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付録のトランジスタRadio  作者: 音澤 煙管
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- 裏サイトへ -





太田との再会した呑み屋から帰宅し、千鳥足で部屋に入る。癖のように無意識にパソコンを点け着替えを済ませて、少し呑み足りないと思い、キッチンへ向かい冷蔵庫からハイネケンを取り出し部屋へ戻った。ツマミは、帰りがけにコンビニで買ってきたイカゲソだ。

パソコンデスクの椅子へ腰をかけ、プシュッと缶の蓋を開け一口呑み徐に呟いた…


"太田のやつ…大丈夫かなぁ?"


暫く、何も無い窓のカーテンを見ていてボーッとしながら缶ビールを呑んだ。その後我に返り、パソコンをマウス片手に見てみる。

ウェブページを開いて、無料のメールサイトへ飛び裏サイトの管理者から返信があったか気になっていたのを思い出した。


新着メール2件です…メールフォルダをクリック。件名が英語と使ってるバイダーからのお知らせメールだった。

英語表記のものは、やはり裏サイトの管理者からだ、やっと来た。

そう思い、クリックしてメールを開くと、


" Welcome! To my space... "


以下には裏サイトのアドレスが載っていた。早速アドレスをクリックして新しくページが開いた、昨今のブラウザは悪質なサイトだとしても判断して即ブロック、開かない様にしてくれるから便利だ。昔なんてクラッシュとか言うやつを押したらもう最後、永遠にブラウザが無数に開きパソコンは処理されずダウンする。ただそれだけだが精神的にも参った事を思い出す。暫くすると裏サイトが開いた、良かったぁ本物らしい。


当たり前のことで、裏サイトは全て英語なので画面を半分翻訳サイトにする。さぁ、代物の詳細はどこだ?

焦る気持ちを抑えてトップページの隅から隅までクリックしてページが出たら全て翻訳させる…その作業が20分ほど続くと、その時に出たページには


(裏サイト)

"This old radio,

The thing attached to the magazine is the time machine!"


(翻訳サイト)

"この古いラジオは、

雑誌に付いている物はタイムマシン!"



小さなサムネイル画像に見慣れたラジオが写っている…そのタイトルの文末にはタイムマシン…!?


「これだ…これだぁーッ!!!」


わたしは思わず声を上げてしまった、当然と言えば当然の事だ。

あれは2ヶ月前の会社での話…

噂話だったが、もしかして、ひょっとして?と思い探し求めていた物を手に入れ、その全貌も解明しようと連日連夜頭からこのラジオの事は離れなかった。この物がわたしの全てだったからだ。これで酔いもすっかり冷めてしまい、少し落ち着こうと洗面所へ顔を洗いに向かった。


当たり前のこの家の中の景色が、少し違った色と輪郭だけ鮮明に見えたのは気のせいでも酔っていたからだけでも無かった、いよいよ夢が叶う時が来た。そう思うと、少しだけ落ち着けた自覚を感じて居たわたしだった…





つづく




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