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めぐりあい……ド田舎編


 港町で仕入れたパンなどで軽い昼食を摂った後、そのまま馬の歩を進めていると、

「あ、オーティス。見てごらんよ」

シルクが横を指差す。

オーティスが顔を向けると、森の木々の隙間から麓に点在する幾つかの家屋が見えた。

良く言えば風情のある……普通に言えばみすぼらしい木造の小屋だ。


(ま、ますます故郷に似ているな……)

起伏に富んだ地形を崩さないように建てられた家々に小さな田畑。

細いあぜ道に村を流れる小川。

辺境の集落と言ってしまえばそれまでだが、それこそオーティスの原風景でもあった。


「ここまで来ればもうすぐですね。さ、行きましょう」

ディクリスがそう言って、馬を進める。

ところどころ荒れている道が、なだらかな斜面となって弧を描くようにして麓まで延びていた。


(ここに神の御使いと呼ばれる御方達が……)

オーティスは逸る気持ちを抑えるように馬の手綱を引き、ディクリスの後を付いて行く。

緩やかな道を下り、途中で不器用にも程があると言う具合の粗末な橋を渡り、やがて目の前に件の集落が見えて来た。

馬等の家畜の鳴き声に混ざり、子供の笑い声も聞こえて来る。

確かに一見すると寂れた集落に見えるが、どうやらそれなりに住民の数は多いようだ。


そのままオーティス達が道に沿って進んでいると、横合いの細道から三人の少女が現れた。

蔓で編んだ籠を背負った、如何にも村娘と言った身形をした女の子達だ。

一人はホビット系種族で、もう一人はおそらくドワーフの少女。

そして真ん中にいるのが……人間に見えるが、どこか独特の雰囲気を持った薄紅色の髪をした少女だ。

胸の辺りに奇妙な図形を記した布をぶら下げている。

その女の子達は、近付いて来るオーティス達をちょっぴり驚いた顔で見上げていた。


(外からの来訪者が珍しいのかな?)

と、オーティスが思っていると、その不思議な感じがする女の子が突然、

「はやぁ……チンドン屋でしゅ!!」

自分を指差して叫んだ。


チ、チンドンヤ?

初めて聞く言葉だが……何だろう?

気のせいかもしれないけど、どこか侮蔑されているような気が……


「ラーちゃん。チンドンヤってなぁに?」

ホビット系種族であろう小柄な女の子が首を傾げながら尋ねると、人間種らしき不思議な少女は、

「派手な衣装で歩く人でしゅ。博士が絶滅危惧種とか無形文化財とか難しい言葉で言ってたれす」


(派手な衣装って……)

オーティスは視線を落とし、自分の身形を確認しながら苦笑を溢した。

確かに派手だ。

現在の自分は勇者としてフル装備だ。

希少金属に白金と金で彩りした鎧と兜を装着している。

両方とも先代勇者……父の形見だ。

もちろん自分だけではなく、シルクとクバルトも、勇者パーティーの一員としてかなりの装備を身に纏っていた。

普通の服を着ているのはディクリスだけだ。


「はは…」

オーティスは笑いながら馬から下りた。

そして涼しげな笑みを浮かべながら、

「こんにちは」

先ずは気さくに挨拶。


「はやぁ……チンドン屋じゃないれすか?」

少女は首を傾げた。


「ち、違うよ。え~と……僕の名前はオーティス。勇者だよ」


「勇者れすか?」

その少女は更に首を傾げるが、他の二人の少女は大きく口を開け、物凄く驚いた顔をしていた。


「実はとある人を探していて……」


「分かったでしゅ!!」


「……え?」


「その格好……ガチのレイヤーでしゅね?」


「……は?」


「でも、ここにコスプレ会場はないれすよ?」


「え、えと……」

ど、どうしよう?

なんか言葉が全く通じないぞ?


オーティスが少し途方に暮れた顔をシルクとクバルトに向けていると、なにやら陽気な笑い声が響いてきた。

見ると道の向こうから、数人の集団が近付いて来る。


「……」

思わずオーティスは息を飲む。

シルクもクバルト同じく。

更にディクリスまでも。

その集団の中央に、一人の少女……いや、少女と大人の女性との中間ぐらい、オーティスと同じ歳ぐらいの女の子がいた。

身に着けているのは粗末な村娘の衣装ではあるが、妙に気品が漂っている。

言い知れぬ威厳も感じる。

何より、彼女は美しかったのだ。

長く艶やかな黒髪が陽光を反射し、まるで全身が光り輝いているようであった。


「あ、マーヤ様だ」

ドワーフ族の女の子が駆け出した。

ホビットの女の子も。

ただ薄紅色の髪をした少女だけは、ポヤーンとした顔でオーティスを見つめていたが。


マーヤ……

え?もしかしてあの御方が神の御使いのマーヤ様なのか?


「ラピスちゃん」

その少女の声は実に涼やかであった。

耳に心地良く響く。

「あら?そちらの方は……」

ラピスと呼ばれた少女の前に佇むオーティスに、彼女は首を傾げる。

その仕草が凄く可愛い。


「あ、あの…」

声を掛けようとしたオーティスだが、それより早く集団から何人かの、まだ少年の面影を残す若い男達が飛び出した。

そして訝しげな表情で、

「何だお前は?」

「余所者か?」

「スゲェ鎧を着てるぞ」

等と、不躾な視線を投げ付けて来る。

どう贔屓目に見えても歓迎している風には見えない。

軽い敵意すら感じる。


さすがのオーティスも、初対面でこれほどの扱いを受けるのは初めてだ。

カッと胸の中に怒りの感情が湧き起こり、無礼を怒鳴りつけたい気持ちに駆られる。

しかしそれよりも早く、

「勇者オーティス様だ」

シルクが飛び出していた。

同じく巨漢のクバルトも胸を反らし、生意気そうな若い男達を睨むようにして見下ろす。

圧倒的な威圧感だ。


シルクもクバルトも勇者パーティーの一員であり、若いとは言えその実力はかなりの物だ。

村人風情では到底太刀打ち出来ない。

その実力差を本能的に感じ取ったのか、男達は一歩下がる。

その顔にはありありと恐怖の色が浮かんでいた。


や、やり過ぎだよ……

村人を脅しちゃダメじゃないか。


オーティスは心の中で困った顔をしながら一歩前へ出ると、軽く頭下げ、

「初めまして。僕はオーティスと言います。勇者です」


「勇者…さん?」


「はい。失礼ながら、貴方がマーヤさん……神の御使い様ですね?」


「え?え?」

彼女は些か戸惑った顔をしていた。

その顔もまた、凄く可愛い。

そして良く見ると、彼女の胸の辺りにラピスと呼ばれた不思議な少女と同じような奇妙な図形が描かれた布がぶら下がっていた。

神の御使いの紋章だろうか。


「お願いです」

オーティスはもう一度頭を下げた。

「貴方の力を私に……魔王シングを倒す為に、是非ともその力をお貸し下さい!!」


「え?魔王シングって……シ、シングさん!?え、えーーーッ!!」

マーヤが大きな声を上げる。

その隣にいるラピスも

「シングしゃん!?久し振り過ぎて、ラピスのメモリーからも削除され掛けていた名前れす」

良く分からないが驚いた声を上げている。


や、やはり魔王シングのことを知っている……

この方達が神の御使いなんだ。


「オ、オーティスさんでしたね?シングさんは今何処に……」

マーヤがググッと詰め寄る。

その時、

――パンパンッ!!

不意に何処からか手を打ち鳴らすような音が響いてきた。

マーヤの周りに居た若い男達が首を竦め、

「やべ、おやっさんが来たぞ」

「どうしていつも場所が分かるんだろ」

「また怒られるよ…」

そんな事を呟いている。


オーティスが顔を上げると、道向こうに一人の男が立っていた。

着古した薄手のコートのような長衣を着ている。

その胸にはマーヤ達と同じく奇妙な印が描かれた布。

更にその顔に、丸い小さなメガネを掛けている。

おそらくは魔法使いかそれに類似した職能を持つ者だろう。

年の頃はヤマダよりも上だ。

生きていればオーティスの父と同じぐらいだろうか。


その壮年の男はブラブラと此方へ向かって歩いて来ると、マーヤの周りに屯する男達を一瞥し、

「おい小僧ども。村長の所へ行って来い」


「そ、村長ですか?」


「そうだ。勇者様が来訪したんだぞ?この辺境の村にだ。これはもう、村を上げて歓待するしかないじゃないか」

そう言って大きく笑った。

そしてオーティス達ににこやかに微笑みかけると、

「ようこそ、何もない辺鄙な場所へ。セリザーワと言います」


セリザーワ……

この人も神の御使いなのか。

確か異能の力を持つ稀代の錬金術士とか……魔王が言っていたな。


セリザーワはオーティスを見つめながら何度か小さく頷くと、

「摩…マーヤ。それにラピス。家に戻ってお茶の準備をして来なさい」


「ででで、ですが芹…お、お父様。この人はシングさんの事を……」


「分かってる。けど、こんな所で立ち話もなんだろ?シング君の事は、家でゆっくりと聞けば良いじゃないか」


「そ…そうですね」

マーヤはコクコクと頷いた。

「じゃ、ラピスちゃん行こ。皆もちょっと手伝って」

そう言って取り巻きの連中を引き連れ、どこか駆け足で来た道を戻って行く。

セリザーワはそんなマーヤ達の後ろ姿をチラリと横目で一瞥した後、オーティスに視線を向けると、

「……随分と遅かったじゃないか、勇者クン。私の予測では、もう一ヶ月は早いと思ったのだがね」


「え、あ……す、すみません」


「はは……素直だね君は」

セリザーワは苦笑を溢す。

そしてもう一度、駆けて行くマーヤとラピスの後ろ姿を見つめ、

「最初に先ず、君達に言っておく事がある」

そう何処か真剣見のある口調で言った。


「な、なんでしょうか?」


「なに、大した事ではないよ。君がシングく…魔王シングの事について話をした時、おそらくマーヤもラピスも何か妙な事を口走ったり、かなり動揺したりすると思うが……まぁ、気にしないでくれ、と言う事だ。生暖かい目で二人を見ながら適当に頷いてくれたりしたら、それで結構だ」


「それは……どういう意味でしょうか?」

オーティスは僅かに眉を曇らせながら尋ねると、セリザーワは自分の細い顎を指先でなぞりながら、

「……私達が別世界から来た者、と言う事は、ある程度は理解しているだろ?」


「は、はい」


「ふむ……異世界から異世界へ……次元世界間の移動と言うのは、かなり不確定要素が大きくてね。まぁ、私や魔王シング、魔人形の酒井魅沙希等には大して影響がないのだが、マーヤは……実を言うと彼女とラピスは次元世界の移動と言うモノが初めてでね。その影響からか、少々記憶が混乱しているのだよ」


「記憶が?」


「そうなのだ」

とセリザーワはオーティスからシルク、クバルト、そしてディクリスに視線を移し、最後にオーティスの肩に乗っている小動物を見つめながら軽く肩を竦めてみせた。

「今現在、彼女達の中では魔王シングは親しい友人と言う設定になっているのだ。だから君が魔王の話……魔王の悪行についての話をすると、どこか微妙な反応をすると思ってね。だからこうして、事前に忠告しているのだよ」


「魔王シングは友人って……」

記憶の混乱?

そんな事が起きるのか?

いや、確かに別世界から別世界への移動なんて、常識では考えられない大魔法だ。

人体に何かしらに影響を及ぼす事だって有り得る。


「ま、時が来れば……或いは直接魔王シングに会えば記憶は蘇ると思うのだがね。おっと、もちろんこの話はあの二人には秘密だよ?」


「わ、分かってます」

オーティスは頷いた。


「ふふ……しかし魔王シングか。この世界でどのような悪行を……ま、勇者である君がわざわざ訪ねて来たんだ。かなり大暴れしているんだろうねぇ」



勇者を歓迎する式典は、夜遅くまで行われていた。

何しろ何もない辺境の村に、世界にたった一人の勇者が訪れたのだ。

オラが村に勇者様が、と言ったノリで村中は大騒ぎ。

しかも勇者が訪れた理由が、既に彼方此方の国を滅ぼしている魔王シングを倒す為に村の救世主であるマーヤ達を頼って来たと言う……オラが村の女神様が勇者様と供に魔王を倒す。

村人達は興奮冷めやらぬ様子で、もはや式典と言うより祭り状態だ。

オーティス一行は村長の大きな家に招かれ、ずっと祝宴に付き合わされている。

そんな中、喧騒から離れた村の小さな畑の隅にセリザーワは一人佇み、星空を見上げていた。

少し酒で火照った身体に夜風が気持ち良いのか、目を細めながら軽い溜息を吐いている。


その様子を見つつ、ディクリスが足音を忍ばせながら近付くと、

「……ふむ、ディクリス君だったかな?」

セリザーワは空を見上げたまま、囁くような小さな声で言った。


「は…」

ディクリスは僅かに首を動かすように頷く。

セリザーワはゆっくりとディクリスに視線を動かし、

「そう言えば……君に一つ尋ねたいのだが、パソコンゲーム史における時代の徒花と言えば、何だと思うかね?」


暗号だな。

確か……

「えむえすえっくす、かと」

ディクリスは答えた。

と、セリザーワは満面の笑みを浮かべ、

「そうなのだよ。確かにアレは色々と問題もあった。数多のメーカーを揃えて規格を統一する……それ自体は別に悪い考えではない。しかし、統一規格と言うのは、ある程度技術が高止まりした時にこそ行うもの。日進月歩で技術革新が進んでいる時に行えば、統一された規格なぞはほんの数ヶ月で時代遅れとなってしまう。ましてや数多のメーカーと言っても会社間での技術格差はある。どのメーカーも作れるように規格を統一すれば、その技術ラインは低くせざるを得ない。結局、出来上がるのはチープな代物だ。ゲームとしてもパソコンとして中途半端な代物だ。しかしながらMSXは、ホビーパソコンと言う世界に類を見ない新ジャンルを確立した……っと、失礼。この話をしだすと少々熱が入ってしまってね。ふふ、私の青春でもあるし……今度、本でも出版してみようかなぁ」


「は、はぁ…」

何を言ってるのか全く分からない。

異世界の話だろうか。


そんなディクリスをセリザーワは面白そうに見つめながら、

「……それで?シング君は何か言っていたかね?」


「は。シング様から言付けを預かっております」

魔王シングから、直接セリザーワに会って話せと託された伝言だ。


「ふむ……で?」


「シング様が言うには、『アドリブでお願いしやっす。オーソドックスに勇者と魔王と言うのはどうでしょう』……との事です」


「なるほど」

セリザーワは顎に手を掛け、何か考えるように空を見上げると、

「ふむ……ではシング君に伝えてくれ。天秤シナリオで行こう、と」


「畏まりました。天秤シナリオで行こう、ですね」

ディクリスにはその意味がサッパリ分からない。

しかし、良からぬ事を企んでいるのは直感的に悟る事が出来た。

と同時に、この方はシング様以上に悪知恵が働く……とも思った。


「シング君なら即座に理解する筈だ。ふふ……しかし摩耶お嬢……コホン、マーヤがあれほど勇者君に共感するとはね」


ディクリスも軽く頷いた。

あれからセリザーワの家に赴き、そこでオーティスは魔王シングの悪行を――少々誇張もあったが――を滔々と語って聞かせたのだが、その時のマーヤの反応ときたら……

「少し泣きながらシング様に罰を与えます、と言っておりましたが……色々と大丈夫なのでしょうか?そう言えば記憶の混乱とセリザーワ様は仰っていたような……」


「ん?ふふ……君も気付いているだろ?嘘だよ」


「やはりですか」


「マーヤやラピスは性格的に嘘が吐けないからね。言動から話の辻褄が合わないと困る。その為の予防線さ。とは言え……あの勇者クンに真実が見抜けるとは到底思えないがね。しかし本当に、あれが勇者なのかねぇ」

セリザーワは苦笑を溢しながらディクリスを見つめた。

その表情には、隠しようもない侮蔑の色が含まれている。


ディクリスも思わず口角を吊り上げ笑ってしまった。

「シング様も同じような事を仰っておりました。未熟が過ぎると。アレは強くなる為なら壷だって買う男だぞ、と」


「さすがはシング君。よく見抜いているねぇ」

セリザーワは小さな笑い声を上げ、何度も頷いた。

「確かに、純粋な心や純真さは美点の一つであり、勇者に必要な資質なのかも知れないが……逆にそれが弱点となる場合もある。彼の場合がまさしくそれだな。しかし分からんなぁ。勇者と言うのは、もっとこう……困難を乗り越えたり苦労を重ねて来た者がなれる、特別な職業クラスじゃないのかね?肉体的にも精神的にも成熟した者がだ。それにあの仲間達も……こう言っては何だが、まるでごっこ遊びの延長のようだよ」


「あの者は特に苦労もせずに先代勇者の跡を継いだと……また仲間達も、現勇者であるオーティスが集めた新参者です。先代からの仲間もいましたが、彼らは今はシング様の元に」


「……なるほどね。その辺の経緯は分からんが……まぁ、想像は付く。シング君はあれでかなりの苦労人だし、不思議な魅力も持っているからね。さすが、数多の種族を統べる魔王と言った所かな」


「……確かに」

その言葉は、ディクリスの胸にストンと落ちた。

あの魔王はセリザーワの言う通り不思議な魅力を持っている。

話を聞くだけでは分からないが、実際に会ってみると良く分かる。

確かに、魔王シングは酷いことをした。

数多の人々を殺し、多くの国を滅ぼした。

が、不思議と邪悪さを感じさせない。

あまつさえオーティスとは違う意味の純粋ささえ感じる。

「あの方は……勇者とは違い、人の……いえ、全ての種族の悪い面も見ておられます。片方だけを見て善悪を判断する事はありません」


「善悪か。ふふ、完全なる善な者などはいないよ。全ての者は心に何かしらの悪しき魔物を飼っている。それを上手く、自分の中で手懐ける事が出来るかどうかだ。そもそも善悪の判断基準など、時代と供に移ろい行く程度の不確かなものだ。勇者は確かに正義を体現する者だが……その正義など、所詮は人の価値観で決めた正義に過ぎん。ましてや未熟で弱い勇者が唱える正義に、一体どれだけの価値があると言うのか」


「しかしマーヤ様は、そんな勇者にいたく共感なされておりましたが……」


「あのもまだまだ未熟でね」

セリザーワは、どこか疲れた笑みをディクリスに向けた。

目元に歳相応の深い皺が寄る。

「ふふ……ともかく、勇者君には悪いが暫くは私達の為に踊ってもらうとするかね。それもまた、彼には良い経験だと思うよ」









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