! 母がいなくなってからは『悲しみが雪のように』積もっていたのかな?


 その愛にハマショー、いやハラショーと言いたい


 ただ チェリ......いや T・BOY の俺としても どっかのお笑い芸人の『ティッ! TTTティティティティーッッ!!』ってネタを見る度に心の傷が雪のように積もっていくんだが.....あれやめてくんねぇかなぁ。


 でも俺は、


 『涙を~人には見せぇ~ずにぃ~~♪』

 


 そんな事思ってたら宇海叔母さんも深い溜め息をつきながら静かに笑った


「考えることは同じね...実は私達も海外に移住しようと思ってたのよ。姉さんの様に飢餓で苦しんでいる地域に行って農業を教えようってね、自給自足が出来れば飢えも貧困も少しは解消されるし私がやれる事はそれだけだから。」


 そんな宇海叔母さんの言葉に衛叔父さんが続ける


「勿論 僕もついて行くさ。そーいった場所では医師も不足してるだろうし、いつかは恵子義姉さんの力になりたいと思ってたんだ。」



 宇海叔母さんと衛叔父さんが決意の表情で皆に向き直るが.....うん、望姉と伊久も初めて聞いたって顔してるね。そーなるよね。



「ハハッだったら僕も力になろうかな?」


 いつの間にか起きてた とし兄が会話に入ってきた


「僕はずっと悩んでたんだ...バイク、車、飛行機と作って次は何をすればいいんだろうって...でも今はっきり分かった、世界の苦しんでる人達の為に農業機械を作ろう! これからの新しい時代は農業だ!!」



 ...うん、熱くなってるトコ悪いケドとし兄...


  それ下町ロケ○トのドラマでやった。


 新しい時代どころか前の平成時代でやったから。



 なんて とりあえず水を差さないで黙って見ていたら今度は道玄叔父さんが口を開いた


「やれやれ、先を越されちゃったわね。実は私も同じ様な事を考えてたわ...こんな時代になっても世界ではまだ生活の困窮や親のいない子供達による児童労働問題が多く存在する。だから私は有志を募って世界中で学校を作ろうと思うの、そして給食を出し 家が無い子達は学校に住み 学業だけじゃなく【歌】や【演技】に【ダンス】と生きる楽しさを知って貰いたいの!」


 この道玄叔父さんの言葉に豪兄と鳴兄は特に驚く様子もなく進んで協力を申し出ていた。


 まぁ二人は成人してるし働いてるから道玄叔父さんが居なくなっても問題は無いのだろう。



 それに比べてウチの一姉と二姉は『未成年の三咲を残してドコ行くオヤジ!!』的な感じで素直に親父の考えに賛同できないんだろうがーーー


 三咲の事は安心しろ!!ちゃんと俺が面倒を.....


  ....【見て貰うぜ】?



 そして とし兄も宇海叔母さん達の力になろうとしてるのを見て少しは見直したのだが、この中でたった一人だけウィルスにしか興味の無い変人はビックリするぐらい無反応だった


 おい 鏡姉、今のアンタ興味が無さすぎて鏡餅みたいな顔になってるよ?


 もっと他にも関心を持って貰いたいものだが、ウィルスに毒された鏡姉の心の扉はいつまで閉ざされるのだろうか? 早く鏡開きして欲しいものである。

 


 んで、この後チョロっと親族会議が行われたのだが結局、皆が世界で困っている人達を助けよう的な感じでその日は終わった。


 なんつーか俺はこの時思ったんだ...母ちゃんの魂はちゃんと皆の心の中で生きてるって...死んでなんかいないって!!




 さぁ皆で世界中の苦しむ人達を助けるんだ!!



 だから安心して家の事は俺に任せろっ!!


     .....ただ三咲は置いてってね?



 てな感じで、神田家と千代田家の大晦日大宴会は宴もたけなわとなり夜は更けていった...



 おろろ~ るろうにしずお でござる。


 まさか親父殿がそこまで母上を愛していたとは

知らなかったでござるな。


 まぁもし母上がその愛を重く感じて別れたいと思っていたのならば、


 拙者の超神速の大工術、飛天ひてんしずお技流ぎりゅう 奥義


 「尼駆あまかけるそうひらめき」にて「駆け込み寺」を作り、


親父殿と離縁させる事も出来たでござるが...



 さて次回の超職人大家族。は


やっと異世界、人生の岐路は頬の十字傷のよう


の一本でござる、次回も期待するでござるよ。

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