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付録のトランジスタRadio  作者: 音澤 煙管
7/15

- 調達 -




" 〜 the time machine! "

裏サイトには確かにそう書いてある。


わたしの手元にあるラジオがそれだ…

童心に返って夢描いている様なそんな気持ちだ。それどころか、ニコラ・テスらが生きていたならば彼の造ったその高圧変圧器で生成された100万ボルトを頭に直撃された様な電流が走っている気分だ。


わたしは、嘘も真実も半信半疑で信じる癖があり、それを自分なりに立証しなければ全てを受け入れない。人から伝わる事や言う言葉の中には個々に性格があるし、時間も経過しているからだ。それを証明し真実を知る事は己の目の前だけで起こる今だ、そうして生きてきたし今も同じだ。今回のこの代物も、初めは噂で始まり興味があったから探して取り寄せ今この手元にあり、またもう一つ真実に一歩近づけた。単純に生きてこそ人間なのだと思う、詐欺なんて所詮他人の言う事に過ぎないから立証は出来ていない時点では100%信じられない。騙されない、流されないとはそういうものだ。


疑うからこそ調べるし、追求して現物を拝見できこれからまた立証と言う作業が待っている。これは、ニコラ・テスラを敬愛しているからだと自負している。彼の師匠であるエジソンは発明家ゆえの直感のみ、理論など二の次の浅はかな人間だった。そして最後には悪知恵でテスラを試し、発明を横取りするに至ったのだろう。

幼かった頃、伝記など読まなくて正解だった。この世の中に真実は一つだけだ。

わたしの今知ろうとしている真実は、このトランジスタラジオとこの裏サイトだけ。

まだまだ、これだけでは済まないし自己満足だけで済ませたくは無いからだ。


サイトのラジオ〜マシンの項目をクリックすると、ご丁寧にも画像付きの改造マニュアルが現れる。既に実行している様だが…改造だと?

そうかぁ…やっぱり、このラジオのままではダメなのかぁ…この時点ではまだわたしの中では、読んで直ぐにサイト通りのマニュアルを実行する気は無かったので、ざっと一通り手順を眺めるだけにした。


んー…ココでまた困ったことが生じた。

マニュアルをざっと読んでいくと、どうやらいくつかこのラジオ以外にも小道具が必要らしい。

今の段階では、直ぐに改造が出来ないし結果も出せない。少しばかりかメモを取りながらマニュアルを覗き見る事にしよう。

大した物は要らなそうだ、今も市販されているものばかりだし、専門店にしか置いていない物もあるが近所を探せば直ぐに見つかるものだ、良かった。

後は実践のみ、今日はこのくらいにして明日また、必要な物を揃えお店を探しに廻ろうと考えた、もう日付も変わって明日になってしまった、夢中になり過ぎたな…

シャワーでも浴びて寝る準備をした。

就寝しようと部屋の電気を消した時、ラジオが入っているダンボールが微妙に、わずかにぼんやりと蛍の様に光ってる姿はわたしは気が付かず目を止めずに寝てしまった。


そして、翌日…


少し飲み過ぎたと感じた翌朝、だいぶ寝坊して目が覚めた朝となる。

あれだけの事件が起きたんだから呑んでいたのかシラフだったのか自分にも記憶が無いが、マニュアルを見ながらとったメモと、ラジオが入ったダンボールが机の上に有るのは事実だ。昨日の事は夢では無い、後からメモ書きした必要な物を調達しに行く。

まずは、ちゃんと目を覚ますために顔を洗いに洗面所へ向かう…メモを片手に。

顔を洗い、歯ブラシを取る。

歯を磨く顔は憔悴しきっている…嫌でも目の前に写る自分の顔を避ける様に、歯を磨きながら洗面台に置いたメモを横目に昨日書いたものを見て復習する。

買わなくても良い様な物、今自分が持っているものは工具類くらいだ。殆どの物は揃えないと…よし。


この日は買い物に夢中になり、お昼も摂らず動き回っていた。気がつけばもう午後2時だ…どうりでお腹が鳴るわけだな。何とか、手元にあるトランジスタラジオを"マシン"にするための小道具やパーツを買い揃えた。

しかし、今日は土曜日で平日しか開いていない専門店もあったので、不足の物は翌日に届くネット通販を利用する事にした、便利な世の中である。

メモした物は買い揃えたが、出かけたついでに他の物も買えればと、少し休憩も兼ねてコンビニのファーストフードを買い、座りながら店内の飲食スペースでそれを食べながら例の裏サイトを見てみることにした。


"他には、何かあるかなぁ?"


必要な物と、マニュアルの工程をスマホでまた翻訳アプリを使いながら読み始めた…




つづく




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