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付録のトランジスタRadio  作者: 音澤 煙管
4/15

- デッドストック -




待ちに待ったトランジスタラジオ。

夢の様だが今、わたしの手元にあるのは事実のことだ。

帰宅早々に開封をし、実物を拝見…

帰ってきたばかりで空腹には敵わず、あとのお楽しみと送られてきたダンボール箱に戻した。

この日、生涯何度目となるのか祝杯を一人きりでした。たかが、古い雑誌の付録の玩具ごときで…と、笑われても良い。これが、わたしの中で求めていた一つにもなるからだ。

食事中も祝杯の宴でも、気になっていたトランジスタラジオの裏サイトをスマホで探していた。

見つけ出したが空白のページ…

ずっと下までスクロールしていくとメールアドレスが書かれている。

どうもこの裏サイトは、管理人の承諾を得ないと閲覧できない仕組みになってるらしい…。

スパムメールも含めて、少し怪しく思いながら、コンタクトと閲覧をしたいがためにサブアドレスから送信してみる事にした。

サブアドレスはバイダー大手の無料メールアドレス、緊急用やこう言う時のために5つほど用意してある。

スマホへも、登録設定しておけばいつでもどこからでも送受信できるから非常に便利だ、スパムメールも弾いてくれるし、何か障害があっても捨てられるものだ。


夕飯も祝杯も終えて、じっくりと代物を拝見しようと部屋へ戻った。

もう一度手にとってみる、眺めは最高だ。

ラジオ単体を机に置き、まだ中身を拝見していなかった雑誌とマニュアルにも目を通してみる。

この雑誌自体は、日本でいうところの中学生レベルなのであまり関心が無くパラパラ程度で終えたが、所々の当時の広告がヴィンテージっぽくて目が止まる。


次は問題のマニュアルだ…


マニュアルは、マニアのサイトで見た物と全く同じだったがわたしの購入したこの代物の方が程度は良い。同じように自己満としてサイトへ掲載したいくらいだ。

雑誌とマニュアル、ラジオ本体も程度が良過ぎてしまうので使うには惜しくなる。

マニュアルは明日、通勤途中にコンビニでコピーをとる事にする。

雑誌には用事が無いが、これも惜しいので劣化しないようにビニールへ戻した。

問題なのがトランジスタラジオ本体だ…


そう言えば、もう一つ購入したがまだ届いていない。発送主が違うからだろうか?

程度が良く無い方をメインに使うことを考えて、到着するのを待とう。それと裏サイトの管理者からメールも来るはず…

本当の楽しみはまだこれからだ。


取り敢えず、裏サイト以外の情報収集のためまたパソコンに電源を入れ検索する事にした。充分調べてからでないと、折角探し当てた代物は年代物だし、丁寧な扱いをしないとラジオ以外の機能が発揮出来ないだろう、そもそもそれが目的で購入したんだから。


よく調べ始めたが、裏サイトに似たサイトを見つけた。これは裏ではないが、内容全般がクレイジーだった…いかにも嘘くさい事ばかり書いてあるが、嫌いではないので暫く覗く事に。

自作UFOの造り方とか、透明人間になれる薬の作り方、自分の血液からコピー人間を作るレシピなどなど…アニメの空想の世界で現実味が全く無くて楽しめるし、バカバカしいが憎めない、違う形の平和と思える。


そう言えば、幼馴染で同じような趣味を持っている太田が居る。最近ご無沙汰だったから、後で連絡を取ってみようか?

呑みにでも出かければ、話のネタには充分になるだろう。彼もまた、この手の世界は得意な方だから意見を聞いてみたいのもある。

そう思って電話をして明日の金曜日に早速呑みに行く約束をした。

明日が楽しみだ、それから裏サイトの管理者からの連絡も楽しみに、この日はシャワーを浴びて寝る事にした…





つづく



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